※ほとんど出てきません
初めまして僕。
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取り敢えず、キャパオーバーをしないように今までのことをまとめたい。
ペリドットにお願いして紙を貰ってなんとかまとめることが出来れば上出来。
それに加え、現段階の状況も知りたい。
偶然にもまだ日は落ちてないし、まだ周りも帰ってこないだろう。
これは行動してみるに限る。
ついでに言えば、図書室なら静かだし誰にも邪魔はされない。
可能性には素直に従うべきだと誰かが言っていたのを思い出しながら僕は歩き始めた。
こつこつと独特の音を響かせて歩を進める。
向かうはペリドットがいる紙工房。
さて、なんて理由をこじつけようか。
学習向上のためにレポートを書くとかそこら辺でいいかもしれない。
それか、調べたいことがあるとでも言うか。
想像を膨らませながら、目的の紙工房についた。
『失礼します。ペリドット兄さん、ちょっと良い?』
「今、私のことを兄さんって…。ぁ、それより何だ?」
『えっと紙を数枚貰いたくて。学習向上のために勉強したいんだ』
「学習熱心だな、フォス。いいぞ、持っていくといい」
『わ…!ありがとうペリドット兄さん!』
第一の関門は突破成功できた。
意外にも早くくれるなんて思いもよらなかった。
画板はないけど、机があれば何とかなる。
…あ、しまった、ペンがない。
道中、誰かに貸してもらおうか。
誰とも会わなかったら医務室行ってルチルにでも貸してもらおう。
「あら、フォス。浮かない顔してるけれどどうかしたの?」
『ぁ、ユーク兄さん。いやね、レポート書こうとしたらペンがなくて…』
「あらあら。僕のペンで良ければ貸してあげる」
『良いの…?ありがとう、ユーク兄さん!』
たまたますれ違ったユークレースにペンを貸してもらい、図書室に向かう足を進める。
今日は随分とラッキーかもしれない、なんて思っていた。
図書室で彼に会うまでは。
『っと…図書室とうちゃーく!』
静かに扉を開けて、中に入れば紙独特の匂いがした。
個人的にはこの紙の匂いが僕は結構好きだ。
胸いっぱいに紙の匂いを感じながら、足早に席についた。
まとめることは二つ。
これからの予定の組み立て、現段階の僕の状況。
前者である予定の組み立ては、後者が解らなければ到底出来ない話だ。
『取り敢えず、後者からまとめるか』
誰かが書いたであろう、博物誌を本棚から取り出し丁寧に読み込んでいく。
どうやら、この世界の言語は日本語で統一されているらしい。
《ねぇ、本物 。言語、日本語だったんだね》
〈日本語…古代文字のことかな。君がこの世界に引き摺り込まれている分の歪みだと思うよ。こっちの方は違うから〉
《そっか。ありがとう、わざわざごめんね》
どうやら、補正でもカバー出来ないものもあるみたい。
でも、この歪みはとても嬉しい歪みだ。
例え、言葉が話せても紙に書けないようでは不便だし。
博物誌を読んでいく中で、中々僕のことを書いているものがない。
きっと、この年代ではないのであろう。
試しに右らへんの本棚から博物誌を取り出してみた。
どうやら、この博物誌を編んだ人は細かい宝石 らしい。
丁寧に目次までつけてあったおかげで直ぐに見つけられた。
【薄荷色の新入り】と付けられた題名は正しく僕のことを指している。
自分の中では【百二十歳】位だろうと思っているのだが、どうなのだろうか。
これに関しては読まなければ解らない。
そう思い、僕は件のページを開いた。
僕について事細かく編まれた博物誌を読み終えて、わかったことをひたすらに紙へ書く。
ただし、細心の注意を払って英語で明記をすることにした。
補正が入っているからだろうが、直感的に思った年齢が本当にあたるとは。
最新版の博物誌も読んだけれど、どうやらラピス・ラズリも連れていかれて居ないらしい。
ここであることに気付くべきだったのかもしれない。
