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なんとなく帰る気が起きなくて、教室でぼーっとしてた時のこと。この教室の窓からはいろんなところが見渡せる。例えばほら、告白スポットとかね。今日も目に映ったのは赤い髪の丸井ブン太と、かわいらしい女の子。二人は楽しそうに笑い合っていた。そして、女の子が思いを告げて、丸井が申し訳なさそうにそれを断って。わたしは今まで、そんな場面を何度見てきたんだろうか。きらい。きらい。あんなやつ、きらいなはずなのに。どうでもいいはずなのに、心が痛い。なぜか鼻につんときた感覚を紛らわせようと立ち上がった。あいつの顔を見れば汚い言葉が出てきて、その度にわたしは丸井に嫌われていって。そんな繰り返しが自分でもよくわからなかった。
「あ、たなかさん」
「え、あ、何…?」
誰もいないはずだった教室にわたしじゃない男子の声が聞こえて思わず振り返った。そこに立っていたのは隣のクラスの男子で、何事だろうかと思いつつ彼に向き合うと、どこか顔を赤らめて軽く俯いてしまった。
「俺、ずっとたなかさんのこと気になってたんだけど…付き合ってくれない?」
いきなりの告白にすぐには言葉が出てこなかったけど、もちろんわたしの答えは決まっていた。わたしの返事を待つ彼の瞳にはわたしが写っていて、つい恥ずかしくはなってしまったけど。
「ありがとう…でもごめん。わたし、今はそういうの考えられないから」
「そっか…」
ありがとうと言って教室を出て行った男子の背中をしばらく見つめていた。好きだって言ってきてくれる人は、話したことのない人たちばかり。そんな人は、きっとわたしの性格を知らない。口だって悪いし、女の子らしくないし、うん。まとめてみれば良いところなんてない。一人になった教室で立ったままぼうっとしていると、ドアががたっと音を鳴らした。
「見ーちゃった」
「ま、丸井…」
「お前みたいな奴でも告られんだなー」
「…うるさい」
わたしは丸井に背を向けると、机の上に置いてあった鞄の取っ手をぎゅっと掴んだ。なんでよりによって丸井というやつに見られてしまったんだろうか。というかあんたこそさっきまで下で告られてたんじゃないの?
「今の逃していいわけ?もうチャンスねえかもよ」
「……」
「んだよ、無視かよぃ」
「う、るさい…」
言いたいことをずかずかと口にする丸井に対して発した言葉が思わず震えた。滲んできた涙は悔しくて出てきただけ。丸井の言うことが当たってるから。
「…なに、泣いてんの?」
「可愛く、ないとか…自分が一番、よく分かってる」
何言ってんの、わたし。丸井になんて何言われたっていいじゃん。ムキになることないのに。話せば話すほどに涙が溢れてきて、カーディガンの袖で乱暴に目元を擦った。絶対わけわからない奴って思われてるに違いない。わたしだって自分がよくわからない。
「悪かったな」
その言葉と同時に後ろに立っていた丸井の大きい掌で頭を優しく撫でられた。こいつの手、こんなにも優しかったんだ。
そっか、わたし、丸井のことが好きなんだ。
「あ、たなかさん」
「え、あ、何…?」
誰もいないはずだった教室にわたしじゃない男子の声が聞こえて思わず振り返った。そこに立っていたのは隣のクラスの男子で、何事だろうかと思いつつ彼に向き合うと、どこか顔を赤らめて軽く俯いてしまった。
「俺、ずっとたなかさんのこと気になってたんだけど…付き合ってくれない?」
いきなりの告白にすぐには言葉が出てこなかったけど、もちろんわたしの答えは決まっていた。わたしの返事を待つ彼の瞳にはわたしが写っていて、つい恥ずかしくはなってしまったけど。
「ありがとう…でもごめん。わたし、今はそういうの考えられないから」
「そっか…」
ありがとうと言って教室を出て行った男子の背中をしばらく見つめていた。好きだって言ってきてくれる人は、話したことのない人たちばかり。そんな人は、きっとわたしの性格を知らない。口だって悪いし、女の子らしくないし、うん。まとめてみれば良いところなんてない。一人になった教室で立ったままぼうっとしていると、ドアががたっと音を鳴らした。
「見ーちゃった」
「ま、丸井…」
「お前みたいな奴でも告られんだなー」
「…うるさい」
わたしは丸井に背を向けると、机の上に置いてあった鞄の取っ手をぎゅっと掴んだ。なんでよりによって丸井というやつに見られてしまったんだろうか。というかあんたこそさっきまで下で告られてたんじゃないの?
「今の逃していいわけ?もうチャンスねえかもよ」
「……」
「んだよ、無視かよぃ」
「う、るさい…」
言いたいことをずかずかと口にする丸井に対して発した言葉が思わず震えた。滲んできた涙は悔しくて出てきただけ。丸井の言うことが当たってるから。
「…なに、泣いてんの?」
「可愛く、ないとか…自分が一番、よく分かってる」
何言ってんの、わたし。丸井になんて何言われたっていいじゃん。ムキになることないのに。話せば話すほどに涙が溢れてきて、カーディガンの袖で乱暴に目元を擦った。絶対わけわからない奴って思われてるに違いない。わたしだって自分がよくわからない。
「悪かったな」
その言葉と同時に後ろに立っていた丸井の大きい掌で頭を優しく撫でられた。こいつの手、こんなにも優しかったんだ。
そっか、わたし、丸井のことが好きなんだ。
