お菓子大好き丸井くん
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※お酒は二十歳から
とぷとぷとコップに注がれる炭酸をじっと眺めていた。あたまがぼうっとして気持ちがいい。友達はお酒デビューだね、なんて笑いながら顔を真っ赤にしていた。アルコールが体内にはいってくることが、ここまで心地いいなんてしらなかった。机の上に置かれてあった携帯が振動で着信を知らせた。友達がそれを手にとってディスプレイに目をやると、少し驚いたようすで通話ボタンを押した。わたしは顔をテーブルに預けて目に見える範囲の部屋をただぼうっと眺めていた。気持ちいいけど、なんだかだるい。お酒を飲んでしまった開放感と罪悪感に襲われながらも、目を閉じて友達の声を聞いていた。しばらくすると携帯を閉じる音が聞こえて、その後すぐにほっぺたを指で小突かれた。だるい体を起こすと、友達はにやにやしながらとろんとした目でわたしを見据えた。
「よかったねー、ブン太お兄ちゃんがお迎えに来るってさ」
そう言った友達に向かって、わたしは心底嫌そうな顔をしたんだと思う。酔いが一気に醒めた気さえした。今日ほどブン太を避けた日は今までにないと思う。なにがお兄ちゃんだっていうんだろう。しばらくしてがちゃがちゃって荒々しく扉が開けられたと思ったら、肩で息をしているブン太がお酒の空き缶を見て呆れたような顔をした。あれ、まだ制服だ。こんな時間まで部活してたのかなあ。
「中坊のガキが酒なんか飲むなよな」
「ブン太には関係ないもん!」
「わかったから、ほら、帰んぞ」
ブン太はずかずかとわたしの元へ歩いてきて、わたしの二の腕を引いて立ち上がらせようとしたけど、わたしは思ったより力が入らなくて、腰抜け状態。ブン太は更に深いため息を漏らした。
「丸井も飲んでみる?」
「あほか。お前ももうやめとけよ」
「はーい」
意外にもすっぱり断ったかと思うと、次にはわたしに背を向けてしゃがみ込んでしまった。この手の構えって、もしかしなくても、
「乗れ、早く」
「や、やだよ…」
変にこんなことばっかするからこの子だってお兄ちゃんだとか言うんじゃんか。ブン太はいつも隣に住むわたしを気にして、こうやって帰りがおそかったりしたら迎えに来てくれる。ブン太のことはだいすきだから嬉しいんだけど、これじゃあほんとにただのお兄ちゃん。昔っから一緒にいたら妹に見えちゃうって、本当なのかもしれない。でもせっかく探してくれたんだから意地を張るのは失礼だ。にやにやする友達の視線を払ってしぶしぶ背中に失礼した。あ、おんぶなんてはじめてかもしれない。ブン太の背中、あったかいなあ。
「んじゃあ帰るわ」
「はいはーい」
外に出ると空はもう真っ暗で、星さえ見えなかった。こんな時間まで居たんだ。そりゃあ心配かけちゃう、よね。
「この時間まで練習?」
「当たり前。大会近いんだよ、疲れたぜ」
「だったらわたしのことなんて放っとけばいいのに」
なんだか今日は自分で自分がよくわからない。わたしがいるからブン太は疲れていて、わたしが間抜けで馬鹿だからブン太はお兄ちゃん呼ばわりされてる。そんな状態に嫌気がさして、ずっと苛々していた。だからブン太を避けたし離れようとも思った、のに。
「お前さー、今日何かあったか?」
「別に、なにも」
「なにもって事はねえだろぃ」
やっぱり、ブン太には全部お見通しだ。だけど、それがまたうれしくて悔しくなった。わたしはブン太のこと、お兄ちゃんとしてじゃなくて男の子としてだいすきなのに、ずるいよ。多分わたしはこの先もずっとブン太に振り回される。叶わないのに誰よりも近くにいて優しくされて、憎いのに嫌いなんかにはなれなくて。
