沫系
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「ね、ほんとにごめん、怒ってる?」
「…怒ってない」
「ならよかった!」
りなちゃんは私に気遣って無理に明るく振る舞っていた。怒ってない訳じゃない、けど、赤也くんと話したことで私も楽しかったから、逆に少し感謝してたりもする。だけど、変な意味に取られてからかわれそうだからこのことは絶対に言わない。椅子ごと後ろに向けて座る彼女は、私を見て少し笑った後、口を開いた。
「だけどさ、あたしはやっぱり…」
「おーす」
「お、今日は朝練間に合ったかー?」
その声と被って後ろから聞こえてきたのは、もしかしなくてもブン太の声。ドアの近くに座る男子達と楽しそうに話しているのが、振り向かなくてもわかった。いつも賑やかで明るくて、だけど人には見せない弱いところもあって。私は、そんなブン太を好きになったから。やっぱり同じクラスっていうのは、辛くてどうしようもなかった。一つだけ悔しいのは、ブン太は私と別れたことを気にも止めていなかったこと。私を置いて、一人で前に進んでいってる気がしてならなかった。
「痛っ」
いきなり額に激痛が走ったと思い反射的に出た声を抑えながら目線を前に向けると、りなちゃんの心配してるような表情が目に入った。やっぱり、駄目なんだ。いきなり悲しさが減るなんて、無くなるなんて、そんなことあるわけない。
「涙ぐんでるよ」
「ご、ごめ…」
「昨日は無神経なことしちゃったね、ほんとごめん」
本当はあんたが丸井を忘れられないなんてこと、分かってたのにね。そう言って彼女は私の頭を優しくぽんぽんと撫ぜてくれた。赤也くんのことは彼女なりに元気付けようとしてくれただけなのに、気を遣わせて心配かけて、最悪だ。本当に良い友達を持ったなぁ、なんて噛み締めていると、隣の席の机に、どかっと大きな音を立てて鞄が置かれた。
「おはようさん」
「仁王、おはよう」
「泣いたんか?鼻真っ赤じゃ」
「う、うるさい!」
「あーあ、残念、ぶさいくなっとるのう」
ああ、ややこしいのが来てしまった。私は手の甲で目をごしごしとこすると、わざとらしく仁王に背をむけて頬杖をついた。この男は侮れない。なんか、やばい気がする。
「男は星の数ほどいるぜよ」
「もう仁王、怒るよ!」
見透かされたようにそう言われたのが悔しくて、頑張って笑ったつもりだったけど、引き攣ってしまったのが自分でも分かった。男は星の数、昨日から似たようなことを二回言われた今、何となく気付いた気がする。ずっとブン太を想ってたって、意味がないんだってこと。
「おい、どした?丸井」
「…いや、何でも」
狂わされた気持ち
もしかしたらもう、想うことも許されないのかもしれない
「…怒ってない」
「ならよかった!」
りなちゃんは私に気遣って無理に明るく振る舞っていた。怒ってない訳じゃない、けど、赤也くんと話したことで私も楽しかったから、逆に少し感謝してたりもする。だけど、変な意味に取られてからかわれそうだからこのことは絶対に言わない。椅子ごと後ろに向けて座る彼女は、私を見て少し笑った後、口を開いた。
「だけどさ、あたしはやっぱり…」
「おーす」
「お、今日は朝練間に合ったかー?」
その声と被って後ろから聞こえてきたのは、もしかしなくてもブン太の声。ドアの近くに座る男子達と楽しそうに話しているのが、振り向かなくてもわかった。いつも賑やかで明るくて、だけど人には見せない弱いところもあって。私は、そんなブン太を好きになったから。やっぱり同じクラスっていうのは、辛くてどうしようもなかった。一つだけ悔しいのは、ブン太は私と別れたことを気にも止めていなかったこと。私を置いて、一人で前に進んでいってる気がしてならなかった。
「痛っ」
いきなり額に激痛が走ったと思い反射的に出た声を抑えながら目線を前に向けると、りなちゃんの心配してるような表情が目に入った。やっぱり、駄目なんだ。いきなり悲しさが減るなんて、無くなるなんて、そんなことあるわけない。
「涙ぐんでるよ」
「ご、ごめ…」
「昨日は無神経なことしちゃったね、ほんとごめん」
本当はあんたが丸井を忘れられないなんてこと、分かってたのにね。そう言って彼女は私の頭を優しくぽんぽんと撫ぜてくれた。赤也くんのことは彼女なりに元気付けようとしてくれただけなのに、気を遣わせて心配かけて、最悪だ。本当に良い友達を持ったなぁ、なんて噛み締めていると、隣の席の机に、どかっと大きな音を立てて鞄が置かれた。
「おはようさん」
「仁王、おはよう」
「泣いたんか?鼻真っ赤じゃ」
「う、うるさい!」
「あーあ、残念、ぶさいくなっとるのう」
ああ、ややこしいのが来てしまった。私は手の甲で目をごしごしとこすると、わざとらしく仁王に背をむけて頬杖をついた。この男は侮れない。なんか、やばい気がする。
「男は星の数ほどいるぜよ」
「もう仁王、怒るよ!」
見透かされたようにそう言われたのが悔しくて、頑張って笑ったつもりだったけど、引き攣ってしまったのが自分でも分かった。男は星の数、昨日から似たようなことを二回言われた今、何となく気付いた気がする。ずっとブン太を想ってたって、意味がないんだってこと。
「おい、どした?丸井」
「…いや、何でも」
狂わされた気持ち
もしかしたらもう、想うことも許されないのかもしれない
