ブレイクスルー
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「…ふむ」
「え、なに柳生」
「丸井くんを振り向かせる方法が一つだけあります」
「え、なに?もっと早く言ってよ!」
「これです」
そう言って柳生が鞄から取り出したのは、…うまい棒。今ちらっと見えたけど、鞄の中にまだまだあったね、しかもわたしに見られないようにその1本だけ上手いこと取り出したね。別に取ったりしないのに。忘れてたけど、一応柳生も中学生だった…。
「それを丸井くんにあげるといいでしょう」
「これを…?」
なんか感触的に中かなり砕けちゃってるんですが。絶対1番汚いやつ選んだなこいつ。てか今の一瞬で砕けたやつを選ぶってある意味能力じゃないですか。
「では、頑張ってください」
あ、うまい棒は安いところで9円なのに、そんな安っぽいもので彼の心を掴めるの?なんて考えなくても大丈夫です。彼は食べられるもの、食べものなら何でもいいんです。つまり、贈られるものが食べものであれば誰からだろうとどうでもいいんです。なんて熱弁してたけど、柳生、ちょっと必要ないことまでお喋りしすぎじゃない?
「うむ。敢えて言うなら、うまい棒をうまいこと使用しよう、というところだな」
珍しくわたしと柳生のやり取りに口出ししてこないとおもったら、そんなくだらないダジャレを考えていたのですか参謀よ。気付いたか?一つの文の中にダジャレを二つも取り入れたんだぞ。と少々興奮気味の様子です。もちろん表情はいつも通り。
「前から思っていたのだが、俺は六角の天根よりももっと輝きのあるダジャレを生み出す自信がある」
やばい。なんか変な自信持っちゃったよ。言うまでもないけど、ダジャレに輝きは必要ないでしょうよ。必要とか不必要とか、わたしはダジャレに詳しくないので何も言えないけど。というか天根って誰?頼むから柳の自信を掻っ攫っちゃうようにもっとダジャレレベルを上げちゃって欲しい。
「と、とりあえず、ありがとうね、柳生」
柳の意味不明な自惚れから逃げたくて柳生の方に顔を向けると、柳生は鞄の中をじいっと見て、眼鏡を光らせながらぶつぶつとぼやいていた。よっぽどあのうまい棒あげたくなかったんだね。それをわざわざわたしのためにくれたなんて…。よし。明日倍にして返してあげようじゃないの。
そしてわたしは早速実行することにしました。柳の、「丸井は3限目と4限目の間の休み時間にトイレに行く習性がある。その時を狙うんだな」って言葉を信じて廊下で待っているところ。廊下って言ってもみんなの前じゃ恥ずかしいからトイレ寄りの静かな廊下。
というかなんで柳が丸井くんのトイレ事情なんか知ってるんだ。丸井くんはもちろんA組寄りにあるトイレに行くだろうから、F組の前なんか通らないだろうに。丸井くんを好きなわたしでさえ知らないのに柳が知ってるなんてなんか悔しいな。いやでも好きだからこそトイレ事情知ってたら余計怖いよね。
そんなことをうんたらかんたら考えていると、少し先のトイレから出てきた丸井くんが目に入った。うわ、こっち来るよ、どうしよう。彼がわたしに近くなったと同時に、どうにでもなれ!と勢いを付けて丸井くんの元に歩いていった。
「ま、丸井くん」
「ん?なに?」
「こ、これ、…どうぞ」
わたしがうまい棒を差し出すと、彼はわけが分からないといったようにわたしを見据えた。そりゃ、そうだよね。まともに話したこともないやつからいきなり食べもの渡されて受け取る人なんていない。しかも、あげるだけで心を掴むなんて餌付けみたいな動物的なこと、丸井くんがつられるわけがー…
「くれんの!?やった、サンキュー!」
丸井くんはわたしが手に持っていたうまい棒を取ってしわの入った袋をあけると、砕けたうまい棒(もはや棒じゃない。…粉?)を口に流し込んだ。え、ちょっと待って、まさかこの展開って、
「お前たなかだよな?まじありがとな!またくれよ?」
そう言って清々しい表情をした丸井くんはわたしの肩に手を回して頭をがしがしっと撫ぜた。きゃー!近すぎる!嬉しいけど近すぎる!恥ずかしいけどお願いだからまだチャイム鳴らないで!
ブレイクスルー
幸せすぎるけど、わたしの今までの努力は一体何だったんだ!
