唇で紡ぐ哀
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「ブン太ー…」
寝てたらいけないと思ってそうっとドアを開けると、手にしていた漫画をほっぽかして笑顔でわたしに大きく手を振った。まるで誰かが来るのをずっと待ち侘びていたかのように。それが小さい子供のように見えておもわず頬が緩んだ。わたしも出来ることならずっとここに居たいんだけれど。
「お土産買ってきたよ」
ブン太に近づいてケーキの入った箱をちらつかせると、ブン太は顔をぱあっと輝かせてわたしにぎゅうっと抱き着いてきた。よしよしと彼の頭を撫ぜると、更にきつい抱擁が返ってきた。なんか、ブン太ってこんなに甘えん坊だったっけ。やっぱりこんなに何もない部屋に一人だったら寂しいしつまらないよね。傍にいれなくてごめんねって意味を込めてわたしも強く抱きしめ返した。
あまりに強く抱きしめてたからか、気付かなかった。ブン太が悲しみで震えていたこと。
「仁王が俺の分も買ってけよとか偉そうなこと言ってさ。ブン太が全部食べちゃってもいいからね」
買って来た紙皿とフォークを取り出すと、まずは王道のショートケーキを出してあげた。すると目に入ったのは紙に書かれたブン太らしい言葉。思わず頬が緩んだ。
"仁王の分も全部食ってやる"
その言葉に対する返事の意味もこめて、どうぞとケーキを差し出した。ケーキを目の前にした瞬間がつがつと食べ始めたところを見ると、なんだか小さい子のようだ。じいっと見つめられていたことに気が付いたのか、ブン太は口ぱくであーんと言うと、一口分のケーキが刺さったフォークをわたしの口元に運んだ。素直にいただくと甘い味が口の中に広がる。
「ありがとう」
ただそう言っただけなのに、ブン太はわたしの顔をじいっと見てきた。まるでなにかを狙うかのような。そう考えているといきなり口の端をぺろりと舐めとられた。
「え、え、ええ!?」
"クリームついてたから"
ブン太はそう書くと仕方ないだろ、とでもいうようににへらと笑った。もちろん嫌なわけないけど、確実に心臓に悪い。そう思いながらも再び食べ始めたブン太を見ていると、箱の中のケーキは一気になくなってしまった。
"うまかった。ありがとう"
「どういたしまして」
"なあ、俺のこと好き?"
「な、何言ってんの急に!」
"好きじゃねえの?"
「…う…す、好きに、決まってるでしょ」
わたしが口籠もりながらもそう言うと、ブン太は嬉しそうに笑った。なんなのもう。わたしだけしか話せない状態で愛の告白って、あまりにも恥ずかしすぎる。するとブン太はまた紙に文字を書いてわたしに見せてきた。その文字を見て、自然と涙が出た。ブン太は泣き始めたわたしを見て「泣くなよ!」と紙に書くと、わたしの手を引いて、頭を撫でてぎゅうっときつく抱きしめてくれた。
"俺は愛してる"
ブン太がそう書いた紙は大事に持って帰ることにした。ずっと、ずっと大事にするからね。
「それ、直接聞きたいよ…だから、早く良くなってね」
そう言うとブン太はにっこり笑って何度も頷いた。大丈夫。ブン太は絶対にすぐ良くなるから。自分に言い聞かせるように涙を乱暴に拭った。彼を見るとごめんなとでも言いたげな表情をしていた。はやく、話がしたいね。ブン太自身の声で。
ブン太はそのあとすぐにキスして、と紙に書くと、目を輝かせながらわたしの方に目をやった。その文字を見て思わず顔が真っ赤になるのが分かった。なんでわたしから。でも、ブン太が喜ぶならそれでもいいかな、なんて。
そんなことを考えながらもブン太の座るベッドに手をついて触れるだけの軽いキスをした。
「病室でキスとはいやらしいのう」
「「!」」
その瞬間聞こえた声に2人同時に離れると、いつの間にか開いていたドアに凭れ掛かる仁王が目に入った。いつからいたのか聞きたくても、驚きのあまり声が出なかった。その後仁王の後ろから顔を覗かせたのは黒髪の生意気後輩。
「え、先輩たちキスしてるんスか!見たい!」
「み、見たいとかいうな、バカ也!」
「うわ、ひでえ!」
わたし達のやり取りを見てブン太も笑っていた。笑ってる声も、はやく聞きたいな。
