呪術廻戦
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わたしは狗巻棘くんに好意をもっている。
所属する呪術高専の生徒中で彼以上に好意的な人はいない。みんなが好きではないという訳ではなくて別の意味の好意。
廊下ですれ違うだけで良いことあったとか思えるくらいのものだ。言葉を交わそうものならその日がハッピー気分。
でも彼は言葉に呪いをのせてしまうから、おにぎりの具材しか語彙がない。お辞儀しながら「こんぶ」とか。「シャケ」とかとか。
「おはようございます」
「……シャケ」
そして今日も廊下ですれ違えた。相変わらず語彙はおにぎりの具だけれど。ちらりと横目で見られた時に目があってしまった。幸せが爆発しそう。良いことあったわ〜。
いつものように今日もすれ違うだけ…と思いきや後ろから腕をツンツンされた。
クエスチョンマークを頭に浮かべて半分は心臓が踊りたしそうなので冷静になって落ち着け〜と唱えてるわたしがいる。
「は、はい?」
「ツナマヨ」
「えっと………ツナマヨ?」
好きです。ツナマヨも狗巻くんも。
ってそうじゃないですよね。
狗巻くんはわたしの膝を指差していた。ああそういうことでしたか。きっと彼はわたしの膝にできた五百円玉くらいのカサブタに疑問を覚えたのだろう。大丈夫です、四日前に祓った二級程度の呪霊から受けたものですから。むしろ怪我なんてして恥ずかしいとさえ思います。
「これはこの間できたものでして、もう痛くもなんとも…恥ずかしいですね」
ハハハと流すが彼の表情は冴えなかった。
「おかか」
(おかかは否定、でしたね?)
「大丈夫です、心配してくださってありがとうございます。狗巻くんは優しいですね」
わたしが大丈夫と笑うとまだ心配そうな表情ではあるが頷いてくれた。なんだか狗巻くんの頬がほのかに赤い気がします。なぜ?
わたしも彼と話してるだけで顔が熱いですが、これは何時もより多く彼と話せているから。こんな至近距離でキレイな顔が見られているから。彼にみられているから。
もっと話したい。でも恥ずかしい。
「それじゃあ…また」
「シャケ」
ぺこりとお互いに頭を垂れる。まだ話していたい気持ちとここに留まったら心臓が持たないから離れたい気持ちが交差していた。
「………ななし先輩」
ほ。
「!?、えっ今の、えっ、呼んだ?」
ほ?!
「シャケ」
彼のキレイな声が私の名前を呼んだから幻聴かとおもい振り返った。しかし目の前の光景を鑑みていやこれは幻聴ではないと悟った。だって彼が茹でダコみたいに顔を赤くして立ってるんだもの。胸が下から上へぎゅぎゅっと締め付けられた感覚が走る。わたしもすごく顔が熱い。
こんなの勘違いしてしまいそう。体中に電気が走ってるみたいだ。もう一回だけ呼ばれたい。呪われてしまってもいい。本望である。
「狗巻くん、もう一回呼んでくれませんか」
「お……おかか」
ポケットに入っている腕を伸ばし顔を横に降った。やはり断られてしまった…。がっかりと肩を落とす。彼は照れ臭そうに踵を返して歩きだした。
「〜〜〜っ、明日なら良い?」
わたしの膝の怪我を心配してくれたりわたしの名前を呼んでくれた。なんでそんなに嬉しい事をしてくれるのかと考えると如何しても都合のいいように考えてしまう。
武者震いのような高揚感を体に感じながらわたしは彼に投げかけた。明日も会いたい、明日も名前を呼んでくれる?駄目元でもいいからと聞いてしまっていた。
「……」
狗巻くんは足を止めたが振り返らなかった。
「……シャケっ」
わたしの心は一気に花が咲いたようだった。なんてなんていい日なんだろう。彼はいつものように具材を言い残すと、走り去ってしまった。
ああ神様がいるならお礼を言いたい。困ってる人がいるなら今なら何人でも何十人でも何百人でも助けてあげられそうだ。胸の高鳴りが廊下にこだましそうなくらい大きかった。
「狗巻、棘くん…」
