実写版トランスフォーマー2007編
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1話
穏やかな日を過ごそうとしていた刀夜は、母親の叔父・冬至に呼び出されていた。
「来たぜ、おじさん」
刀夜は静かに正座して、向かいにいる冬至を見た。
「来たか、刀夜」
「おじさん…俺忙しいんだけど」
「馬鹿者が!!」
傍らに置かれた竹刀を取り、刀夜は瞬時に立ち上がり冬至の竹刀を腕で受けた。
「それだけの力を持っていると言うのに何故人の役に立つ仕事をしない、刀夜」
「…オイ!んなこと言うために呼び出したのか…よ!」
受けとめた竹刀を腕で押し返した。冬至は見事に着地する。
「仕事もしないで、家に居れると思うなよ、刀夜」
「し、仕事って…バイトしてるだろ」
「バイトもたまにしかないだろう。何を考えて大学を中退したんだが知らないが、いい加減に仕事を見つけなさい」
「楽しくもない仕事なんてやりたくもないんだよっ」
「戯けが!!」
冬至は竹刀片手に刀夜に斬り掛かる勢いだ。
「おわっ…ちょ!おじさん!!」
刀夜はバック転して竹刀を交わした。更に後ろから殺気がして、横に避けると床に薙刀が刺さっていた。
「か、母さん!」
「刀夜、我が儘言わないの。好きな仕事につける人なんて一握りよ」
「薙刀の意味なんだったよ!」
エプロン姿の母親は薙刀を抜いて、トンッと床に立てた。
「叔父さん…私が刀夜と話をします。あまり激しい運動をすると体に触りますよ」
「そうだな、そうさせてもらおう」
竹刀を持って道場を出ていった。
母親は薙刀を横に置いて道場の真ん中に座り、刀夜もそれに習って正座した。
「それで、刀夜。あんなに頑張って入った大学なのになんで辞めちゃったの?」
静かに聞く母親に少し臆しながら刀夜は答えた。
「俺のやりたいことと違ったんだ。母さんには悪いけど…」
「貴方のやりたいことは?」
「……今はない。だから、アメリカに行って俺は自分の目標を見つけたいんだ」
「何をやっても続かない刀夜がアメリカに行ってどうするの?」
「う゛…」
「バイトも転々とし、トレーニングも続かない…」
母親は困ったように目を閉じて言った。
「まだわからないだろっ。行くって言ったら行くんだ!」
「……そう。勝手にしなさい刀夜」
母親はため息をついて道場を出ていった。
それから刀夜は荷物をつめてアメリカへの飛行機に乗った。
****
彼の名は雨神刀夜。日本の実家を飛び出し、アメリカに来た。二十歳前の青年だ。少年に拾われて、彼の家にお邪魔している。ご飯まで食べさせてもらった。
「ご馳走様でした」
手を合わせて言った。礼儀はきっちりするようにたたき込まれている。
「刀夜は日本から来たの?」
「はい」
少年、サム・ウィトウィッキーの母親は刀夜の話を聞いて驚いた。
「すみません、いきなり出てきたのでホテルを捜そうと思ってたのですが…手持ちの金がなくなってしまい行き倒れていんです…」
「…だったら家に住めばいいじゃないのか?なあ、ジュディ?」
サムの父ロンはジュディを見た。
「それはいいわね!ロン!」
「って!いいんですか!?あの…っ」
刀夜が言葉を出す前に話は進んでいく。
「確かサムの隣の部屋が空いてたわね、それを使うといいわ!」
ジュディさんは刀夜の荷物を持って二階へ行く。
「刀夜と言ったか?家が見つかるまでここに住むといい」
「だって泊まるとこないんでしょ?だったら家に泊まりなよ」
サムがそう言ってくれた。
「じゃあ…しばらくよろしくお願いします」
刀夜は頭を下げていった。
少しでもウィトウィッキー家の役に立とうと近くでバイトをして過ごすうちに刀夜はそのまま住み着いてしまった。