「周りが言うには、ブン太はわたしのお兄ちゃんなんだって」
「何訳わかんねーこと言ってんだか」
「だよね。さっきだってブン太が電話した相手、わたしじゃないし」
「ばーか、それはお前が電源切ってるからだろぃ」
「え、嘘」
なあんだ、そっか。じゃあ先にわたしに連絡くれたのか。ブン太がわたしの顔を見れなくて、外が暗くて、本当によかった。にやつく口元を押さえることができなかったから。そんなちょっとのことでも嬉しいなんて、これもお酒のせいなのかなあ。
「まさかお前、酒の原因それ?」
「そうだよ!お酒飲んでグレようとしたの」
「グレる?ちょっと飲んだだけでべろんべろんなやつが?」
ブン太のその言葉にむっとしたけど、なんだか別にいいかなって思えた。わたしって本当に単純だなあ。それであってブン太のことがだいすきだから、余計離れられない。
「大体お前に酒は似合わねえよ」
「……」
「おい、」
「ねえ、わたしってブン太からしたら妹なの?」
ずっと気になっていたことをいざ口にするとなると、少しだけ怖くなった。うん、って言われたらどうするっていうんだろう。ただ思い知らされるだけなのに。
「そう思えたら楽だろうけどよ」
「え?…なんて?」
つぶやくように言うもんだから、わたしの耳には届かないで暗闇に消えた。
「じゃあさ、ブン太は何でいつもわたしの心配するの?」
何で今日のわたしはこんなにもすらすらと質問できるんだろう。いつもなら聞けないはずなのに、今日のわたしは怖いもの知らずだな。
「何でって、ただ心配だからに決まってんだろぃ」
「…本当?」
「おう」
「へへ、ブン太、だいすき!」
「…俺も」
「へ…?嘘、もう一回言って!ちゃんと言って!」
「う、うるせえ!」
妹としてってことじゃないよね?って何度も後ろから問い掛けたけど、 何の反応もなかった。家に到着して、不安がるわたしにブン太がくれたのは、ぎこちないひとつの口付けだった。
とぷとぷとコップに注がれる炭酸をじっと眺めていた。あたまがぼうっとして気持ちがいい。友達はお酒デビューだね、なんて笑いながら顔を真っ赤にしていた。アルコールが体内にはいってくることが、ここまで心地いいなんてしらなかった。机の上に置かれてあった携帯が振動で着信を知らせた。友達がそれを手にとってディスプレイに目をやると、少し驚いたようすで通話ボタンを押した。わたしは顔をテーブルに預けて目に見える範囲の部屋をただぼうっと眺めていた。気持ちいいけど、なんだかだるい。お酒を飲んでしまった開放感と罪悪感に襲われながらも、目を閉じて友達の声を聞いていた。しばらくすると携帯を閉じる音が聞こえて、その後すぐにほっぺたを指で小突かれた。だるい体を起こすと、友達はにやにやしながらとろんとした目でわたしを見据えた。
「よかったねー、ブン太お兄ちゃんがお迎えに来るってさ」
そう言った友達に向かって、わたしは心底嫌そうな顔をしたんだと思う。酔いが一気に醒めた気さえした。今日ほどブン太を避けた日は今までにないと思う。なにがお兄ちゃんだっていうんだろう。しばらくしてがちゃがちゃって荒々しく扉が開けられたと思ったら、肩で息をしているブン太がお酒の空き缶を見て呆れたような顔をした。あれ、まだ制服だ。こんな時間まで部活してたのかなあ。
「中坊のガキが酒なんか飲むなよな」
「ブン太には関係ないもん!」
「わかったから、ほら、帰んぞ」
ブン太はずかずかとわたしの元へ歩いてきて、わたしの二の腕を引いて立ち上がらせようとしたけど、わたしは思ったより力が入らなくて、腰抜け状態。ブン太は更に深いため息を漏らした。
「丸井も飲んでみる?」
「あほか。お前ももうやめとけよ」
「はーい」
