少女椿
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思わずスタンドを発動しそうになる。リゾットはそれを抑えるように眉間に皺を寄せ目を伏せた。
彼は任務――ジャンニ・ウルバーノの暗殺を実行するために対象の屋敷に足を踏み入れていた。ホルマジオによる事前の偵察で構造、そして少女の居場所は把握済みだ。その能力、メタリカで周囲に溶け込み、迷うことなく邸宅の最奥へ進む。
更けきった空は彼の名のように暗く、曇りなのだろう。星は一つも瞬かない。静寂に包まれるこの時間は屋敷の使用人は帰宅し、ジャンニと少女だけになる。
辿り着いたその部屋の扉は開け放たれたままで、中の様子が視界に飛び込む。ホルマジオの報告通り東洋人の女、というのはまだ子供だった。
少女はローテーブルにうつ伏せになっている。
いや、うつ伏せに"させられている"。小さな背中には片膝が載せられており、身動きが取れない状態だった。暗殺対象の男は片膝を載せたまま、体重をかけるようにゆっくり少女の背を覆う。ワンピースは捲りあがり、露わになっている少女の背中。無数の傷は生々しく先程までの残酷な現実を教える。
リゾットは2人の関係性など知らない。だが抵抗こそしないものの、少女がこの行為を望んでいないことは目に見えて分かった。
身をかがめた男は慈しむようにその傷ひとつひとつに口付けを落としていく。親が子にするような。恋人が恋人へするような。愛情を持って放たれるそれに少女は何の反応も示さない。それが気に触れたのか、口を開けて柔らかな肉に歯を突き立てる。
「!い"ッ……あ"ぁ"ぁ!!」
決して甘噛みなどとはいえない強さに呻いた少女。リゾットはその瞬間、反射的に男の体内に金属を生成させた。だがすぐに能力を解き、視界に入れるべきではないと顔を背けた。
鋭利な刃物が皮膚を突き破る光景は少女の記憶に強く残るだろう。ポルポの手に渡った後どうなるのかは分からないが、できるだけトラウマを植え付けたくはなかった。たとえ己のエゴだとしても。どうせもうすぐこの男は死に、少女は開放されるのだ。
たった数分だが長く感じたその時間もようやく終わる。自室へ戻り、1人になったところをほんの数秒でその息の根を止めた。自殺に見せかけ、声を上げる間もないように。
彼は任務――ジャンニ・ウルバーノの暗殺を実行するために対象の屋敷に足を踏み入れていた。ホルマジオによる事前の偵察で構造、そして少女の居場所は把握済みだ。その能力、メタリカで周囲に溶け込み、迷うことなく邸宅の最奥へ進む。
更けきった空は彼の名のように暗く、曇りなのだろう。星は一つも瞬かない。静寂に包まれるこの時間は屋敷の使用人は帰宅し、ジャンニと少女だけになる。
辿り着いたその部屋の扉は開け放たれたままで、中の様子が視界に飛び込む。ホルマジオの報告通り東洋人の女、というのはまだ子供だった。
少女はローテーブルにうつ伏せになっている。
いや、うつ伏せに"させられている"。小さな背中には片膝が載せられており、身動きが取れない状態だった。暗殺対象の男は片膝を載せたまま、体重をかけるようにゆっくり少女の背を覆う。ワンピースは捲りあがり、露わになっている少女の背中。無数の傷は生々しく先程までの残酷な現実を教える。
リゾットは2人の関係性など知らない。だが抵抗こそしないものの、少女がこの行為を望んでいないことは目に見えて分かった。
身をかがめた男は慈しむようにその傷ひとつひとつに口付けを落としていく。親が子にするような。恋人が恋人へするような。愛情を持って放たれるそれに少女は何の反応も示さない。それが気に触れたのか、口を開けて柔らかな肉に歯を突き立てる。
「!い"ッ……あ"ぁ"ぁ!!」
決して甘噛みなどとはいえない強さに呻いた少女。リゾットはその瞬間、反射的に男の体内に金属を生成させた。だがすぐに能力を解き、視界に入れるべきではないと顔を背けた。
鋭利な刃物が皮膚を突き破る光景は少女の記憶に強く残るだろう。ポルポの手に渡った後どうなるのかは分からないが、できるだけトラウマを植え付けたくはなかった。たとえ己のエゴだとしても。どうせもうすぐこの男は死に、少女は開放されるのだ。
たった数分だが長く感じたその時間もようやく終わる。自室へ戻り、1人になったところをほんの数秒でその息の根を止めた。自殺に見せかけ、声を上げる間もないように。