とぐろ巻く群青
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こうして、有名友愛会の【ロアー・オメガ・ロアー】に入会させられた私は目の前の胡散臭い会長さんの後に着いて宿舎を目指している。
両斜め後ろには目が4つある長身の虫のようなモンスターと一つ目の蟹のようなモンスターが着いて来ている。
周りからの好奇や奇異様々な視線もあり、なんだか連行されているような気がして落ち着かない。
ベラは心臓が持たないとか何とかで先に次の講義の教材を取りに宿舎へ戻ってしまった。
微妙な心境でため息をつくと、前を歩くゴリラ会長が振り向いた。
つくつぐ思うけど、ハッキリ言って、この会長はイケメンだとは思う。
ゴツいけど、女受けしそうなパワフルな雰囲気が滲み出ている。
ロアーの会長なんだから成績だって上の上だろう。
あとはこの無駄に紳士過ぎる所と胡散臭ささ……あとは甘ったるいフレーズか…これが無ければ良いのに。
「ん?どうしたんだい?」
『…いいえ、ただ、何で私なんかを勧誘したのかなぁと思いまして。』
「ほぅ…?」
『しかも、あんな脅迫地味た方法で。』
皮肉を込めて言ってやると、彼は苦笑いをしながら肩をすくめた。
「ハハハ…いやはや、失敬。まぁ、確かに君のように優秀で魅力的な女子生徒はここには結構いるさ。でもね…怖がらせ学部となると話は別なんだよ。」
『…と言うと?』
「あー、その…怖がらせ学部の女子生徒は…こう…ワイルド…だろう?」
めっちゃ、言葉選んでる。
こういう所も無駄に紳士だと思う。
『まぁ…、怖がらせる事を勉強しに来てるんだから、見た目が厳つくても当たり前じゃないかしら?』
「そう。その中で唯一、可憐に咲いていたのが君だったんだよ。」
おぉう……もう、どうにかしてくれ。
なんでそんな恥ずかしい台詞をポンポン言ってくれちゃうのかしら。
こっち見んな。
『はぁ…そうですか。』
ゴメン。
これが精一杯。
物凄く無理な方向に首をねじ曲げて視線を避けてみる。
あんな王子様のお手本みたいな台詞吐かれたら愛想笑いすら出来ないわ。
ここで目の前の彼に一発入れない私を誰か誉めて欲しい。
身体中のウロコが浮く感覚と戦っていると、どうやら宿舎に着いたようなので、ぎこちない動作で会長さんに前を見るよう促してみる。
「ん?あぁ、ここがこれから君が生活する宿舎だ。さぁ、中を案内しよう。」
とりあえず、助かった。
会長から十分距離を取って入り口の扉をくぐると、……………………………なんじゃこりゃ。
普通、一般的に玄関を開けたら廊下かリビングがあるもんですよね。
じゃあ、私の目の前にある小ホール並の大広間は何なんだ…。
部屋の四隅にはスポットライト的な物が置いてあり、奥には大きな暖炉とDJセットや楽器などが整列している。
コンサートでもやるのか…。
「ここはパーティー会場だ。うちでは月に何度かパーティーを開いていてね。そこらのクラブよりは立派なものだとは思うよ。」
ただ呆然とその空間を眺めていると、いつの間にか隣にいた会長さんが説明してくれた。
そこから順番にリビング、キッチン、バスルーム、遊戯室、各メンバーの部屋などなど、様々な部屋を回った。
その途中に宿舎内にいたメンバーに遭遇したけど、自己紹介は後程するらしい。
そういえば、今更だけど、まだ私とか会長とかって自己紹介してなくない?
