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「『姫…』」
大きな舞台の中心で膝をついて、大きな箱の中に敷き詰められた花の中に埋もれる俺の天敵、たなかはな。いつも憎まれ口を叩く奴で、すっげえむかつく奴なのに。綺麗にセットされた髪の毛や白い肌に栄える化粧が、何故か可愛いと思った。いつもこうやって黙ってればちょっとはマシなのによ。そんなことを考えながらこいつの頬に手を添えた俺は、何を考えたのか、何かに引き寄せられるようにたなかに口付けた。俺を現実に引き戻したのは、生々しく重なった唇。我に返って勢いよく離れると、たなかは目を見開いて驚いていた。何で俺、こいつにキスしたんだ…?
「で、なんでキスしたんだよ」
文化祭も終わってまたいつもと同じ日常が戻ってきた頃。友人によるとどうやら俺らの劇の話題で持ち切りらしい。犬猿の仲のくせになんでキスしたんだー、って。キスした理由?そんなの、俺が一番知りたいことだ。
「まあ、いっか。それで、どーだったわけ」
「は?何が」
「たなかとのキスに決まってんだろ」
「あー。なんか思ったより柔らかかっ…」
バン!と寧ろ心地良い程の音が俺の後頭部を襲った。振り返るとまた教科書を5冊ほど持った怪力女。その姿にはこの間の色気の欠片もなかった。なんでこいつにキスしたいと思ったのか、今の俺には全く分からなかった。
「そんなべらべらしゃべんな、馬鹿!」
「お、白雪姫の登場か」
「…か、からかわないで!あ、逃げるな!」
俺が馬鹿にするようにそう言うと、顔をタコみたいに真っ赤にした。わなわなと口を開いたままのたなかの隙を見て、俺は教室から飛び出した。あの姿を見る限り、自分のキスシーンについて話されるのが嫌らしい。まあ誰だって嫌だろうけど。俺にとっちゃ相手が相手なだけにそれほど嫌じゃない。もちろん好意を抱いてるわけじゃなくて、むしろ真逆なんだから焦る必要なんかなくねえ?走りながら後ろを振り返ると、今にもこけそうな状態でたなかが必死に俺を追い掛けてきていた。現役運動部の男に勝てるわけねえのに、哀れな奴。そう考えながらも俺が飛び込んだのは男子トイレ。一番奥まで入り切ると、やっと俺に追い付いたたなかはトイレの入口から悔しそうにぜえぜえと息を切らしながら俺を睨みつけた。
「残念。お前一応女子だからこんなとこ入って来れないよなー」
「やっぱり嫌い!一発殴らせろ丸井ブン太!」
誰もいないとはいえ、何の恥ずかし気もなく男子トイレに入ってくるたなかに思わず吹き出しそうになった。からかって楽しんでるってことを彼女は理解していないのだろうか。そうやってムキになられると余計からかい甲斐があるんだよな。早足で俺の目の前に来たのと同時に彼女が振り上げた腕を掴んでやった。本気で殴りにきたのかよ、おっかねえ奴。
「離してよ!」
「なあ、こんなとこで女子と2人きりだとさ、俺ムラムラしてくんだけど。襲ってやろっか?」
「あなたに襲われるのは心外です。襲われる前に襲い返す!」
「…っとに可愛くねえ奴」
どこまでも可愛い気のないこいつをからかってやろうと思い掴んだ腕をそのまま壁に縫い付けて首筋に唇を触れさせてやると、たなかは驚きながらも目をぎゅっと閉じて小さく声を漏らした。
「うわ、怪力女もそんな声出せんだな」
「さ、最っ低…!」
あまりの苛立ちに俺を殴るという目的を忘れてしまったのか、たなかは慌ててトイレから出て行った。多分劇の時もそうだったから。キスしたいと思ったのも、こいつがこいつに見えなかったから。うん、ただそれだけ。
大きな舞台の中心で膝をついて、大きな箱の中に敷き詰められた花の中に埋もれる俺の天敵、たなかはな。いつも憎まれ口を叩く奴で、すっげえむかつく奴なのに。綺麗にセットされた髪の毛や白い肌に栄える化粧が、何故か可愛いと思った。いつもこうやって黙ってればちょっとはマシなのによ。そんなことを考えながらこいつの頬に手を添えた俺は、何を考えたのか、何かに引き寄せられるようにたなかに口付けた。俺を現実に引き戻したのは、生々しく重なった唇。我に返って勢いよく離れると、たなかは目を見開いて驚いていた。何で俺、こいつにキスしたんだ…?
「で、なんでキスしたんだよ」
文化祭も終わってまたいつもと同じ日常が戻ってきた頃。友人によるとどうやら俺らの劇の話題で持ち切りらしい。犬猿の仲のくせになんでキスしたんだー、って。キスした理由?そんなの、俺が一番知りたいことだ。
「まあ、いっか。それで、どーだったわけ」
「は?何が」
「たなかとのキスに決まってんだろ」
「あー。なんか思ったより柔らかかっ…」
バン!と寧ろ心地良い程の音が俺の後頭部を襲った。振り返るとまた教科書を5冊ほど持った怪力女。その姿にはこの間の色気の欠片もなかった。なんでこいつにキスしたいと思ったのか、今の俺には全く分からなかった。
「そんなべらべらしゃべんな、馬鹿!」
「お、白雪姫の登場か」
「…か、からかわないで!あ、逃げるな!」
俺が馬鹿にするようにそう言うと、顔をタコみたいに真っ赤にした。わなわなと口を開いたままのたなかの隙を見て、俺は教室から飛び出した。あの姿を見る限り、自分のキスシーンについて話されるのが嫌らしい。まあ誰だって嫌だろうけど。俺にとっちゃ相手が相手なだけにそれほど嫌じゃない。もちろん好意を抱いてるわけじゃなくて、むしろ真逆なんだから焦る必要なんかなくねえ?走りながら後ろを振り返ると、今にもこけそうな状態でたなかが必死に俺を追い掛けてきていた。現役運動部の男に勝てるわけねえのに、哀れな奴。そう考えながらも俺が飛び込んだのは男子トイレ。一番奥まで入り切ると、やっと俺に追い付いたたなかはトイレの入口から悔しそうにぜえぜえと息を切らしながら俺を睨みつけた。
「残念。お前一応女子だからこんなとこ入って来れないよなー」
「やっぱり嫌い!一発殴らせろ丸井ブン太!」
誰もいないとはいえ、何の恥ずかし気もなく男子トイレに入ってくるたなかに思わず吹き出しそうになった。からかって楽しんでるってことを彼女は理解していないのだろうか。そうやってムキになられると余計からかい甲斐があるんだよな。早足で俺の目の前に来たのと同時に彼女が振り上げた腕を掴んでやった。本気で殴りにきたのかよ、おっかねえ奴。
「離してよ!」
「なあ、こんなとこで女子と2人きりだとさ、俺ムラムラしてくんだけど。襲ってやろっか?」
「あなたに襲われるのは心外です。襲われる前に襲い返す!」
「…っとに可愛くねえ奴」
どこまでも可愛い気のないこいつをからかってやろうと思い掴んだ腕をそのまま壁に縫い付けて首筋に唇を触れさせてやると、たなかは驚きながらも目をぎゅっと閉じて小さく声を漏らした。
「うわ、怪力女もそんな声出せんだな」
「さ、最っ低…!」
あまりの苛立ちに俺を殴るという目的を忘れてしまったのか、たなかは慌ててトイレから出て行った。多分劇の時もそうだったから。キスしたいと思ったのも、こいつがこいつに見えなかったから。うん、ただそれだけ。
