実写版トランスフォーマー2007編
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「《…》」
『い、生きてるか刀夜?』
運転席に乗ったまま刀夜は何もしゃべらない。…否しゃべる元気はない。そんな彼を心配してジャズが話し掛ける。
「《生きていられるか!あのトレーラー!俺に殺意あるんじゃないのか!》」
今の状況…。
フーバーダムの正面入り口を破壊し、強行突破で侵入した。猛スピードでフーバーダムの中を駆け抜けている。
『同感だ… 刀夜』
…オプティマスのいい考えは当てにしないでおこう…。
刀夜は心にそう決めた。
猛スピードで走れば人間は近寄ってはこられない上に、ミサイルなどでは狙いにくいのか皆避けていくだけだ。
「《よし、バンブルビーの反応を感知した。…え、移動中!?》」
『どうするんだっ、これ以上行けば壁にぶつかるぞ』
「《そんなこと言われても!》」
どうすればいいか模索している間に壁は目前に迫っていた。
「《おい!ぶつかる!》」
『こんなとこで死にたくねぇぞ!』
「《それはこっちも同じ!壁をブチ破れ!》」
『破れって…!』
ジャズは慌てながらもパルス砲を壁に発射した。
見事に壁に穴が開き、ジャズは穴に突っ込んだ。
ブレーキをかけてもすぐには止まらない。
ジャズは刀夜を外へ放り出してトランスフォームする。
「《ちょっ…!》」
刀夜が宙を舞う。
『刀夜!』
ジャズが手を伸ばすが刀夜は離れていく。その先には…
『オールスパーク!!』
「刀夜⁉︎ジャズ!?」
他の声がした。サムとミカエラとセクター7の関係者がいた。
ジャズは地面に着地し、刀夜は巨大なキューブにぶつかる寸前意識が謎の光に包まれた。彼の体はゆっくりと地面に降りてきた。
―これは…
以前、オプティマスが見せてくれた映像に出てきた彼らの母星サイバトロン。
戦争で荒れ果てた星。戦場に一人のトランスフォーマーが立っているのが見える、その姿を見て強烈な既視感を覚えた。
―懐かしい…そうだ、俺は…
心配したサムが、刀夜に触るとビジョンが流れてきた。
サムとミカエラの声で刀夜は現実へと引き戻された。
「刀夜!」
「刀夜、大丈夫!?」
「あ、ああ…」
『刀夜!大丈夫か?悪い…』
「《ジャズ…大丈夫。気にするな》」
返事しながら刀夜は起き上がる。
周りを見渡せばセクター7や軍人たちがいた。全員驚いている。
「雨神刀夜⁉︎」
「あ!お前!」
サムの家に押し入ってきたあのセクター7の男と目が合う。
「待って刀夜今は…」
サムが止めに入るが言葉が止まった。
「刀夜!髪が…」
ブロンドの髪の女性が刀夜を示して言う。
「あの時と同じキューブのエネルギーだわ」
刀夜の体には電気を浴びたときのようにピリピリとキューブのエネルギーが流れていた。その時の刀夜手にあるiPad、刀、ポケットのiPhoneがカタカタと揺れだした。
「いってー!」
iPhoneとiPad、刀を投げると床に落ちる。
それらは音を立てて形を変え始めた。
iPhoneとiPadは小さなトランスフォーマーに、刀は何も変わらなかった。
「これは!先ほどのノキアと同じだ」
白髪の人が声を出した。
「国防長官!?」
刀夜が驚くが、小さなトランスフォーマーたちが刀夜を見た。
『刀夜!』
『刀夜!』
『どうやら、刀夜のことを主人だと認識できたらしいな』
ジャズが彼らを見ていった。
「そ、そうなんだ…」
小さなトランスフォーマーたちは刀夜の肩に乗る。
「そうだ!刀夜大変なんだ!メガトロンがここに居て、ディセプティコンがキューブの在りかをかぎつけられたんだ」
サムが大事なことを思い出す。刀夜の突然の登場に驚いてすっかり忘れていた。
「な、メガトロン!?バンブルビー、キューブを小さくして!」
バンブルビーが頷いてキューブに近づき触れた。
オールスパークは変形を繰り返し、小さなキューブになった。
「35キロ先に街がある。キューブを町に隠す、そのためには空軍の応援が必要です」
軍人が言う。
「ここには短波無線か何かあるだろう?」
国防長官が無線の有無を聞く。
「何とか軍と連絡を取ってください!」
軍人と国防長官の会話を横にバンブルビーが車に変形する。
「サム、キューブをしっかり持ってろよ」
「え、刀夜じゃないの?」
『俺と刀夜は戦わなきゃいけない』
「大丈夫さ、オプティマスたちも合流する」
「う、うん…」
サムは自信無さそうに頷いてバンブルビーに乗った。
「えっと、あんたは…」
さっきの軍人二人が声をかけてきた。
「雨神刀夜、よろしく」
「刀夜か、レノックスだ」
「エップスだ」
手短に自己紹介をすませ、戦闘準備に入る。
刀夜は腰の日本刀に触れて、ジャズに乗り込んだ。