まぁ、後でするなら良いか。
とりあえず、他の宿舎のことは知らないけど、こんな豪華でホテルを思わせるような建物が、私が入ったクラブらしい。
……カフェテリアをクラブの資金で改装する程だもんね。
金持ちでも不思議じゃないか…。
一人納得していると、急に右半身が温かい物に触れて肩に少し重みを感じた。
触ってみると良い手触り。
モサモサとまさぐってみる。
すると、こそばゆいのか身をよじるように動いたソレ。
不思議に思って上を見るとゴリラからの熱視線。
どうやら、肩を抱かれていたようで、なんで私はあんな事をしてしまったのか…。
少し離れるように密着する身体を押してみるが、効果なし。
そのまま、肩に回った腕によって目の前の扉へと押された。
「そして、ここがニューメンバーである君の部屋だ。」
そんなことより、な、なんか湿っぽいんですが…。
私、半分変温動物なんだから止めてくれないかな。
…って、え?部屋?
最後に通された部屋はなんか、こう…リビングにベッドがあるような部屋でした。
それが率直に浮かんだ感想。
「どうだ?気に入っただろう?家具は勿論。シャワーも完備してるんだ。」
『えぇと…凄いんですけど、コレ、本当に私が使っても…?』
「当たり前さ。今日から好きに使ってくれて構わない。因みに隣の部屋はオレとハビエルだ。分からない事は何でも聞いてくれ。」
そう言って、自分とハビエルと呼ばれた虫の彼を指差す。
指された彼は組んでいた片手を小さく上げて答えた。
イケメンだ…。
うーん。だけど、私には忘れちゃならない事がある。
『あの…ここの部屋はとても素敵なんだけど、私は元の学生寮で寝泊まりしたいの……駄目かしら?』
そう申し立てると驚いたような顔をされる。
そりゃ、そうか。
『寮のルームメイトはここで初めて出来た親友だから早々さよならはちょっと…。』
「そういうことか…なら良しとしよう。君は学生寮とここをどちらも使えば良い。」
『本当に!?ありがとうございます!!』
「ただし、それなりにここには出入りすること。あと、食事もここでだな。君の頭は結構食べそうだから。」
『はぁ…どうも。』
どうやら、第2の宿の他に食事もお世話になれるようで。
至れり尽くせりですな。
ここで、私の腹の虫ならぬ頭の虫が呻き声を出し始めたので、下の階で食事会になる事になった。
両斜め後ろには目が4つある長身の虫のようなモンスターと一つ目の蟹のようなモンスターが着いて来ている。
周りからの好奇や奇異様々な視線もあり、なんだか連行されているような気がして落ち着かない。
ベラは心臓が持たないとか何とかで先に次の講義の教材を取りに宿舎へ戻ってしまった。
微妙な心境でため息をつくと、前を歩くゴリラ会長が振り向いた。
つくつぐ思うけど、ハッキリ言って、この会長はイケメンだとは思う。
ゴツいけど、女受けしそうなパワフルな雰囲気が滲み出ている。
ロアーの会長なんだから成績だって上の上だろう。
あとはこの無駄に紳士過ぎる所と胡散臭ささ……あとは甘ったるいフレーズか…これが無ければ良いのに。
「ん?どうしたんだい?」
『…いいえ、ただ、何で私なんかを勧誘したのかなぁと思いまして。』
「ほぅ…?」
『しかも、あんな脅迫地味た方法で。』
皮肉を込めて言ってやると、彼は苦笑いをしながら肩をすくめた。
「ハハハ…いやはや、失敬。まぁ、確かに君のように優秀で魅力的な女子生徒はここには結構いるさ。でもね…怖がらせ学部となると話は別なんだよ。」
『…と言うと?』
「あー、その…怖がらせ学部の女子生徒は…こう…ワイルド…だろう?」
めっちゃ、言葉選んでる。
こういう所も無駄に紳士だと思う。
『まぁ…、怖がらせる事を勉強しに来てるんだから、見た目が厳つくても当たり前じゃないかしら?』
「そう。その中で唯一、可憐に咲いていたのが君だったんだよ。」
おぉう……もう、どうにかしてくれ。
なんでそんな恥ずかしい台詞をポンポン言ってくれちゃうのかしら。
