1話 始まりの朝
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イッシュに朝がやってきた。
このイッシュの地を数年ぶりに踏んだ者がいた。
シンオウ地方からポケモンに乗り、空を飛んで、郷のカナワタウンの駅に帰ってきた。
「久しぶりだな、イッシュ地方…カナワタウン」
肩に乗っているエーフィのライチは俺を見る。
「俺の故郷だよ。ライチは初めてだよな。さ、家に帰るぞ」
そうライチに答え、家に向かって歩き出す。
俺は、一度イッシュ地方を旅し、二年半ほどジョウト、シンオウ地方で修行をして先程帰郷したのだ。
「お、イズリじゃないか!久しぶりだな」
駅員の人達が声をかけてくる。
「お母さんたち、心配してたぞ」
「お久しぶりです!今帰りました」
イズリが軽く一礼して挨拶を返す。
町の住民も声をかける。
「イズリ!聞いたぞ!イッシュリーグ出場したんだってな!」
「優勝したんですってね!おめでとう!」
カナワタウンに来る前、イッシュ地方の四天王を倒し、チャンピオンに挑んで勝利した。小さな街なのでそんな情報もすぐに広まる。
囲まれながらも家に着く。
「た、ただいま…」
恐る恐るドアを開けて玄関に入る。
出迎えたのは母のグレイシアと父のガーディ。二匹は俺だと認識すると飛び付いた。
「アハハ…くすぐったい!グレイシア、ガーディ、久しぶり」
両手でグレイシアとガーディの頭を撫でてやる。ライチは驚いて飛び退き、見知らぬポケモンに警戒していた。
「ライチ、こいつらは友達だ」
ライチは俺を見てグレイシアとガーディに近づく。三匹は何か話している。
「もーう…騒がしいわよ…!」
声とともに母さんが玄関に来ると、俺の姿を見て驚いていた。
「イズリ!貴方…!お父さん!ちょっとお父さん!… イズリが!」
奥にいるらしい父さんを呼ぶと、すぐに玄関にやってきた。
「た、ただいま…母さん、父さん…」
「イズリ、よく戻ったな」
父さんは頭に手を置く。
「お帰りなさい、イズリ」
家に上がり、中を見渡しやっと我が家に帰ってきたんだなと実感する。
荷物を下ろし、風呂に入り、ごはんを食べてゆったりした。
「イズリ、このエーフィ…とてもよく育てられているわ。しかも女の子ね」
母がライチを見て言う。
「イズリ、お前チャンピオンを倒したらしいな。お父さんにもその修行の成果みせてくれ」
「お父さんがやるのなら、わたしも加わるわ」
母さんが立ち上がり、モンスターボールを構える。
「はいはい…二人ともああなると止まらないんだよねぇ…」
ため息をつきながら庭に出る。
「わたしとお父さんはグレイシアとガーディよ」
「じゃあ…俺は…」
俺が何を出すか考えていると、ライチがアピールしてくる。
「あら、あの子よっぽどバトルに出たいのね」
母さんがライチを微笑ましそうに見る。
「今回はライチは待機な。よし!出動だ!クロナ!ミズキ!」
モンスターボールから出たのはガブリアスとオーダイル。ライチはがっかりしてクロナを睨んでいる。当のクロナはライチを鼻で笑っている。
やれやれ、この二人には困ってんだよな…。
「ほぉ、ガブリアスにオーダイルか。炎タイプに水タイプは効果は抜群。だが、地面タイプではどうくるかな」
流石は父さん…俺が正攻法できても動じないとは…。
さて、どうするか…。
「こちらから行くわよ!グレイシア、“こごえるかぜ”」
グレイシアが先制攻撃をしかけてくる。
クロナとミズキは指示なしに避ける。
流石、よくわかってるじゃないか。
「油断するな!ガーディ!かえぐるま!」
父さんのガーディが間を開けず攻撃してくる。
「クロナ!“あなをほる”。ミズキ、“みずてっぽう”」
クロナは地に潜る。ミズキの“みずてっぽう”と“かえんぐるま”がぶつかり、煙をあげる。
「気を付けて!地下から来るわ」
母さんが呼び掛ける。
「遅いよ!“ドラゴンクロー”」
グレイシアの丁度真下からクロナが飛び出し、“ドラゴンクロー”が炸裂。
グレイシアはダメージを受けて倒れる。クロナは俺の前に戻ってくる。
「やるじゃない!イズリ」
「ただ、旅してないからね!」
「ガーディ、“だいもんじ”」
“だいもんじ”がミズキに当たる。
しまった!
ミズキはその場に倒れる。
「油断するなと言っただろ」
父さんがため息をはく。
ミズキがすぐに立ち上がる。
父さんはびっくりしている。フフフ…
「ミズキの特性のお陰だね。ミズキ!連続で“きりさく”」
ミズキがガーディを追い詰める。
グレイシアが起き上がっている。クロナが次の指示を求める。
「反撃よ、グレイシア!“れいとうビーム”」
グレイシアの口から青色の光線が発射される。
「決めるぜ!クロナ、“ドラゴンクロー”!ミズキ、“みずてっぽう”」
クロナの“ドラゴンクロー”が“れいとうビーム”をかき消した。
ミズキの“みずてっぽう”が致命的になったのか、二匹同時に倒れた。
「…頑張ったわね、グレイシア」
母と父はそれぞれ声をかけながらモンスターボールに戻す。
「なるほど、よくわかった。イズリ、いい旅だったようだな」
「そうか…。これで二人と肩を並べられる」
俺もミズキとクロナをモンスターボールに戻す。クロナを戻さないと、ライチと喧嘩を始めるからな。
「イズリ、ノボリくんとクダリくんが会いたがっているわよ」
ライチを撫でている母さんが、俺に言う。
そうだ、あいつらに会わなきゃ。
「行ってくるよ!ライチ!」
名を呼ぶとライチはすぐに飛んでくる。モンスターボールからクロナを呼び出し飛び乗って出発!