またあなたに名前を呼ばれたい。
所属する呪術高専の生徒中で彼以上に好意的な人はいない。みんなが好きではないという訳ではなくて別の意味の好意。
廊下ですれ違うだけで良いことあったとか思えるくらいのものだ。言葉を交わそうものならその日がハッピー気分。
でも彼は言葉に呪いをのせてしまうから、おにぎりの具材しか語彙がない。お辞儀しながら「こんぶ」とか。「シャケ」とかとか。
「おはようございます」
「……シャケ」
そして今日も廊下ですれ違えた。相変わらず語彙はおにぎりの具だけれど。ちらりと横目で見られた時に目があってしまった。幸せが爆発しそう。良いことあったわ〜。
いつものように今日もすれ違うだけ…と思いきや後ろから腕をツンツンされた。
クエスチョンマークを頭に浮かべて半分は心臓が踊りたしそうなので冷静になって落ち着け〜と唱えてるわたしがいる。
「は、はい?」
「ツナマヨ」
「えっと………ツナマヨ?」
好きです。ツナマヨも狗巻くんも。
ってそうじゃないですよね。
狗巻くんはわたしの膝を指差していた。ああそういうことでしたか。きっと彼はわたしの膝にできた五百円玉くらいのカサブタに疑問を覚えたのだろう。大丈夫です、四日前に祓った二級程度の呪霊から受けたものですから。むしろ怪我なんてして恥ずかしいとさえ思います。
「これはこの間できたものでして、もう痛くもなんとも…恥ずかしいですね」
ハハハと流すが彼の表情は冴えなかった。
「おかか」
(おかかは否定、でしたね?)
「大丈夫です、心配してくださってありがとうございます。狗巻くんは優しいですね」
わたしが大丈夫と笑うとまだ心配そうな表情ではあるが頷いてくれた。なんだか狗巻くんの頬がほのかに赤い気がします。なぜ?
わたしも彼と話してるだけで顔が熱いですが、これは何時もより多く彼と話せているから。こんな至近距離でキレイな顔が見られているから。彼にみられているから。
もっと話したい。でも恥ずかしい。
「それじゃあ…また」
「シャケ」
ぺこりとお互いに頭を垂れる。まだ話していたい気持ちとここに留まったら心臓が持たないから離れたい気持ちが交差していた。
「………ななし先輩」
ほ。
「!?、えっ今の、えっ、呼んだ?」
ほ?!
「シャケ」
彼のキレイな声が私の名前を呼んだから幻聴かとおもい振り返った。しかし目の前の光景を鑑みていやこれは幻聴ではないと悟った。だって彼が茹でダコみたいに顔を赤くして立ってるんだもの。胸が下から上へぎゅぎゅっと締め付けられた感覚が走る。わたしもすごく顔が熱い。
こんなの勘違いしてしまいそう。体中に電気が走ってるみたいだ。もう一回だけ呼ばれたい。呪われてしまってもいい。本望である。
「狗巻くん、もう一回呼んでくれませんか」
「お……おかか」
ポケットに入っている腕を伸ばし顔を横に降った。やはり断られてしまった…。がっかりと肩を落とす。彼は照れ臭そうに踵を返して歩きだした。
「〜〜〜っ、明日なら良い?」
わたしの膝の怪我を心配してくれたりわたしの名前を呼んでくれた。なんでそんなに嬉しい事をしてくれるのかと考えると如何しても都合のいいように考えてしまう。
武者震いのような高揚感を体に感じながらわたしは彼に投げかけた。明日も会いたい、明日も名前を呼んでくれる?駄目元でもいいからと聞いてしまっていた。
「……」
狗巻くんは足を止めたが振り返らなかった。
「……シャケっ」
わたしの心は一気に花が咲いたようだった。なんてなんていい日なんだろう。彼はいつものように具材を言い残すと、走り去ってしまった。
ああ神様がいるならお礼を言いたい。困ってる人がいるなら今なら何人でも何十人でも何百人でも助けてあげられそうだ。胸の高鳴りが廊下にこだましそうなくらい大きかった。
「狗巻、棘くん…」
またあなたに名前を呼ばれたい。
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