お菓子大好き丸井くん
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※大学生設定
大学の大きな講堂に入ると、わたしはまるで初めてここに来たかのようにきょろきょろと辺りを見回した。すべては彼に会わないように友達の元にたどり着くため。こんな広い部屋の中で彼に会う確率なんて低いはずなのに、わたしがそこまでするには意味があるわけで。そそくさと身を屈めていつも友達が座る場所へと向かうと、友達はわたしの気も知らないで呑気におはよー、と手を振ってきた。少なからず、わたしのこの行動には疑問を持ってるみたいだけれど。どうしたのと聞かれる前に、わたしは友達の両肩を掴んだ。
「ど、どうしよう!わたし、こここ、子供出来ちゃったって…!」
「え、うそ!」
「最近あ、アレ来ないからもしかしてって、お、思っ…!」
「ちょっと落ち着きなさいよ!おめでたいじゃない」
そう。昨日、わたしは産婦人科のおばちゃんに、わたしがお腹に赤ちゃんを身篭ってるという事実を突き付けられたのです。そんな大変なことを知って平常心でいられるわけもなく、だからと言って母親に相談出来るわけもなく昨日はもやもやとした一日を過ごしていた。こんなにも一人暮らしの生活を悔やんだことはない。彼に伝えるなんて以っての外。きっとショックを受けるに決まってる。ちゃんと気をつけてくれてて、ブン太は何にも悪くないのに。自信を失くして別れるなんてことになったら、とか考えていると、今日彼に会うのが非常に心苦しく思えてしまう。そのうえ、自分の身体に変化があるという事実を知って怖かった。まだまだわたしは未熟な人間だというのに。
「だからこそこそしてたの?丸井くんにちゃんと報告しなきゃ」
「む、無理!絶対逃げられるもん!」
「なんでよ、そんな男じゃないでしょ?」
「う……、」
そんなのわたしが一番わかってる。だけど、やっぱり実際にこういう時が来てしまうと怖いんだもの。ブン太を信じられないわけじゃなくて、自分に自信がないだけ。ブン太は、どんな顔するのかな?隠れてたって駄目だよね。ちゃんとお腹の子と向き合って、この事実をブン太に伝えなくちゃ。
「はよー」
「ぶぶ、ブン太っ…!」
深呼吸していると、机のとなりにしゃがみ込んでいるわたしの上から突然声が聞こえた。反射的に顔をあげると、視界に入ったのはブン太の笑顔。わたしは一気に硬直してしまって、頭の中が真っ白になって、気がつけばその場から逃げ出していた。もうすぐ授業が始まるってこともお構いなしに。お昼ご飯を食べるにはもってこいの場所、屋上の戸を開けると、広々としたそこには都合よく誰もいなかった。ベンチに座ると、冷たい風がわたしの頬を掠めた。どうしよう。怖いよ。一人になりたくない。ブン太に会いたいのに。気がつくとぽろぽろと涙があふれた。いい大人になってもこんなに子供みたいに泣いてる自分が恥ずかしいのに、止めることはできなかった。
「おい」
「…ぶ、んた」
足元に影が見えて、ぱっと顔をあげると、そこにはわたしのだいすきなブン太が立っていた。
「な、何で泣いてんだよ?俺の顔見て逃げるし、俺何かしたか?」
「ち、違うの」
これ以上隠しててもろくなことはないと思って、意を決して口を開いた。やっぱり怖いのは変わらなかったけど、本人を目の前にしても意外と落ち着いていられた自分に驚いた。
「子供が、できたの…」
「…子供?ま、まじかよ!」
「うん、早く言わないとって思ったんだけど、なんか、こ、怖くて…」
知らない間に身体が震えていて、また俯いてしまった。だけど多分、震え出したのはブン太に会えて安心したから。止まらない涙を両手で拭っていると、優しく抱きしめられていた。優しい香りがして、ひどく安心した。
「…ごめん」
「ど、どしたの?」
「一人で悩んで、心細かったよな?」
「そ、んなこと…、謝らないで」
ブン太はわたしが泣き止むまでずっと抱きしめてくれていた。うれしいのとは裏腹に、今ブン太は何を考えてるんだろうと思うと胸が痛くなった。聞き出す勇気が出てこない。産んでいい?なかったことにした方がいい?
