汗も滴る王子様たち
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「何や最近結構寒なってきたなあ」
「そう、です、ね!」
「お月さんが綺麗やなあ」
「同感っ、です」
彼の言う通り、最近やっと寒くなってきたところ。温暖化なんて騒がれる地球にも、やっぱり冬はやってくるようで。優雅に話す彼を尻目に、わたしはただひたすら足を動かし続けた。正直、息が切れて出て来る言葉がままならない。もう暗くなった空に浮かぶ星は、きらきらと輝きながらもそんなわたしを嘲笑っているみたいだった。
「こら、もっとしっかり漕ぎ」
「これが限界なの!文句言うな、ばか!」
この辺は坂が多くて帰り道がほんとうに困難だ。部活で疲れた身体を使わせるわけにはいかないと気遣って自転車の荷台に彼を乗せたのは良いものの、やっぱりわたしには体力というものは備わってなかったみたいだ。
「俺が漕いだ方が早いんとちゃう?」
「だ、め!」
「…頑固」
「大体、蔵、重いんだもん」
男の子なんだからわたしからして重いと感じて当たり前なんだけど、つい口から零れたその言葉に蔵はこれでも平均体重なんやけど、と唸った。わざとらしい。そりゃあ男として重いなんて思うわけないよ、部活で鍛えられてるんだから筋肉だって、
「それに筋肉やし」
「ふーん」
「じゃあこれは?」
「ちょ、やめ!」
考えていたことがそのまま蔵が話したことでつまらないと感じていたら、何か企んでいるような、楽しそうな声が聞こえた。蔵はわたしの無防備な両腹に手を添えると、ぷにぷにとつまんだ。
「わたしだって一応平均体重だし!」
「へえ、んだらこれは筋肉?」
「う…」
くそう、遠回しにわたしに言わせたいのが丸分かりすぎる。絶対言わないけど。絶対明日その包帯取って金ちゃんに毒手じゃないことバラしてやるんだから。そうすればもっと金ちゃんに振り回されて良い気味な、の、に。
「まあそんなとこも好きやねんけどな」
「何をしみじみと」
「お前以外の女の子見てもなーんとも思わんねん、どないしてくれるよ」
「っ、ばか」
「ばかはお前や、かわいすぎ」
そう言って抱き着いてきた衝動で自転車と同時に視界が揺れた。今日もしあわせで平和な夜、月が笑ってるように見えた。つられて笑ったわたしに、蔵は呟くように好きやで、と恥ずかしい言葉を漏らした。
月夜に沈む
何故か分からないけど、涙が出た
「そう、です、ね!」
「お月さんが綺麗やなあ」
「同感っ、です」
彼の言う通り、最近やっと寒くなってきたところ。温暖化なんて騒がれる地球にも、やっぱり冬はやってくるようで。優雅に話す彼を尻目に、わたしはただひたすら足を動かし続けた。正直、息が切れて出て来る言葉がままならない。もう暗くなった空に浮かぶ星は、きらきらと輝きながらもそんなわたしを嘲笑っているみたいだった。
「こら、もっとしっかり漕ぎ」
「これが限界なの!文句言うな、ばか!」
この辺は坂が多くて帰り道がほんとうに困難だ。部活で疲れた身体を使わせるわけにはいかないと気遣って自転車の荷台に彼を乗せたのは良いものの、やっぱりわたしには体力というものは備わってなかったみたいだ。
「俺が漕いだ方が早いんとちゃう?」
「だ、め!」
「…頑固」
「大体、蔵、重いんだもん」
男の子なんだからわたしからして重いと感じて当たり前なんだけど、つい口から零れたその言葉に蔵はこれでも平均体重なんやけど、と唸った。わざとらしい。そりゃあ男として重いなんて思うわけないよ、部活で鍛えられてるんだから筋肉だって、
「それに筋肉やし」
「ふーん」
「じゃあこれは?」
「ちょ、やめ!」
考えていたことがそのまま蔵が話したことでつまらないと感じていたら、何か企んでいるような、楽しそうな声が聞こえた。蔵はわたしの無防備な両腹に手を添えると、ぷにぷにとつまんだ。
「わたしだって一応平均体重だし!」
「へえ、んだらこれは筋肉?」
「う…」
くそう、遠回しにわたしに言わせたいのが丸分かりすぎる。絶対言わないけど。絶対明日その包帯取って金ちゃんに毒手じゃないことバラしてやるんだから。そうすればもっと金ちゃんに振り回されて良い気味な、の、に。
「まあそんなとこも好きやねんけどな」
「何をしみじみと」
「お前以外の女の子見てもなーんとも思わんねん、どないしてくれるよ」
「っ、ばか」
「ばかはお前や、かわいすぎ」
そう言って抱き着いてきた衝動で自転車と同時に視界が揺れた。今日もしあわせで平和な夜、月が笑ってるように見えた。つられて笑ったわたしに、蔵は呟くように好きやで、と恥ずかしい言葉を漏らした。
月夜に沈む
何故か分からないけど、涙が出た
