沫系
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そっちのが先輩に合ってる。
この間の赤也くんの言葉を思い出すたびに、思わず口元が緩む。もう、傷つかなくてもいいんだね。そう考えると、不思議と心が軽くなった。
「すっかり遅くなっちゃった」
ファーストフード店で一緒に盛り上がっていた友達たちと別れて、暗くなってしまった家路を歩き始めたところだった。時間が心の傷を癒してくれる、なんてよく聞くけど、最近では周りからも元気になったねって言われるようになった。そんなことを思い出して、緩む頬を抑えながら帰路につくと、暗くなった空には星が浮かんでいた。少し怖くなって早足で歩いていくと、さっきまではなかった、私とは別の足音が耳を掠めた。初めこそあまり気にはならなかったけど、忍ぶような歩き方や、不自然なほどに同じ道だということが段々と気になってくる。最近この辺で不審者をよく見かけるという誰かの言葉を思い出して、ぞくっと鳥肌が立った。しばらく歩き続けたあと、私は意を決して足音の聞こえるほうに振り向いた。そこには考えてもみなかった人影。私は思わず拍子抜けした。
「ぶ、ブン太…?」
「よう」
きっとものすごく間抜けな顔をしているに違いない。この間の教室でのことを思い出して、思わず目を逸らしたくなる衝動を堪えた。ここで逃げたら、何も変わらないから。今は素直に思うことができる。頑張って戻りたい。付き合う前の、ただの友達だったあの頃に。
「ど、どうしてこんな所にいるの?」
「今日仁王が部活休んでよ。ちょっと用事あったから」
「そうなんだ」
大丈夫。だいじょうぶ。ブン太も普通なんだから、私も同じようにしていればいい。そんな考えが頭の中をぐるぐる回る中、ブン太はいつの間にか私を追い抜いて前を歩いていた。どうしたらいいんだろう。道が一緒なんだから、一緒に歩いてもいいのかな?たじたじと足を進め始めて気付いたことは、ブン太の足並みがだんだんと遅くなっていること。いつもそうだった。私と歩くときは私の歩幅に合わせてくれる。そんな些細な優しいところが、大好きだった。
「ぶ、ブン太とこの道歩くなんて、久しぶりだね」
「ああ、そうだよな…」
なに、言ってるんだろう。こんな話は気まずくなるだけだって言うのに。私はもう、大丈夫なはずなのに。だけど、なんだか変な感じがする。もうこんな風にブン太と一緒に歩いたりすることがあるなんて考えたこともなかったから。そんなことをもやもやと考えていると、気がつけば私の家の前まで来ていた。
「あ、じゃあ…」
「おう」
ぎこちないままにブン太に手を降って家の門を開けようとすると、後ろの方から聞き慣れた声が私の耳に届いた。
「あら、ブン太くん!」
「あ、こんばんは」
「お、お母さん!」
買い物袋を持って突然現れた自身の母親と、気まずそうなブン太に、私は口をぽかんと開けることしかできない。まだお母さんにはブン太と別れたことは伝えていなかったから。でも私のお母さんの場合、このままいくと…
「せっかくだからご飯食べていきなさいよ、ね!」
「いや、あの…」
「ちょ、お母さん!」
「お母さん甘いもの買ってくるわ!中でゆっくり待っててね」
はい、と私に材料の入ったスーパーの袋を押し付けると、お母さんは今通ってきた道をまた歩き出してしまった。
ブン太は付き合っていた頃、よくうちにご飯を食べに来ていて、お母さんやお父さんもブン太を気に入ってたから、私は彼と別れたことを二人に言えずにいた。そんなことを知らないブン太は、わけがわからないと言った風にその場に立ち尽くしていた。
いじっぱりの行方
いつまで経っても私には分からなかった
この間の赤也くんの言葉を思い出すたびに、思わず口元が緩む。もう、傷つかなくてもいいんだね。そう考えると、不思議と心が軽くなった。
「すっかり遅くなっちゃった」
ファーストフード店で一緒に盛り上がっていた友達たちと別れて、暗くなってしまった家路を歩き始めたところだった。時間が心の傷を癒してくれる、なんてよく聞くけど、最近では周りからも元気になったねって言われるようになった。そんなことを思い出して、緩む頬を抑えながら帰路につくと、暗くなった空には星が浮かんでいた。少し怖くなって早足で歩いていくと、さっきまではなかった、私とは別の足音が耳を掠めた。初めこそあまり気にはならなかったけど、忍ぶような歩き方や、不自然なほどに同じ道だということが段々と気になってくる。最近この辺で不審者をよく見かけるという誰かの言葉を思い出して、ぞくっと鳥肌が立った。しばらく歩き続けたあと、私は意を決して足音の聞こえるほうに振り向いた。そこには考えてもみなかった人影。私は思わず拍子抜けした。
「ぶ、ブン太…?」
「よう」
きっとものすごく間抜けな顔をしているに違いない。この間の教室でのことを思い出して、思わず目を逸らしたくなる衝動を堪えた。ここで逃げたら、何も変わらないから。今は素直に思うことができる。頑張って戻りたい。付き合う前の、ただの友達だったあの頃に。
「ど、どうしてこんな所にいるの?」
「今日仁王が部活休んでよ。ちょっと用事あったから」
「そうなんだ」
大丈夫。だいじょうぶ。ブン太も普通なんだから、私も同じようにしていればいい。そんな考えが頭の中をぐるぐる回る中、ブン太はいつの間にか私を追い抜いて前を歩いていた。どうしたらいいんだろう。道が一緒なんだから、一緒に歩いてもいいのかな?たじたじと足を進め始めて気付いたことは、ブン太の足並みがだんだんと遅くなっていること。いつもそうだった。私と歩くときは私の歩幅に合わせてくれる。そんな些細な優しいところが、大好きだった。
「ぶ、ブン太とこの道歩くなんて、久しぶりだね」
「ああ、そうだよな…」
なに、言ってるんだろう。こんな話は気まずくなるだけだって言うのに。私はもう、大丈夫なはずなのに。だけど、なんだか変な感じがする。もうこんな風にブン太と一緒に歩いたりすることがあるなんて考えたこともなかったから。そんなことをもやもやと考えていると、気がつけば私の家の前まで来ていた。
「あ、じゃあ…」
「おう」
ぎこちないままにブン太に手を降って家の門を開けようとすると、後ろの方から聞き慣れた声が私の耳に届いた。
「あら、ブン太くん!」
「あ、こんばんは」
「お、お母さん!」
買い物袋を持って突然現れた自身の母親と、気まずそうなブン太に、私は口をぽかんと開けることしかできない。まだお母さんにはブン太と別れたことは伝えていなかったから。でも私のお母さんの場合、このままいくと…
「せっかくだからご飯食べていきなさいよ、ね!」
「いや、あの…」
「ちょ、お母さん!」
「お母さん甘いもの買ってくるわ!中でゆっくり待っててね」
はい、と私に材料の入ったスーパーの袋を押し付けると、お母さんは今通ってきた道をまた歩き出してしまった。
ブン太は付き合っていた頃、よくうちにご飯を食べに来ていて、お母さんやお父さんもブン太を気に入ってたから、私は彼と別れたことを二人に言えずにいた。そんなことを知らないブン太は、わけがわからないと言った風にその場に立ち尽くしていた。
いじっぱりの行方
いつまで経っても私には分からなかった
