唇で紡ぐ哀
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夜ご飯を食べ終えて、部屋でメールを打っていた。ブン太が入院してから、彼とのメールのやり取りは今まで以上に多くなった気がする。やっぱり、寂しいから。少しでもこの寂しさを埋めたくて何通もメールを送った。病室の中で一人でいるブン太の寂しさも少しは紛れたらいいなあ、なんて。
手の中で携帯が震えた。メールを開くともちろん送信者はブン太なのだけれど、そのメールの内容を見て少し驚いてしまった。
"電話しねえ?はなの声聞きたい。返事は何か音立てっから"
どうしようかと悩む間もなく、メール画面を閉じてアドレス帳からブン太の電話番号を探した。彼が望むことはなるべくしてあげたい。すぐに通話ボタンを押すと、彼を呼び出す音が定期的に耳に響く。電話なんてして、大丈夫なのかな。
「も、もしもし」
ぶつっと電話に出る音が聞こえたあとに恐る恐る声を出してみると、すぐにスピーカーからとんとんという音が聞こえた。指で机を突いてるような、そんな音。
「合図ってそれかあ。ブン太らしいね」
またとんとんと聞こえてきて、何故か妙な不安に襲われた。あれ、なんだろうこの感じ。ちゃんと電話の向こうにはブン太がいて、彼はわたしの声を聞いているはずなのに。
なんだか、とても寂しい。
「何話そうかな…あ、あのね、今日赤也が3年の教室で真田に怒られてたらしくて」
頑張って探した話題がこれ。なるべく沈黙を作らないでおこうと思ってずっと話し続けた。今のわたしの心の支えは、ブン太がたまに鳴らす机を叩く音。そうだよ、支えなのにどうして不安になんかなるの?もやもやしたまま話し続けているとドアの向こうからお母さんの声が聞こえた。
「あ、ごめん…お風呂入らなきゃいけないから、切るね?」
返事の音が聞こえたあとに、おやすみ、と言って電源ボタンを押した途端、涙が溢れて止まらなかった。仕方のないことだと分かってるはずなのに、やっぱり声が聞きたい。前みたいにたくさんブン太の話が聞きたいのに。
「…うっ…ぶん、たっ…」
明日になれば声が出るようになってるかもしれない。毎晩そんな期待を抱いて眠りに就いていた。だけど、心のどこかで嫌な予感も渦巻いていた。こんなこと考えたくなんてないのに、わたしは彼女失格だ。
このまま話せないかもしれない
薄れぬままでいて
わたしの中にある、あなたの声
手の中で携帯が震えた。メールを開くともちろん送信者はブン太なのだけれど、そのメールの内容を見て少し驚いてしまった。
"電話しねえ?はなの声聞きたい。返事は何か音立てっから"
どうしようかと悩む間もなく、メール画面を閉じてアドレス帳からブン太の電話番号を探した。彼が望むことはなるべくしてあげたい。すぐに通話ボタンを押すと、彼を呼び出す音が定期的に耳に響く。電話なんてして、大丈夫なのかな。
「も、もしもし」
ぶつっと電話に出る音が聞こえたあとに恐る恐る声を出してみると、すぐにスピーカーからとんとんという音が聞こえた。指で机を突いてるような、そんな音。
「合図ってそれかあ。ブン太らしいね」
またとんとんと聞こえてきて、何故か妙な不安に襲われた。あれ、なんだろうこの感じ。ちゃんと電話の向こうにはブン太がいて、彼はわたしの声を聞いているはずなのに。
なんだか、とても寂しい。
「何話そうかな…あ、あのね、今日赤也が3年の教室で真田に怒られてたらしくて」
頑張って探した話題がこれ。なるべく沈黙を作らないでおこうと思ってずっと話し続けた。今のわたしの心の支えは、ブン太がたまに鳴らす机を叩く音。そうだよ、支えなのにどうして不安になんかなるの?もやもやしたまま話し続けているとドアの向こうからお母さんの声が聞こえた。
「あ、ごめん…お風呂入らなきゃいけないから、切るね?」
返事の音が聞こえたあとに、おやすみ、と言って電源ボタンを押した途端、涙が溢れて止まらなかった。仕方のないことだと分かってるはずなのに、やっぱり声が聞きたい。前みたいにたくさんブン太の話が聞きたいのに。
「…うっ…ぶん、たっ…」
明日になれば声が出るようになってるかもしれない。毎晩そんな期待を抱いて眠りに就いていた。だけど、心のどこかで嫌な予感も渦巻いていた。こんなこと考えたくなんてないのに、わたしは彼女失格だ。
このまま話せないかもしれない
薄れぬままでいて
わたしの中にある、あなたの声