こっち見んな。
『はぁ…そうですか。』
ゴメン。
これが精一杯。
物凄く無理な方向に首をねじ曲げて視線を避けてみる。
あんな王子様のお手本みたいな台詞吐かれたら愛想笑いすら出来ないわ。
ここで目の前の彼に一発入れない私を誰か誉めて欲しい。
身体中のウロコが浮く感覚と戦っていると、どうやら宿舎に着いたようなので、ぎこちない動作で会長さんに前を見るよう促してみる。
「ん?あぁ、ここがこれから君が生活する宿舎だ。さぁ、中を案内しよう。」
とりあえず、助かった。
会長から十分距離を取って入り口の扉をくぐると、……………………………なんじゃこりゃ。
普通、一般的に玄関を開けたら廊下かリビングがあるもんですよね。
じゃあ、私の目の前にある小ホール並の大広間は何なんだ…。
部屋の四隅にはスポットライト的な物が置いてあり、奥には大きな暖炉とDJセットや楽器などが整列している。
コンサートでもやるのか…。
「ここはパーティー会場だ。うちでは月に何度かパーティーを開いていてね。そこらのクラブよりは立派なものだとは思うよ。」
ただ呆然とその空間を眺めていると、いつの間にか隣にいた会長さんが説明してくれた。
そこから順番にリビング、キッチン、バスルーム、遊戯室、各メンバーの部屋などなど、様々な部屋を回った。
その途中に宿舎内にいたメンバーに遭遇したけど、自己紹介は後程するらしい。
そういえば、今更だけど、まだ私とか会長とかって自己紹介してなくない?
まぁ、後でするなら良いか。
とりあえず、他の宿舎のことは知らないけど、こんな豪華でホテルを思わせるような建物が、私が入ったクラブらしい。
……カフェテリアをクラブの資金で改装する程だもんね。
金持ちでも不思議じゃないか…。
一人納得していると、急に右半身が温かい物に触れて肩に少し重みを感じた。
触ってみると良い手触り。
モサモサとまさぐってみる。
すると、こそばゆいのか身をよじるように動いたソレ。
不思議に思って上を見るとゴリラからの熱視線。
どうやら、肩を抱かれていたようで、なんで私はあんな事をしてしまったのか…。
少し離れるように密着する身体を押してみるが、効果なし。
そのまま、肩に回った腕によって目の前の扉へと押された。
「そして、ここがニューメンバーである君の部屋だ。」
そんなことより、な、なんか湿っぽいんですが…。
私、半分変温動物なんだから止めてくれないかな。
…って、え?部屋?
最後に通された部屋はなんか、こう…リビングにベッドがあるような部屋でした。
それが率直に浮かんだ感想。
「どうだ?気に入っただろう?家具は勿論。シャワーも完備してるんだ。」
『えぇと…凄いんですけど、コレ、本当に私が使っても…?』
「当たり前さ。今日から好きに使ってくれて構わない。因みに隣の部屋はオレとハビエルだ。分からない事は何でも聞いてくれ。」
そう言って、自分とハビエルと呼ばれた虫の彼を指差す。
指された彼は組んでいた片手を小さく上げて答えた。
イケメンだ…。
うーん。だけど、私には忘れちゃならない事がある。
『あの…ここの部屋はとても素敵なんだけど、私は元の学生寮で寝泊まりしたいの……駄目かしら?』
そう申し立てると驚いたような顔をされる。
そりゃ、そうか。
『寮のルームメイトはここで初めて出来た親友だから早々さよならはちょっと…。』
「そういうことか…なら良しとしよう。君は学生寮とここをどちらも使えば良い。」
『本当に!?ありがとうございます!!』
「ただし、それなりにここには出入りすること。あと、食事もここでだな。君の頭は結構食べそうだから。」
『はぁ…どうも。』
どうやら、第2の宿の他に食事もお世話になれるようで。
至れり尽くせりですな。
ここで、私の腹の虫ならぬ頭の虫が呻き声を出し始めたので、下の階で食事会になる事になった。
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