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どうやら今日から劇の練習が始まるみたいだ。委員長から台本を受け取ってぱらぱらとめくってみると、ほらさっそく眠気が。わたしにこんなに大量の台詞を覚えられるのかな。丸井も同じような顔をしている。だからあの時、意地でも辞退してたらよかったのに。そんなことを考えていると、台本の読み合わせをするとの声が掛かった。ああ、駄目だ。どんだけ頑張っても棒読みになっちゃう。丸井も棒読みすぎて面白い。さすがにここでは天才にはなれなかったようでございますね。
「『わあ、素敵な林檎。すごく美味しそうだわ』…誰かさんを思い出すから色が気に食わないけど」
「それ俺のことかよぃ」
「ご名答。すごいね、意外と賢いんだね」
「てめー、表出ろぃ」
本当に表に出そうとしたのか、丸井がわたしの腕を掴もうとした時にこの前と同じような視線が背中に痛いほど突き刺さった。おおう、不思議と背中が冷たくなってきた気がする。わたしと丸井の動きはぴたりと止まり、この視線の元を確かめるべく振り返った。
「たなかさん、丸井くん、私が言ったこともう忘れたのかしら」
「「すみません」」
委員長って劇のことになるとこんなに怖い人になってしまうのか。ああ、こんなことなら寝ないで大道具とか行っておけば良かったかもしれない。この際丸井がどうとかは置いておいて。みんなで練習を始めて何時間か経った頃、やっと帰り支度を始めるみんなにほっとしたのもつかの間。
「あなたたち二人は残って読み合わせの練習」
「は?俺は部活に…」
「丸井くんもう引退して、部活は自由参加でしょ?だから今は劇に向けてみっちり練習してね」
「まじかよぃ…」
しょぼんと面白くも分かりやすく肩を落とした奴に少しだけ同情した。うん、ほんの少し。委員長含む他のみんなはお疲れ様ー、と言って帰っていった。くそう、先生でもない委員長に居残りさせられるなんて、わたしも小さい女になったもんだ。
「委員長帰ったんなら部活行ってもバレねえよな」
「いいんじゃない?まあわたしが漏れることなくチクるけど」
「…ちっ」
そしてわたしたちは仕方なく台本読みをすることになりました。この教室に二人っていうのは意外ときつい。元々やる気のないわたしたちは1ページの読み合わせにも何十分もかかった。やっと最後らへんになってきたって時にはもう外は真っ暗だった。ああ、眠たい。
「『姫、これからは私と共に生きていこう』」
「ごめんなさい。遠慮します」
きっぱりとそう言ったわたしを見て、丸井はがくっと肩を落とした。そして厭味たらしくため息を漏らすと、わたしをそれはそれは力強く睨みつけた。うん。無理もないかな。何度目だろうか、このやりとりは。こんなに時間が掛かってるのは多分わたしのせいだろうな。
「お前なあ…これは台本なんだよ。俺だっていくら台詞でもこんなこと言いたくねっつの」
「ごめんね。どうしても反応しちゃって…」
わざとらしく謝ると、丸井はわたしの片方の頬をぎゅうっと摘んだ。もちろん、こいつう、みたいな生易しいものじゃなくて、彼の持ち合わせている力を全て込めたかのような。これはきっと女子に食らわすような攻撃じゃない。多分それほど彼はわたしに苛々してると見た。
「い、いはい!」
「真面目にやんなら離す。こっちは部活我慢してやってんだよ」
「わ、わはっは!」
「ぷっ。超間抜け」
「いったあ…嫁入り前の乙女に何するんだか…」
「え。乙女ってどこだよ」
きょろきょろと辺りを見回す彼を睨みつけると、再び台本を開いてまた棒読み劇場が始まるのでした。ほっぺがまだ痛い。わたしは自分のほっぺに可哀相にと言いながら摩り続けるのだった。
「『わあ、素敵な林檎。すごく美味しそうだわ』…誰かさんを思い出すから色が気に食わないけど」
「それ俺のことかよぃ」
「ご名答。すごいね、意外と賢いんだね」
「てめー、表出ろぃ」
本当に表に出そうとしたのか、丸井がわたしの腕を掴もうとした時にこの前と同じような視線が背中に痛いほど突き刺さった。おおう、不思議と背中が冷たくなってきた気がする。わたしと丸井の動きはぴたりと止まり、この視線の元を確かめるべく振り返った。
「たなかさん、丸井くん、私が言ったこともう忘れたのかしら」
「「すみません」」
委員長って劇のことになるとこんなに怖い人になってしまうのか。ああ、こんなことなら寝ないで大道具とか行っておけば良かったかもしれない。この際丸井がどうとかは置いておいて。みんなで練習を始めて何時間か経った頃、やっと帰り支度を始めるみんなにほっとしたのもつかの間。
「あなたたち二人は残って読み合わせの練習」
「は?俺は部活に…」
「丸井くんもう引退して、部活は自由参加でしょ?だから今は劇に向けてみっちり練習してね」
「まじかよぃ…」
しょぼんと面白くも分かりやすく肩を落とした奴に少しだけ同情した。うん、ほんの少し。委員長含む他のみんなはお疲れ様ー、と言って帰っていった。くそう、先生でもない委員長に居残りさせられるなんて、わたしも小さい女になったもんだ。
「委員長帰ったんなら部活行ってもバレねえよな」
「いいんじゃない?まあわたしが漏れることなくチクるけど」
「…ちっ」
そしてわたしたちは仕方なく台本読みをすることになりました。この教室に二人っていうのは意外ときつい。元々やる気のないわたしたちは1ページの読み合わせにも何十分もかかった。やっと最後らへんになってきたって時にはもう外は真っ暗だった。ああ、眠たい。
「『姫、これからは私と共に生きていこう』」
「ごめんなさい。遠慮します」
きっぱりとそう言ったわたしを見て、丸井はがくっと肩を落とした。そして厭味たらしくため息を漏らすと、わたしをそれはそれは力強く睨みつけた。うん。無理もないかな。何度目だろうか、このやりとりは。こんなに時間が掛かってるのは多分わたしのせいだろうな。
「お前なあ…これは台本なんだよ。俺だっていくら台詞でもこんなこと言いたくねっつの」
「ごめんね。どうしても反応しちゃって…」
わざとらしく謝ると、丸井はわたしの片方の頬をぎゅうっと摘んだ。もちろん、こいつう、みたいな生易しいものじゃなくて、彼の持ち合わせている力を全て込めたかのような。これはきっと女子に食らわすような攻撃じゃない。多分それほど彼はわたしに苛々してると見た。
「い、いはい!」
「真面目にやんなら離す。こっちは部活我慢してやってんだよ」
「わ、わはっは!」
「ぷっ。超間抜け」
「いったあ…嫁入り前の乙女に何するんだか…」
「え。乙女ってどこだよ」
きょろきょろと辺りを見回す彼を睨みつけると、再び台本を開いてまた棒読み劇場が始まるのでした。ほっぺがまだ痛い。わたしは自分のほっぺに可哀相にと言いながら摩り続けるのだった。
