汗も滴る王子様たち
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「真田って背高いよね」
朝練のあと、彼女から発せられたたったこの一言で、俺がこんなにも振り回されることになるとは全く考えてもいなかった。確かに中学生にしてはデカいっスよね、とか言って相槌打ってたけど、もしかして先輩、真田副部長みたいな長身のがっちりしてるような体型が好みなのか?もしかしてあの言葉は彼氏である俺に対して遠回しに訴えかけてるのかと思うと、二限目からはまったく授業に集中できなかった。いや、授業にじゃなくて睡眠に、か。そっからだ。俺の行動に異変が起きたのは。授業の合間の休み時間には基本的に寝てる俺だけど、授業終了のチャイムが鳴るたびに自動販売機に向かって、紙パックの牛乳を買ってる俺がいた。教室から出ては牛乳を持って戻ってきて、席に着いて無言でそれを飲み干す俺に、クラスメートの奴も多分変な目で俺を見てると思う。
「それ…」
「何スか」
「牛乳、何本目?」
「……」
昼休みも飲んでたよね、とボールを拭きながら怪奇の目を向けてきたのは、朝の発言を俺に向けた彼女に違いない。たしかに特別牛乳が好きなわけでもないし、今まで習慣のように飲んでいたわけでもない。そんな俺がいきなり一日に何本も飲んでたら驚くだろうよ。俺も今、腹の中が水分でたぷたぷで、ちょっと腹痛くなってきて驚いてるくらい。
「別に、はな先輩が朝ああ言ったから飲んでるわけじゃないっスよ」
先輩のために飲んでるとかバレちまったらなんか恥ずかしいから言ったはずの言葉なのに、あれ。なんかおかしい。俺今明らかに自分でバラしたんじゃねえの。これってなんて言うんだっけ。墓を掘る?いやちがう。そうだ、墓穴を掘る、だ。
「朝?ははーん」
先輩は朝のことをすぐに思い出したらしく、俺を馬鹿にしたようににやにや笑っていた。
「赤也、そんなこと気にしてるの?」
「してねっス」
「してる」
「してねえ」
「しーてーる」
「あーもう、真田副部長と付き合ってればいいじゃないスか」
なんでいきなりその話に飛ぶのかと自分でも疑問に思う。真田副部長と付き合ってれば良いなんか微塵にも思ってないのに。飲み終わった紙パックをごみ箱に投げ捨てると、自分の鞄を枕にして寝転がった。もちろん、先輩には背中を向けて。
「赤也」
「……」
「赤也、こっち向いて?」
一度は聞こえないふりをしてみたものの、何より俺ははな先輩のこの優しい声に弱い。うん、かなり。そーっと顔を向けて見ると、ボール拭きは終わったみたいで、声と同じような優しい目で俺を見つめていた。
「赤也はそのままでいいよ」
「…なんで」
「だって赤也があんなに背高いなんて、ちょっと面白いし」
「先輩…っ!」
馬鹿にされたと思って勢いよく起き上がると、唇に柔らかい感触がした。どうやらおれは彼女の挑発にまんまと乗ってしまったらしい。思わず口を手で覆ってしまった。多分今俺の顔はすげえ真っ赤に違いない。
つーか、彼女のために一瞬でも努力した俺って、実はすげえ純情だったりする?
朝練のあと、彼女から発せられたたったこの一言で、俺がこんなにも振り回されることになるとは全く考えてもいなかった。確かに中学生にしてはデカいっスよね、とか言って相槌打ってたけど、もしかして先輩、真田副部長みたいな長身のがっちりしてるような体型が好みなのか?もしかしてあの言葉は彼氏である俺に対して遠回しに訴えかけてるのかと思うと、二限目からはまったく授業に集中できなかった。いや、授業にじゃなくて睡眠に、か。そっからだ。俺の行動に異変が起きたのは。授業の合間の休み時間には基本的に寝てる俺だけど、授業終了のチャイムが鳴るたびに自動販売機に向かって、紙パックの牛乳を買ってる俺がいた。教室から出ては牛乳を持って戻ってきて、席に着いて無言でそれを飲み干す俺に、クラスメートの奴も多分変な目で俺を見てると思う。
「それ…」
「何スか」
「牛乳、何本目?」
「……」
昼休みも飲んでたよね、とボールを拭きながら怪奇の目を向けてきたのは、朝の発言を俺に向けた彼女に違いない。たしかに特別牛乳が好きなわけでもないし、今まで習慣のように飲んでいたわけでもない。そんな俺がいきなり一日に何本も飲んでたら驚くだろうよ。俺も今、腹の中が水分でたぷたぷで、ちょっと腹痛くなってきて驚いてるくらい。
「別に、はな先輩が朝ああ言ったから飲んでるわけじゃないっスよ」
先輩のために飲んでるとかバレちまったらなんか恥ずかしいから言ったはずの言葉なのに、あれ。なんかおかしい。俺今明らかに自分でバラしたんじゃねえの。これってなんて言うんだっけ。墓を掘る?いやちがう。そうだ、墓穴を掘る、だ。
「朝?ははーん」
先輩は朝のことをすぐに思い出したらしく、俺を馬鹿にしたようににやにや笑っていた。
「赤也、そんなこと気にしてるの?」
「してねっス」
「してる」
「してねえ」
「しーてーる」
「あーもう、真田副部長と付き合ってればいいじゃないスか」
なんでいきなりその話に飛ぶのかと自分でも疑問に思う。真田副部長と付き合ってれば良いなんか微塵にも思ってないのに。飲み終わった紙パックをごみ箱に投げ捨てると、自分の鞄を枕にして寝転がった。もちろん、先輩には背中を向けて。
「赤也」
「……」
「赤也、こっち向いて?」
一度は聞こえないふりをしてみたものの、何より俺ははな先輩のこの優しい声に弱い。うん、かなり。そーっと顔を向けて見ると、ボール拭きは終わったみたいで、声と同じような優しい目で俺を見つめていた。
「赤也はそのままでいいよ」
「…なんで」
「だって赤也があんなに背高いなんて、ちょっと面白いし」
「先輩…っ!」
馬鹿にされたと思って勢いよく起き上がると、唇に柔らかい感触がした。どうやらおれは彼女の挑発にまんまと乗ってしまったらしい。思わず口を手で覆ってしまった。多分今俺の顔はすげえ真っ赤に違いない。
つーか、彼女のために一瞬でも努力した俺って、実はすげえ純情だったりする?