「え、なに柳生」
「丸井くんを振り向かせる方法が一つだけあります」
「え、なに?もっと早く言ってよ!」
「これです」
そう言って柳生が鞄から取り出したのは、…うまい棒。今ちらっと見えたけど、鞄の中にまだまだあったね、しかもわたしに見られないようにその1本だけ上手いこと取り出したね。別に取ったりしないのに。忘れてたけど、一応柳生も中学生だった…。
「それを丸井くんにあげるといいでしょう」
「これを…?」
なんか感触的に中かなり砕けちゃってるんですが。絶対1番汚いやつ選んだなこいつ。てか今の一瞬で砕けたやつを選ぶってある意味能力じゃないですか。
「では、頑張ってください」
あ、うまい棒は安いところで9円なのに、そんな安っぽいもので彼の心を掴めるの?なんて考えなくても大丈夫です。彼は食べられるもの、食べものなら何でもいいんです。つまり、贈られるものが食べものであれば誰からだろうとどうでもいいんです。なんて熱弁してたけど、柳生、ちょっと必要ないことまでお喋りしすぎじゃない?
「うむ。敢えて言うなら、うまい棒をうまいこと使用しよう、というところだな」
珍しくわたしと柳生のやり取りに口出ししてこないとおもったら、そんなくだらないダジャレを考えていたのですか参謀よ。気付いたか?一つの文の中にダジャレを二つも取り入れたんだぞ。と少々興奮気味の様子です。もちろん表情はいつも通り。
「前から思っていたのだが、俺は六角の天根よりももっと輝きのあるダジャレを生み出す自信がある」
やばい。なんか変な自信持っちゃったよ。言うまでもないけど、ダジャレに輝きは必要ないでしょうよ。必要とか不必要とか、わたしはダジャレに詳しくないので何も言えないけど。というか天根って誰?頼むから柳の自信を掻っ攫っちゃうようにもっとダジャレレベルを上げちゃって欲しい。
「と、とりあえず、ありがとうね、柳生」
柳の意味不明な自惚れから逃げたくて柳生の方に顔を向けると、柳生は鞄の中をじいっと見て、眼鏡を光らせながらぶつぶつとぼやいていた。よっぽどあのうまい棒あげたくなかったんだね。それをわざわざわたしのためにくれたなんて…。よし。明日倍にして返してあげようじゃないの。
そしてわたしは早速実行することにしました。柳の、「丸井は3限目と4限目の間の休み時間にトイレに行く習性がある。その時を狙うんだな」って言葉を信じて廊下で待っているところ。廊下って言ってもみんなの前じゃ恥ずかしいからトイレ寄りの静かな廊下。
というかなんで柳が丸井くんのトイレ事情なんか知ってるんだ。丸井くんはもちろんA組寄りにあるトイレに行くだろうから、F組の前なんか通らないだろうに。丸井くんを好きなわたしでさえ知らないのに柳が知ってるなんてなんか悔しいな。いやでも好きだからこそトイレ事情知ってたら余計怖いよね。
そんなことをうんたらかんたら考えていると、少し先のトイレから出てきた丸井くんが目に入った。うわ、こっち来るよ、どうしよう。彼がわたしに近くなったと同時に、どうにでもなれ!と勢いを付けて丸井くんの元に歩いていった。
「ま、丸井くん」
「ん?なに?」
「こ、これ、…どうぞ」
わたしがうまい棒を差し出すと、彼はわけが分からないといったようにわたしを見据えた。そりゃ、そうだよね。まともに話したこともないやつからいきなり食べもの渡されて受け取る人なんていない。しかも、あげるだけで心を掴むなんて餌付けみたいな動物的なこと、丸井くんがつられるわけがー…
「くれんの!?やった、サンキュー!」
丸井くんはわたしが手に持っていたうまい棒を取ってしわの入った袋をあけると、砕けたうまい棒(もはや棒じゃない。…粉?)を口に流し込んだ。え、ちょっと待って、まさかこの展開って、
「お前たなかだよな?まじありがとな!またくれよ?」
そう言って清々しい表情をした丸井くんはわたしの肩に手を回して頭をがしがしっと撫ぜた。きゃー!近すぎる!嬉しいけど近すぎる!恥ずかしいけどお願いだからまだチャイム鳴らないで!
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幸せすぎるけど、わたしの今までの努力は一体何だったんだ!
