唇で紡ぐ哀
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いつもと同じ学校なはずなのに、教室の中にブン太はいなかった。丸井は昨日事故に遭って、と先生が細かく説明しているのを遠くで聞いていた。声が出せなくなったのは言っていなかった。いや、先生も知らないのかもしれない。友達に丸井大丈夫なの?って聞かれて、大丈夫だよって答えたけど、大丈夫なわけがない。心でそう思ったときに、ブン太もきっと同じ気持ちだろうと痛感した。大丈夫なわけ、ないんだよ。
「はな」
「あ、柳…」
「病院に行くのか?」
「もちろん」
「俺達も練習が終わったらすぐに向かう」
「うん、わかった」
放課後、柳に言われた通りこれから病院に行こうと思っていたところで、柳がわたしの教室までやってきた。彼は本当に頼りになる。のろけたりするとさらっと流すくせに、わたしがブン太と別れそうになった時にはすぐに話を聞いてくれた。ぶっきらぼうに見えて柳はとてもいい奴なのだ。
「じゃあ、また後でね」
「…ああ」
「な、何?」
「俺達の前では無理して笑わなくていい」
それだけ言うと柳はその場から離れていった。無理してるつもりはなかったけど、やっぱり顔に出ちゃうのかな。泣く気なんてなかったのに柳の言葉のおかげで鼻がつんとした。それとほぼ同時に、無造作に頭に手を置かれた。
「仁王…」
「ブンちゃんのケーキついでに俺のもしくよろナリ」
「……ばか」
本当はわたしを元気付けようとしてくれてることは知ってるけど、仁王はほんとに掴みどころのない奴だ。そんな所がいい、なんて言われて騒がれることも多いみたいだけれど。仁王が面倒そうに教室からでていったのを見届けてから、わたしも教室を後にした。
「ショートケーキ3つと、ガトーショコラ3つと、モンブラン3つと…」
ブン太にケーキを買っていってあげようと思ってお店に寄ったものの、レギュラーたちのことを考えると何をどれだけ買っていけばいいのかわからなくて、とりあえず王道のケーキをお金がある分だけ買っていくことにした。ブン太が退院するまではデートにお金を使うこともないから、今はお土産にお金を注ごうかな、なんて。ブン太の笑顔が見られるならそんなもの痛くも痒くもないんだけどね。
ケーキと甘い香り
あなたを笑顔にしてくれるもの
「はな」
「あ、柳…」
「病院に行くのか?」
「もちろん」
「俺達も練習が終わったらすぐに向かう」
「うん、わかった」
放課後、柳に言われた通りこれから病院に行こうと思っていたところで、柳がわたしの教室までやってきた。彼は本当に頼りになる。のろけたりするとさらっと流すくせに、わたしがブン太と別れそうになった時にはすぐに話を聞いてくれた。ぶっきらぼうに見えて柳はとてもいい奴なのだ。
「じゃあ、また後でね」
「…ああ」
「な、何?」
「俺達の前では無理して笑わなくていい」
それだけ言うと柳はその場から離れていった。無理してるつもりはなかったけど、やっぱり顔に出ちゃうのかな。泣く気なんてなかったのに柳の言葉のおかげで鼻がつんとした。それとほぼ同時に、無造作に頭に手を置かれた。
「仁王…」
「ブンちゃんのケーキついでに俺のもしくよろナリ」
「……ばか」
本当はわたしを元気付けようとしてくれてることは知ってるけど、仁王はほんとに掴みどころのない奴だ。そんな所がいい、なんて言われて騒がれることも多いみたいだけれど。仁王が面倒そうに教室からでていったのを見届けてから、わたしも教室を後にした。
「ショートケーキ3つと、ガトーショコラ3つと、モンブラン3つと…」
ブン太にケーキを買っていってあげようと思ってお店に寄ったものの、レギュラーたちのことを考えると何をどれだけ買っていけばいいのかわからなくて、とりあえず王道のケーキをお金がある分だけ買っていくことにした。ブン太が退院するまではデートにお金を使うこともないから、今はお土産にお金を注ごうかな、なんて。ブン太の笑顔が見られるならそんなもの痛くも痒くもないんだけどね。
ケーキと甘い香り
あなたを笑顔にしてくれるもの
