汗も滴る王子様たち
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「ひどいよ、甲斐」
「俺はお前のためと思って…」
「そんなのいらない」
「……」
春休みの真昼間。たくさんの人が歩き回る大通りで、またわたしの彼は堂々と浮気をしていた。運悪くその場に出食わしてしまったわたしに、彼は血の気を引いて驚いていた。だけど浮気っていうものは相手の考え方次第なもので、わたしにとってはあまり悲しいものではない。彼はしょっちゅう他の女の子と遊んでるから、もう慣れたものだし、今回もそんな感じでこの話は流れるものだと思っていた。なのにそうはいかなくて、わたしがその場から離れようとした瞬間、部活帰りで制服のままの甲斐が息を切らしながらもの凄い勢いで走ってきた。甲斐は遠くから見ただけで状況を理解したらしく、わたしのために走ってきたんだと言ったけれど。私の彼はその姿を見て、馬鹿なのかと思うほどに甲斐に対して勘違いを抱きながらもわたしに逆切れしたのだった。
「わたしも甲斐と浮気してたことになっちゃったし」
「…悪い」
甲斐のしょげた顔を見ると怒る気もなくなってしまう。だけど、彼と別れる羽目になったのは甲斐以外の誰のせいでもない。自分にそう言い聞かせると、ぷいっと甲斐から顔を背けた。それに気付いた甲斐はさらに落ち込んだかと思うと、開き直ったかのように口を開いた。
「あいつ、そんなにいい男ば?」
「べつに…」
「じゃあ何でさー」
「傍にいて欲しかったの…まあ、誰でもいいんだけど」
あ、今絶対わたしのこと、見掛けによらず男遊び激しいとか考えてる。分かりやすいもん、甲斐は。わたしは、甲斐みたいにいつも傍に部活仲間がいる、なんてのとは違うから。
「あのね、寂しいの」
「……」
「甲斐にはわからないかもしれないけど」
「…なら、せめて」
「うん」
「お前のことを大事に考えるやつにしとけよ」
そう言った甲斐はどこか悔しそうに見えた。どうしてわたしのことなんかで甲斐が必死になるんだろう。さっきまで恋人だったあいつだって、こんなにわたしのことを考えてくれたことはなかったのに。
「でもそんな人、なかなかいないよ」
「…ここにいるやんに」
甲斐がぽつりと零したその言葉に、自然と口元が緩んでしまった。だれでもいい、なんて嘘だったのかもしれない。本当は甲斐みたいに友達が多い人がうらやましかっただけ。だけど、甲斐のせいで、愛されることに興味を持ってしまった。
純愛ってなんですか
あ、きっと、こういうこと
「俺はお前のためと思って…」
「そんなのいらない」
「……」
春休みの真昼間。たくさんの人が歩き回る大通りで、またわたしの彼は堂々と浮気をしていた。運悪くその場に出食わしてしまったわたしに、彼は血の気を引いて驚いていた。だけど浮気っていうものは相手の考え方次第なもので、わたしにとってはあまり悲しいものではない。彼はしょっちゅう他の女の子と遊んでるから、もう慣れたものだし、今回もそんな感じでこの話は流れるものだと思っていた。なのにそうはいかなくて、わたしがその場から離れようとした瞬間、部活帰りで制服のままの甲斐が息を切らしながらもの凄い勢いで走ってきた。甲斐は遠くから見ただけで状況を理解したらしく、わたしのために走ってきたんだと言ったけれど。私の彼はその姿を見て、馬鹿なのかと思うほどに甲斐に対して勘違いを抱きながらもわたしに逆切れしたのだった。
「わたしも甲斐と浮気してたことになっちゃったし」
「…悪い」
甲斐のしょげた顔を見ると怒る気もなくなってしまう。だけど、彼と別れる羽目になったのは甲斐以外の誰のせいでもない。自分にそう言い聞かせると、ぷいっと甲斐から顔を背けた。それに気付いた甲斐はさらに落ち込んだかと思うと、開き直ったかのように口を開いた。
「あいつ、そんなにいい男ば?」
「べつに…」
「じゃあ何でさー」
「傍にいて欲しかったの…まあ、誰でもいいんだけど」
あ、今絶対わたしのこと、見掛けによらず男遊び激しいとか考えてる。分かりやすいもん、甲斐は。わたしは、甲斐みたいにいつも傍に部活仲間がいる、なんてのとは違うから。
「あのね、寂しいの」
「……」
「甲斐にはわからないかもしれないけど」
「…なら、せめて」
「うん」
「お前のことを大事に考えるやつにしとけよ」
そう言った甲斐はどこか悔しそうに見えた。どうしてわたしのことなんかで甲斐が必死になるんだろう。さっきまで恋人だったあいつだって、こんなにわたしのことを考えてくれたことはなかったのに。
「でもそんな人、なかなかいないよ」
「…ここにいるやんに」
甲斐がぽつりと零したその言葉に、自然と口元が緩んでしまった。だれでもいい、なんて嘘だったのかもしれない。本当は甲斐みたいに友達が多い人がうらやましかっただけ。だけど、甲斐のせいで、愛されることに興味を持ってしまった。
純愛ってなんですか
あ、きっと、こういうこと