彼ならば僕の考えてることを見抜けるのだと。
ある程度、まとめ挙げた紙を見つめながら今度は今後のことを考えていく。
ラピスが連れ去られていないのであれば、先ずは彼を助けることが先決だ。
頭をフル回転させて紙に彼が連れ去られた経緯を断片的に書く。
外部からの音を遮断して、集中していたのが裏目に出るとも気づかずに。
「ねぇ、君。何をしているんだい?」
『ッ…!?ぁ…ラピス…兄さん』
噂をすればなんとやら。
僕の肩を叩いて話し掛けてきたのは、ラピスだった。
この状況でようやく僕は気付いた。
図書室にはラピスが居て、彼の存在は一番危険だと。
「見たところ、博物誌を読んで何かをまとめているみたいだけど。良ければ僕に見せてくれるかい?」
『ぁ、その…別に何も書いてないよ』
「ふ〜ん。なら、僕が連れ去られてしまうってどういう意味?」
『ぇ…読める…の?』
「まぁね。これだけ簡単に書いてくれれば僕は読めてしまうよ」
迂闊だった。
言語の歪が有ると言うのに、英語で明記をした所で天才の彼なら読めてしまう。
そして一番避けたいのは僕が本物 じゃないのがバレること。
だが、まだ彼は僕についてまとめたものを読んでいない。
いける、僕はそう期待した。
「…なら、君って誰?」
『ぇ…なんでそんなことを…』
「悪いけれど、さっきからずっと書いてるところを見ていたんだ」
中身を見透かすような微笑みに僕は恐れを抱いた。
そんなことを知らないであろうラピスは僕の頭を撫でると僕の隣に腰掛けた。
これは真面目にやばい。
「正直に答えて。君は誰なのかな?」
『僕は…僕は』
「…教えてくれたらこのことは内緒にしてあげる。ほら、僕に名前を教えて?」
『っ…僕の名前は __ ノア。本物のフォスなんかじゃない』
「へぇ。__ ノアって言うんだね。まるで…いや、やめておこう。君は“ フォス ”だものね」
ラピスは面白そうに微笑んで席を立つと、博物誌を元の棚に戻した。
どうやらラピスは本当に内緒にしてくれるらしい。
改めて、ラピスが天才なのだと僕は実感した。
ペリドットにお願いして紙を貰ってなんとかまとめることが出来れば上出来。
それに加え、現段階の状況も知りたい。
偶然にもまだ日は落ちてないし、まだ周りも帰ってこないだろう。
これは行動してみるに限る。
ついでに言えば、図書室なら静かだし誰にも邪魔はされない。
可能性には素直に従うべきだと誰かが言っていたのを思い出しながら僕は歩き始めた。
こつこつと独特の音を響かせて歩を進める。
向かうはペリドットがいる紙工房。
さて、なんて理由をこじつけようか。
学習向上のためにレポートを書くとかそこら辺でいいかもしれない。
それか、調べたいことがあるとでも言うか。
想像を膨らませながら、目的の紙工房についた。
『失礼します。ペリドット兄さん、ちょっと良い?』
「今、私のことを兄さんって…。ぁ、それより何だ?」
『えっと紙を数枚貰いたくて。学習向上のために勉強したいんだ』
「学習熱心だな、フォス。いいぞ、持っていくといい」
『わ…!ありがとうペリドット兄さん!』
第一の関門は突破成功できた。
意外にも早くくれるなんて思いもよらなかった。
画板はないけど、机があれば何とかなる。
…あ、しまった、ペンがない。
道中、誰かに貸してもらおうか。
誰とも会わなかったら医務室行ってルチルにでも貸してもらおう。
「あら、フォス。浮かない顔してるけれどどうかしたの?」
『ぁ、ユーク兄さん。いやね、レポート書こうとしたらペンがなくて…』
「あらあら。僕のペンで良ければ貸してあげる」
『良いの…?ありがとう、ユーク兄さん!』
たまたますれ違ったユークレースにペンを貸してもらい、図書室に向かう足を進める。
今日は随分とラッキーかもしれない、なんて思っていた。
図書室で彼に会うまでは。
『っと…図書室とうちゃーく!』
静かに扉を開けて、中に入れば紙独特の匂いがした。