「…やっぱ怖えよな?」
「え?」
「無責任かもしんねえけど、俺、お前に産んで欲しいっつーか…」
思わず言葉を失った。そんなふうに考えてくれてるなんてまったく考えたことがなかったから。嬉しくて口元を緩ませると、ブン太は照れ臭そうににかっと笑った。優しい風に包まれながら、何かに誓うようにしてわたしたちはキスをした。
卒業までの5ヶ月。わたしは赤ちゃんと共に大学に通うことを決めたのでした。
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title by 妄想ダイバー
大学の大きな講堂に入ると、わたしはまるで初めてここに来たかのようにきょろきょろと辺りを見回した。すべては彼に会わないように友達の元にたどり着くため。こんな広い部屋の中で彼に会う確率なんて低いはずなのに、わたしがそこまでするには意味があるわけで。そそくさと身を屈めていつも友達が座る場所へと向かうと、友達はわたしの気も知らないで呑気におはよー、と手を振ってきた。少なからず、わたしのこの行動には疑問を持ってるみたいだけれど。どうしたのと聞かれる前に、わたしは友達の両肩を掴んだ。
「ど、どうしよう!わたし、こここ、子供出来ちゃったって…!」
「え、うそ!」
「最近あ、アレ来ないからもしかしてって、お、思っ…!」
「ちょっと落ち着きなさいよ!おめでたいじゃない」
そう。昨日、わたしは産婦人科のおばちゃんに、わたしがお腹に赤ちゃんを身篭ってるという事実を突き付けられたのです。そんな大変なことを知って平常心でいられるわけもなく、だからと言って母親に相談出来るわけもなく昨日はもやもやとした一日を過ごしていた。こんなにも一人暮らしの生活を悔やんだことはない。彼に伝えるなんて以っての外。きっとショックを受けるに決まってる。ちゃんと気をつけてくれてて、ブン太は何にも悪くないのに。自信を失くして別れるなんてことになったら、とか考えていると、今日彼に会うのが非常に心苦しく思えてしまう。そのうえ、自分の身体に変化があるという事実を知って怖かった。まだまだわたしは未熟な人間だというのに。
「だからこそこそしてたの?丸井くんにちゃんと報告しなきゃ」
「む、無理!絶対逃げられるもん!」
「なんでよ、そんな男じゃないでしょ?」
「う……、」
そんなのわたしが一番わかってる。だけど、やっぱり実際にこういう時が来てしまうと怖いんだもの。ブン太を信じられないわけじゃなくて、自分に自信がないだけ。ブン太は、どんな顔するのかな?隠れてたって駄目だよね。ちゃんとお腹の子と向き合って、この事実をブン太に伝えなくちゃ。
「はよー」
「ぶぶ、ブン太っ…!」
深呼吸していると、机のとなりにしゃがみ込んでいるわたしの上から突然声が聞こえた。反射的に顔をあげると、視界に入ったのはブン太の笑顔。わたしは一気に硬直してしまって、頭の中が真っ白になって、気がつけばその場から逃げ出していた。もうすぐ授業が始まるってこともお構いなしに。お昼ご飯を食べるにはもってこいの場所、屋上の戸を開けると、広々としたそこには都合よく誰もいなかった。ベンチに座ると、冷たい風がわたしの頬を掠めた。どうしよう。怖いよ。一人になりたくない。ブン太に会いたいのに。気がつくとぽろぽろと涙があふれた。いい大人になってもこんなに子供みたいに泣いてる自分が恥ずかしいのに、止めることはできなかった。
「おい」
「…ぶ、んた」
足元に影が見えて、ぱっと顔をあげると、そこにはわたしのだいすきなブン太が立っていた。
「な、何で泣いてんだよ?俺の顔見て逃げるし、俺何かしたか?」
「ち、違うの」
これ以上隠しててもろくなことはないと思って、意を決して口を開いた。やっぱり怖いのは変わらなかったけど、本人を目の前にしても意外と落ち着いていられた自分に驚いた。
「子供が、できたの…」
「…子供?ま、まじかよ!」
「うん、早く言わないとって思ったんだけど、なんか、こ、怖くて…」
知らない間に身体が震えていて、また俯いてしまった。だけど多分、震え出したのはブン太に会えて安心したから。止まらない涙を両手で拭っていると、優しく抱きしめられていた。優しい香りがして、ひどく安心した。
「…ごめん」
「ど、どしたの?」
「一人で悩んで、心細かったよな?」
「そ、んなこと…、謝らないで」
ブン太はわたしが泣き止むまでずっと抱きしめてくれていた。うれしいのとは裏腹に、今ブン太は何を考えてるんだろうと思うと胸が痛くなった。聞き出す勇気が出てこない。産んでいい?なかったことにした方がいい?
「…やっぱ怖えよな?」
「え?」
「無責任かもしんねえけど、俺、お前に産んで欲しいっつーか…」
思わず言葉を失った。そんなふうに考えてくれてるなんてまったく考えたことがなかったから。嬉しくて口元を緩ませると、ブン太は照れ臭そうににかっと笑った。優しい風に包まれながら、何かに誓うようにしてわたしたちはキスをした。
卒業までの5ヶ月。わたしは赤ちゃんと共に大学に通うことを決めたのでした。
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title by 妄想ダイバー