笑顔で無邪気な君
そんなあなたの心が哀しんでるなんて、思いもしなかった
寝てたらいけないと思ってそうっとドアを開けると、手にしていた漫画をほっぽかして笑顔でわたしに大きく手を振った。まるで誰かが来るのをずっと待ち侘びていたかのように。それが小さい子供のように見えておもわず頬が緩んだ。わたしも出来ることならずっとここに居たいんだけれど。
「お土産買ってきたよ」
ブン太に近づいてケーキの入った箱をちらつかせると、ブン太は顔をぱあっと輝かせてわたしにぎゅうっと抱き着いてきた。よしよしと彼の頭を撫ぜると、更にきつい抱擁が返ってきた。なんか、ブン太ってこんなに甘えん坊だったっけ。やっぱりこんなに何もない部屋に一人だったら寂しいしつまらないよね。傍にいれなくてごめんねって意味を込めてわたしも強く抱きしめ返した。
あまりに強く抱きしめてたからか、気付かなかった。ブン太が悲しみで震えていたこと。
「仁王が俺の分も買ってけよとか偉そうなこと言ってさ。ブン太が全部食べちゃってもいいからね」
買って来た紙皿とフォークを取り出すと、まずは王道のショートケーキを出してあげた。すると目に入ったのは紙に書かれたブン太らしい言葉。思わず頬が緩んだ。
"仁王の分も全部食ってやる"
その言葉に対する返事の意味もこめて、どうぞとケーキを差し出した。ケーキを目の前にした瞬間がつがつと食べ始めたところを見ると、なんだか小さい子のようだ。じいっと見つめられていたことに気が付いたのか、ブン太は口ぱくであーんと言うと、一口分のケーキが刺さったフォークをわたしの口元に運んだ。素直にいただくと甘い味が口の中に広がる。
「ありがとう」
ただそう言っただけなのに、ブン太はわたしの顔をじいっと見てきた。まるでなにかを狙うかのような。そう考えているといきなり口の端をぺろりと舐めとられた。
「え、え、ええ!?」
"クリームついてたから"
ブン太はそう書くと仕方ないだろ、とでもいうようににへらと笑った。もちろん嫌なわけないけど、確実に心臓に悪い。そう思いながらも再び食べ始めたブン太を見ていると、箱の中のケーキは一気になくなってしまった。
"うまかった。ありがとう"
「どういたしまして」
"なあ、俺のこと好き?"
「な、何言ってんの急に!」
"好きじゃねえの?"
「…う…す、好きに、決まってるでしょ」
わたしが口籠もりながらもそう言うと、ブン太は嬉しそうに笑った。なんなのもう。わたしだけしか話せない状態で愛の告白って、あまりにも恥ずかしすぎる。するとブン太はまた紙に文字を書いてわたしに見せてきた。その文字を見て、自然と涙が出た。ブン太は泣き始めたわたしを見て「泣くなよ!」と紙に書くと、わたしの手を引いて、頭を撫でてぎゅうっときつく抱きしめてくれた。
"俺は愛してる"
ブン太がそう書いた紙は大事に持って帰ることにした。ずっと、ずっと大事にするからね。
「それ、直接聞きたいよ…だから、早く良くなってね」
そう言うとブン太はにっこり笑って何度も頷いた。大丈夫。ブン太は絶対にすぐ良くなるから。自分に言い聞かせるように涙を乱暴に拭った。彼を見るとごめんなとでも言いたげな表情をしていた。はやく、話がしたいね。ブン太自身の声で。
ブン太はそのあとすぐにキスして、と紙に書くと、目を輝かせながらわたしの方に目をやった。その文字を見て思わず顔が真っ赤になるのが分かった。なんでわたしから。でも、ブン太が喜ぶならそれでもいいかな、なんて。
そんなことを考えながらもブン太の座るベッドに手をついて触れるだけの軽いキスをした。
「病室でキスとはいやらしいのう」
「「!」」
その瞬間聞こえた声に2人同時に離れると、いつの間にか開いていたドアに凭れ掛かる仁王が目に入った。いつからいたのか聞きたくても、驚きのあまり声が出なかった。その後仁王の後ろから顔を覗かせたのは黒髪の生意気後輩。
「え、先輩たちキスしてるんスか!見たい!」
「み、見たいとかいうな、バカ也!」
「うわ、ひでえ!」
わたし達のやり取りを見てブン太も笑っていた。笑ってる声も、はやく聞きたいな。
笑顔で無邪気な君
そんなあなたの心が哀しんでるなんて、思いもしなかった
