9話 地底の戦い前編
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その夜にも被害者は続出した。
ホドモエ、フキヨセ等にもその三人組は出現した。
いよいよ、ライモンシティも危なくなってきた。白昼堂々の襲撃もあるようで、今日のギアステーションのお客さんは少ない。
こりゃ昼間までにはギアステーション終業か…。
「今日のお客様、少ないですね…」
ノボリが残念そうに言う。
お客さんが少ない=バトルできない、って感じかな。
「あの事件のせいで…」
「ええ、ライモンシティも危なくなりましたし、今日はいつもより早めに終業でございますね」
「そうだな…」
「あの…」
誰かに声をかけられて、振り返る。
「3人目のサブウェイマスターですか?」
服的にベテラントレーナーのお姉さんだ。
「そうだが?」
「バトルをお願いします」
バトルかぁ、直接頼まれたのは初めてだな。
「ノボリ、後任せる」
「はい、お任せください」
ノボリに任せて、使われていないトレインへ向かう。
後からクダリがやってきた。
「ノボリ兄さん…あれ?イズリは?」
「バトルを申し込まれて一緒に行かれました」
「そっかぁ…」
クダリがつまらなそうに呟く。
そこへ黒い二つの影とヘルガー、オドシシ、シキジカ、メブキジカ、ギガイアスなどが囲んだ。
「どうやらギアステーションにもいらっしゃったようですよ、クダリ」
「しかも朝からだよね」
二人が構える。
『サブウェイマスターか』
『分断に成功したね』
敵はフードを深く被っていて顔はよくわからないが…。
「ノボリ兄さん、あいつらに尻尾が見える」
クダリに言われ、ノボリも尻尾を発見した。
「わたくしにも見えました。何やら訳ありの方たちのようです」
『お前たちはここで倒すっ』
「わたくしたちはサブウェイマスターです。簡単には倒せません」
『さあて、どうかな?』
嘲笑うような言葉が出る。
「イズリは大丈夫かな…」
クダリはイズリを心配した。
使っていないトレインに乗り込むと、車内ははバトルフィールドに変わる。
電車が動き始め、どんどん、加速する。
『では始めよう?』
女性は振り返って不気味な笑顔で言う。よく見ると顔には傷と不思議な模様がある…。
言葉も何か変だ…。
「ま、まさか…っ」
ライチは毛を逆立て低い声で唸る。
俺の後ろからミルボックが現れて“あやしいひかり”でライチを混乱させた。
「ライチ!」
ライチはふらふらしていて覚束ない。ダメだ、バトルできないっ。
『今更気付いた?もう遅いわ』
煙が当たりを包み、相手が見えない。
まさか、あの女性が三人組の一人だったとは!
『貴方のポケモンたちいただくわ』
腰のベルトがなくなっている!な!盗まれたっ!
「ま、待て!」
ライチを抱えて、前の車両に入る。
「くそ!」
前の車両に幾度に、ガントル、エモンガ、ナゾノクナ、ズルズキン、キリキザンなどが襲ってくる。
くそっ、反撃できない!
電車がカーブに差し掛かるため、慣性の法則でバランスを崩した。
「やばっ」
転んだ俺にキリキザンが切りつけてくる。切り傷はつくわ、痣で痛いわ…で身体中痛くなってきた。ライチはまだ混乱している。この状況を打開できる策はない…って、ポケットにモンスターボール?
あいつだな、戦闘には出せないからいつもポケットに入れていた。
ダメだ…シフでは…ダメだ。怖がっていてバトルにはならない。
あの女に先頭車両で追い付く。
「返せ…そいつ、は、お前たちプラズマ団の言うことを聞くよう…なポケモンじゃない」
息を切らして言う。
『随分と自信があるのね。でもポケモンたちはどう思っているかしら?』
確かに言葉がわからないら、真意は聞けない。
女は続ける。
『私たちはプラズマ団ではない。ただ借りがあるから協力しているだけ。私たちライトニングはトレーナーやブリーダーを襲うだけよ』
突然電車は緊急停車する。手すりに掴まり倒れないようにした。
この電車もすでに細工がされていたか。
『死になさいな、グレーのサブウェイマスター』
「死んでたまるか!」
『本当は貴方のこと、調べたいけど生きていると邪魔なのよね。だから私が殺してあげる。ハガネール!』
電車の外にハガネールが居た。“アイアンテール”で地面を叩くと、どんどん、ひび割れていき電車ごと落下した。女とポケモンたちは脱出する。
俺も落ちる電車から這い出る。
「ライチ!頼む、“サイコキネシス”だ」
混乱しているせいか、技は出ないか…。
暗闇の地底へ落ちていくしかなかった。
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