汗も滴る王子様たち
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コートから少し離れた場所にあるベンチに座って、いつもと同じようにテニス部の練習を眺めていた。海が近くにあるこの学校は、秋になって冷たい風が吹いていた。佐伯くんの生まれた日も、こんなふうに肌寒かったのかな。そんな小さなことすら気になるくらいに、誰かをこんなに好きになるなんて想像もしていなかった。月がはっきり見えるほどに暗くなって、コートからは部活が終わる合図でもある掛け声が聞こえた。その後決まって、佐伯くんは駆け足でわたしのところまできてくれる。
「ごめん、また長引いちゃったよ」
「そんなの全然いいよ、お疲れ様」
「ありがとう、すぐ着替えるから」
「うん、待ってるね」
しばらくしてから、部室から出て来る佐伯くんの姿を見て、わたしも立ち上がった。
「誕生日まで部活なんて、大変だったね」
「そうだなあ、でも誕生日にも自分の好きなことが出来て嬉しいよ」
「ふふ、佐伯くんっぽいね」
「それに、こうして一緒に帰れるだけでもすごく嬉しいからね」
「あ、りがとう」
そう思ってくれてたんだ。本音で言ってくれたんだと思うけど、わたしが誕生日の当日に何もしてあげられないって気にしてるのを、気付いてくれてたのかもしれない。プレゼントは渡したけど、やっぱりどこかに出掛けたかった。佐伯くんは、本当に優しいな。だけどわたしは、少し足りない。せっかく一緒にいるんだから、手を繋ぎたいし、抱きしめてほしいし、出来ることなら、キス、だって。こんなこと考えてるって知られたら、引かれちゃうのかな。だけど、好きなら誰だって絶対にこう思うはずだよね。
「佐伯くんはわがままな女の子ってどう思う?」
「うーん…、俺としては嬉しいかな」
「…じ、じゃあ、一つお願いしてもいい?」
「うん?」
「手、繋ぎたい、な」
「え…?」
「いや、ほら、寒い、から…」
佐伯くんはぽかんとしてたけど、すぐに笑ってわたしの手を取った。佐伯くんの誕生日なのに、って苦笑を零すと、俺にはそれが嬉しいんだって笑ってくれた。ああ、わたし、この人のことが本当に好き。
「俺も一つお願いしていいかな」
「うん、何でも言って!」
「抱きしめてもいいかい?」
「えっ…」
佐伯くんはわたしの返事を聞かないで、繋いだ手をそのままにわたしをきつく抱きしめた。耳元からは脳に直接響くような低くて甘い声で、好きだよ、って聞こえた。
腕の中でしあわせを見つけた
「ごめん、また長引いちゃったよ」
「そんなの全然いいよ、お疲れ様」
「ありがとう、すぐ着替えるから」
「うん、待ってるね」
しばらくしてから、部室から出て来る佐伯くんの姿を見て、わたしも立ち上がった。
「誕生日まで部活なんて、大変だったね」
「そうだなあ、でも誕生日にも自分の好きなことが出来て嬉しいよ」
「ふふ、佐伯くんっぽいね」
「それに、こうして一緒に帰れるだけでもすごく嬉しいからね」
「あ、りがとう」
そう思ってくれてたんだ。本音で言ってくれたんだと思うけど、わたしが誕生日の当日に何もしてあげられないって気にしてるのを、気付いてくれてたのかもしれない。プレゼントは渡したけど、やっぱりどこかに出掛けたかった。佐伯くんは、本当に優しいな。だけどわたしは、少し足りない。せっかく一緒にいるんだから、手を繋ぎたいし、抱きしめてほしいし、出来ることなら、キス、だって。こんなこと考えてるって知られたら、引かれちゃうのかな。だけど、好きなら誰だって絶対にこう思うはずだよね。
「佐伯くんはわがままな女の子ってどう思う?」
「うーん…、俺としては嬉しいかな」
「…じ、じゃあ、一つお願いしてもいい?」
「うん?」
「手、繋ぎたい、な」
「え…?」
「いや、ほら、寒い、から…」
佐伯くんはぽかんとしてたけど、すぐに笑ってわたしの手を取った。佐伯くんの誕生日なのに、って苦笑を零すと、俺にはそれが嬉しいんだって笑ってくれた。ああ、わたし、この人のことが本当に好き。
「俺も一つお願いしていいかな」
「うん、何でも言って!」
「抱きしめてもいいかい?」
「えっ…」
佐伯くんはわたしの返事を聞かないで、繋いだ手をそのままにわたしをきつく抱きしめた。耳元からは脳に直接響くような低くて甘い声で、好きだよ、って聞こえた。
腕の中でしあわせを見つけた
