実写版トランスフォーマー2007編
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4話
黄色いカマロのロボットに連れて来られたのは人気のない建物の裏だった。黄色いカマロが止まり、三人は車から降りる。向こうの道からはピータービルト・379、三人の後方からは救急車仕様のハマーH2、ポンティアック・ソルスティス、GMトップキックC4500 4WDクルーキャブが走って来る。その場の車両は三人を取り囲んで一時停止してから奇妙な機械音を立てて形を変え始めた。数分もしないうちにそこには五体のロボットが立っていた。
トレーラートラックから変形した青と赤のカラーリングのロボットが背を低くして問うてきた。
『アーチボルト・ウィトウィッキーの子孫サミュエル・ジェームズ・ウィトウィッキーはお前か?』
「あ、ああ…」
『わたしはオプティマス・プライム。惑星サイバトロンからやって来た金属生命体だ』
「サイバトロン?」
聞き慣れない言葉のはずだが刀夜には何かが引っかかる。
『オートロボット…オートボットと呼んでくれ』
救急車のトランスフォーマー が言った。
「オートボット…」
サムが小さく繰り返した。オプティマスは刀夜の目を見た。ばっちり目が合った刀夜は驚いた。
「…な、何か」
『君のその目の色は生まれつきか?』
「刀夜、俺は雨神刀夜だ。目は生まれつきだ、カラコンじゃないぞ」
『…そうか…』
『オプティマス、その地球人があいつなわけがない』
『ふむ、地球のインターネットに載っていた輪廻転生というのか。サイバトロンでは聞いたことがない』
『エネルゴン反応があるわけじゃない、偶然じゃないのか』
シルバーのロボット、救急車のロボット、黒いロボットが後ろから言った。
「…えーっと?目の色のこと皆に聞かれるけど、宇宙人に聞かれたのは初めてだ。それが何か」
「それ本当だったの?ずっとカラコンだと思ってたよ」
サムが驚いたように言うと刀夜は肩をすくめた。
『亡くなった友も同じ目の色をしていたのだ。刀夜、すまない』
オプティマスが静かに言ったので刀夜は彼を見た。
「…いや…別に怒ったりはしてないけど…。いやそれより普通に会話できてるのが不思議なんだけど」
刀夜は戸惑いながらサムに言った。
「なんでそんなにしゃべれんの?」
『地球の言語をインターネットで通じて学んだのだ』
「ということは日本語もできるの?」
『もちろんだ、他の国の言語も習得した』
刀夜がオプティマスを見上げると彼は頷いた。
『よう!ここ結構いいところだな!』
『我が軍の将校、名称はジャズだ』
ジャズは楽しげに言って体をくねらせてダンスし、廃車の上に座る。オプティマスはそのまま流れに乗って仲間を紹介してくれた。
『武器のスペシャリスト、アイアンハイドだ』
『今日はツイてるかい、あんちゃん』
アイアンハイドは両腕のキャノン砲を起動して三人に向けた。
『よせアイアンハイド』
オプティマスが止めに入る。
『冗談だ、俺のキャノン砲を見せたくてな』
自慢の武器を見せたくて彼は少し昂っていたようだ。
『軍医のラチェットだ』
ラチェットは匂いを嗅ぐ仕草をする。
『フェロモンレベルから察すに彼は女性と交尾を望んでいる』
「そ、そんなことわかるの…」
刀夜がドン引きしてサムを見た、ミカエラも気まずそうに咳払いしている。
『君のガードマン、バンブルビーだ』
黄色いカマロのバンブルビーはシャドーボクシングをしている。
「僕のガードマンだって?」
バンブルビーは頷いた。
「だからサムのそばにこっそり現れたりしてたのか」
『彼は声の機能が損なわれていて、まだ修理できていなんだ』
ラチェットはライトでバンブルビーの喉元を照らした。ミカエラはオプティマスを見上げ、緊張しながら聞いた。
「何故、地球に…?」
『オールスパークを探しに来たのだ。メガトロンより先に見つけねば』
「オール…スパーク…」
何故か引っかかる単語だった、その単語は刀夜の中に深く刺さった。
「メガ何?」
サムが聞いた。
『我々の惑星はかつては強大な帝国で平和を保っていた』
足元が割れる、オプティマスは昔の記憶をホログラム映像のように周りに映してくれる。
『だがディセプティコンのリーダーメガトロンが反乱を起こした。歯向かうものはすべて破壊された』
赤い目のトランスフォーマーが後ろから仲間を撃った。
「…戦争の中…オールスパークも宇宙へ消えた?」
後の展開を予想した刀夜が口を開いた。
『メガトロンもオールスパークを追って地球へ渡った。だがメガトロンは地球に墜落してオールスパークを手に入れ損なった。そこでアーチボルト・ウィトウィッキーと遭遇した。彼は測らずも我々の運命に巻き込まれた』
サムの曽祖父は氷河の穴に落ち、その先で凍ったメガトロンに遭遇する。
『彼は偶然にも…ナビゲーションシステムを起動してしまった。オールスパークの位置は彼のメガネに記された』
「メガネ、どこで知ったの?」
『イーベイだ』
「ネット…!」
「いや…本当に器用だな…!」
地球に来てすぐネットサーフィンを取得した宇宙人に刀夜も思わず感心する。
「え…っとそのメガトロンはオールスパークを手に入れて何する気だ?」
『メガトロンがオールスパークを手に入れれば地球上のマシンをトランスフォームさせ新たな軍団を作り上げるだろう』
ラチェットが答える、
『人類は奴らに抹殺されるだろう。人類の存亡は君にかかってる』
オプティマスが言い、ミカエラはサムを見る。
「そのメガネ持ってるわよね?」
ミカエラと刀夜、オプティマスたちは一斉にサムを眺めた。