意外にもすっぱり断ったかと思うと、次にはわたしに背を向けてしゃがみ込んでしまった。この手の構えって、もしかしなくても、
「乗れ、早く」
「や、やだよ…」
変にこんなことばっかするからこの子だってお兄ちゃんだとか言うんじゃんか。ブン太はいつも隣に住むわたしを気にして、こうやって帰りがおそかったりしたら迎えに来てくれる。ブン太のことはだいすきだから嬉しいんだけど、これじゃあほんとにただのお兄ちゃん。昔っから一緒にいたら妹に見えちゃうって、本当なのかもしれない。でもせっかく探してくれたんだから意地を張るのは失礼だ。にやにやする友達の視線を払ってしぶしぶ背中に失礼した。あ、おんぶなんてはじめてかもしれない。ブン太の背中、あったかいなあ。
「んじゃあ帰るわ」
「はいはーい」
外に出ると空はもう真っ暗で、星さえ見えなかった。こんな時間まで居たんだ。そりゃあ心配かけちゃう、よね。
「この時間まで練習?」
「当たり前。大会近いんだよ、疲れたぜ」
「だったらわたしのことなんて放っとけばいいのに」
なんだか今日は自分で自分がよくわからない。わたしがいるからブン太は疲れていて、わたしが間抜けで馬鹿だからブン太はお兄ちゃん呼ばわりされてる。そんな状態に嫌気がさして、ずっと苛々していた。だからブン太を避けたし離れようとも思った、のに。
「お前さー、今日何かあったか?」
「別に、なにも」
「なにもって事はねえだろぃ」
やっぱり、ブン太には全部お見通しだ。だけど、それがまたうれしくて悔しくなった。わたしはブン太のこと、お兄ちゃんとしてじゃなくて男の子としてだいすきなのに、ずるいよ。多分わたしはこの先もずっとブン太に振り回される。叶わないのに誰よりも近くにいて優しくされて、憎いのに嫌いなんかにはなれなくて。
「周りが言うには、ブン太はわたしのお兄ちゃんなんだって」
「何訳わかんねーこと言ってんだか」
「だよね。さっきだってブン太が電話した相手、わたしじゃないし」
「ばーか、それはお前が電源切ってるからだろぃ」
「え、嘘」
なあんだ、そっか。じゃあ先にわたしに連絡くれたのか。ブン太がわたしの顔を見れなくて、外が暗くて、本当によかった。にやつく口元を押さえることができなかったから。そんなちょっとのことでも嬉しいなんて、これもお酒のせいなのかなあ。
「まさかお前、酒の原因それ?」
「そうだよ!お酒飲んでグレようとしたの」
「グレる?ちょっと飲んだだけでべろんべろんなやつが?」
ブン太のその言葉にむっとしたけど、なんだか別にいいかなって思えた。わたしって本当に単純だなあ。それであってブン太のことがだいすきだから、余計離れられない。
「大体お前に酒は似合わねえよ」
「……」
「おい、」
「ねえ、わたしってブン太からしたら妹なの?」
ずっと気になっていたことをいざ口にするとなると、少しだけ怖くなった。うん、って言われたらどうするっていうんだろう。ただ思い知らされるだけなのに。
「そう思えたら楽だろうけどよ」
「え?…なんて?」
つぶやくように言うもんだから、わたしの耳には届かないで暗闇に消えた。
「じゃあさ、ブン太は何でいつもわたしの心配するの?」
何で今日のわたしはこんなにもすらすらと質問できるんだろう。いつもなら聞けないはずなのに、今日のわたしは怖いもの知らずだな。
「何でって、ただ心配だからに決まってんだろぃ」
「…本当?」
「おう」
「へへ、ブン太、だいすき!」
「…俺も」
「へ…?嘘、もう一回言って!ちゃんと言って!」
「う、うるせえ!」
妹としてってことじゃないよね?って何度も後ろから問い掛けたけど、 何の反応もなかった。家に到着して、不安がるわたしにブン太がくれたのは、ぎこちないひとつの口付けだった。
