2話 ワンダーブリッジの幽霊
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前日の少女のことが気になって目の前の書類に集中できない今日この頃。
実は夜も眠れなかった。怖かったわけじゃないんだが。
ローテーショントレインの完成はまだだが、それに関しての書類がある。でも今は昨日のことが気になる。
まさかとは思うが…ワンダーブリッジの幽霊と関係あるのか?
こうしている間もライチは膝で寝ている。
傍にいたクダリが進んでいない俺の手を見る。
ノボリはトレインのバトルに行っていて今はいない。
「全然進んでないよイズリ」
「わかってるよ…。クダリ、これ期限まだだよな?」
「そうだけど…どっか行くの?」
眠っているライチを座っていた椅子に残して立ち上がる。
「気分転換してくる。帰りまでには書類書いておくから」
「わかったよ」
クダリに軽く手を振ってオフィスを出る。
昨日、少女のいた場所に行くがやはりそこにはいなかった。
ため息をつく。モヤモヤ解消にはならなかった。
とりあず、他のホームにも行ってみる。
カナワタウン行きの乗り場でついに少女を見つけた。ホームの縁に立って向こうの壁を見つめている。
アナウンスがトレインが来るのを知らせる。
彼女は今にも倒れそうだ。危ないと思い、俺は駆け寄って少女の腕を掴んだ。
掴める…?やっぱり…人か?
「あ、おい…っ」
掴んだかと思ったら少女は前にみたいに消えた。
聞きなれた鳴き声がした。
「ライチ…?」
振り向くと相棒は血相を変えて走ってきた。
「イズリさん!危ないですから線の中へ!」
その場にいた駅員も驚いて叫んだ。俺が線の中へ入ったとき電車がギアステーションに入ってきた。
「どうかされたのですか!?」
ちょうどシングルトレインから出てきたノボリが俺に駆け寄ってきた。
「…今そこに女の子がいたんだ…」
「女の子…でございますか?」
ノボリはあたりを見渡して俺を見た。
「幽霊だったのか、ゴーストタイプのポケモンだったのはかわからない…」
「幽霊ですか?ワンダーブリッジの話でしょうか…」
「悪かったノボリ…」
「いえ、何事もなくてよかったです。オフィスへ戻りましょう」
違和感を抱えたまま、ノボリとオフィスへ戻り残りの書類を片付ける。
ノボリとクダリと別れて、ギアステーションを出る。
「………ブリッジの話だが…」
「ああ、作戦が下った」
路地裏でいつかの怪しげな風貌をした連中が2、3人こそこそと話していた。よく見るとどっかの国の騎士のみたいだ。
息を潜めて奴らの話を聞く。
どうやらワンダーブリッジの幽霊話と関係あるらしい。
何をする気だ…?
「例のマシンが届いた。ワンダーブリッジに行き、作戦を実行する」
連中は移動する。
「行くぞ、ライチ」
歩き出そうとするが、ライチはまた裾を加えて行くのを阻止する。
「どうしたんだよライチ…」
かがんで相棒の頭を撫でる。ライチは頭を強く振っている。
「大丈夫だ。お前が居てくれるだろ?」
ライチは俺を見上げる。
「このままだと地下鉄に影響がでるかもしれない。嫌なら、ノボリたちのとこに居てもいいぞ」
立ち上がり、ワンダーブリッジに向かって歩き始める。
すると、小さな足音が聞こえた。
「なんだ来るのか」
ライチが隣を歩いていた。
遊園地を通り越し、ライモンシティを出た。
日が沈み、ワンダーブリッジはライトアップされる。される。幽霊が出ると噂なのでそれも余計不気味だ。
ライチの耳が微かに動く。ライチと見合わせて歩き出す。
大きな音を立てないように慎重に進む。エレベーターの手前であの騎士の格好をした連中を見つけた。大きな機械を囲んでいる。
「あの幽霊がポケモンか、捕まえて調べる。ポケモンだったら我々が捕獲する」
「よし、作戦開始だ」
「なるほど、それが作戦か」
ライチが一番に飛び出した。
「な、お前はギアステーションにいた奴!?」
俺を見た一人が驚く。
「なんだお前は!我らプラズマ団の邪魔をしにきたのかっ」
「あの幽霊が何だか知らないが、もしポケモンだったら、お前ら何をしようとしてる?」
「お前に教えることは何もない」
「作戦の邪魔をさせるわけには行かない。こいつを食い止める」
「我々は作戦を遂行する」
「あ、待て!」
追おうとするが残った一人によってよって阻まれた。
「追うならこのおれを倒してから行け!」
プラズマ団と名乗る相手はモンスターボールを投げる。
メグロコか!
「ライチ、行けるな」
答えるように前に出て、毛を逆立てる。
「メグロコ!“かみつく”」
メグロコが大きな口を開けて突進してくる。
「ライチ、“アイアンテール”」
ライチの尻尾が鉄のように光り、メグロコを跳ね飛ばす。
一発でノックアウトしたメグロコは延びている。
悔しがっている団員をスルーしてエレベーターで上に上がる。
上階で、先に上がっていった団員を発見。そこにはあの少女もいた。
「お前らやめろっ」
「な、もう倒しただと!?」
「くっ…まだ作動しないのか!」
機械はまだ作動していないようだ。
「好き勝手させてたまるか。“サイコ…」
ライチに指示をしようと声をだしたところ…機械が動き出した。
「危ない!!」
少女を庇うとモンスターボールのあの光りが俺を包んだ。
そこで意識が途切れた。