個人的にはこの紙の匂いが僕は結構好きだ。
胸いっぱいに紙の匂いを感じながら、足早に席についた。
まとめることは二つ。
これからの予定の組み立て、現段階の僕の状況。
前者である予定の組み立ては、後者が解らなければ到底出来ない話だ。
『取り敢えず、後者からまとめるか』
誰かが書いたであろう、博物誌を本棚から取り出し丁寧に読み込んでいく。
どうやら、この世界の言語は日本語で統一されているらしい。
《ねぇ、
〈日本語…古代文字のことかな。君がこの世界に引き摺り込まれている分の歪みだと思うよ。こっちの方は違うから〉
《そっか。ありがとう、わざわざごめんね》
どうやら、補正でもカバー出来ないものもあるみたい。
でも、この歪みはとても嬉しい歪みだ。
例え、言葉が話せても紙に書けないようでは不便だし。
博物誌を読んでいく中で、中々僕のことを書いているものがない。
きっと、この年代ではないのであろう。
試しに右らへんの本棚から博物誌を取り出してみた。
どうやら、この博物誌を編んだ人は細かい
丁寧に目次までつけてあったおかげで直ぐに見つけられた。
【薄荷色の新入り】と付けられた題名は正しく僕のことを指している。
自分の中では【百二十歳】位だろうと思っているのだが、どうなのだろうか。
これに関しては読まなければ解らない。
そう思い、僕は件のページを開いた。
僕について事細かく編まれた博物誌を読み終えて、わかったことをひたすらに紙へ書く。
ただし、細心の注意を払って英語で明記をすることにした。
補正が入っているからだろうが、直感的に思った年齢が本当にあたるとは。
最新版の博物誌も読んだけれど、どうやらラピス・ラズリも連れていかれて居ないらしい。
ここであることに気付くべきだったのかもしれない。
彼ならば僕の考えてることを見抜けるのだと。
ある程度、まとめ挙げた紙を見つめながら今度は今後のことを考えていく。
ラピスが連れ去られていないのであれば、先ずは彼を助けることが先決だ。
頭をフル回転させて紙に彼が連れ去られた経緯を断片的に書く。
外部からの音を遮断して、集中していたのが裏目に出るとも気づかずに。
「ねぇ、君。何をしているんだい?」
『ッ…!?ぁ…ラピス…兄さん』
噂をすればなんとやら。
僕の肩を叩いて話し掛けてきたのは、ラピスだった。
この状況でようやく僕は気付いた。
図書室にはラピスが居て、彼の存在は一番危険だと。
「見たところ、博物誌を読んで何かをまとめているみたいだけど。良ければ僕に見せてくれるかい?」
『ぁ、その…別に何も書いてないよ』
「ふ〜ん。なら、僕が連れ去られてしまうってどういう意味?」
『ぇ…読める…の?』
「まぁね。これだけ簡単に書いてくれれば僕は読めてしまうよ」
迂闊だった。
言語の歪が有ると言うのに、英語で明記をした所で天才の彼なら読めてしまう。
そして一番避けたいのは僕が
だが、まだ彼は僕についてまとめたものを読んでいない。
いける、僕はそう期待した。
「…なら、君って誰?」
『ぇ…なんでそんなことを…』
「悪いけれど、さっきからずっと書いてるところを見ていたんだ」
中身を見透かすような微笑みに僕は恐れを抱いた。
そんなことを知らないであろうラピスは僕の頭を撫でると僕の隣に腰掛けた。
これは真面目にやばい。
「正直に答えて。君は誰なのかな?」
『僕は…僕は』
「…教えてくれたらこのことは内緒にしてあげる。ほら、僕に名前を教えて?」
『っ…僕の名前は __ ノア。本物のフォスなんかじゃない』
「へぇ。__ ノアって言うんだね。まるで…いや、やめておこう。君は“ フォス ”だものね」
ラピスは面白そうに微笑んで席を立つと、博物誌を元の棚に戻した。
どうやらラピスは本当に内緒にしてくれるらしい。
改めて、ラピスが天才なのだと僕は実感した。
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