9話 地底の戦い前編
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気づけば暗闇の中。地の底に倒れていた。ライチが“サイコキネシス”を使ってくれたのかなんとか生きていた。
それでもライチはまだ混乱している。何でも治しを探すが、傷薬類も盗られていた。
急に明るくなる。ドーミラーのフラッシュだ。色んなポケモン出てくるな。
『残念、死んでなかった』
ポケモンたちが俺を囲み、逃げ道がない。
アリアドスが“どくばり”を打つ。
ライチに当たらないように庇うと背中に刺さった。
「いった!」
思わず、叫んでしまう。
ナゾノクナが“しびれごな”をまく。ライチに被らないようにコートで防ぐ。だが、自分が麻痺した。
ポケモンのこういう技って人間にも効くののか、と感心する。
身体中が麻痺して、痛くなってきてその場に倒れた。くそぉ…これ何度目だ。こんな地底じゃ無線も使えない。
マジでやばい…。
『ポケモンたちのことそうやって捕まえるでしょ?よくわかった?』
ああ、そうだよな。なるべく体力が少ないほうが捕まえやすいから。
「で、プラズマ団じゃないなら何がしたいわけ?」
『ポケモン解放』
「一緒じゃないか」
『違うわ、あんな人間と同じにしないで!ポケモン解放とは、人間の上にポケモンが立つこと。つまり、ポケモンがこの世界の支配者になることよ』
は?ポケモンが世界の支配者?
「ポケモンが?そのためにプラズマ団と組んでいるのか」
『ええ、プラズマ団はいいものを開発してくれたわ』
女はモンスターボールに似たものを見せる。
『貴方がワンダーブリッジで捕まったあの機械の完成版』
「な、あの時のか!」
ワンダーブリッジの機械の完成版だと!?
『あの時は魂だけだったけど、今度は体ごと収まる。私たちライトニングはポケモンを解放して、人間たちを飼う。そのためにはイッシュを、焼き払ったゼクロムとレシラムがいるの』
人間を飼う!?ポケモンが…?
今までと逆になるというのか…。
『博物館からはライトストーンを盗み出すことに成功した。けどダークストーンは、見つからなかった』
ポケモンたちが騒ぎ出す。
『彼らは貴方に強い力を感じると言っているわ。だから』
異様な模様のモンスターボールが大きくなる。ま、まさか…俺ゲットされるのかっ。
「逃げる…っ」
麻痺と毒で体がうまく動かない。
やっと立ち上がり、コートに、繰るんだライチを抱いて、ポケモンたちを振り切って逃げる。
『そんな体じゃ逃げられないわよ』
ポケモンたちは散り散りになって探す。
暗くてまったく見え…な!
また倒れてしまった。
動け!動け!体ぁぁぁ!
やっと見つけた窪みに隠れる。ドーミラーのフラッシュが近づいてくる。
「頼みの綱はシフだけか…」
ボールを投げると、ペンドラーが出てくる。今は信じるしかないんだ。
「シフ、なんとか出口を見つけてノボリたちに伝えてくれ」
頭の触覚が下がる。怖がるといつもこうなる。
「頼む。お前だけが頼りなんだ、大丈夫、できるよ」
頭を撫でてそう言い聞かせる。
「信じてるシフ」
シフは大きな体を上げて暗闇に飛び出した。その後、ドーミラーに見つかった。
マタツボミの“つるのムチ”で両手を縛られた。なんなんだ、こいつら…女の指示じゃなくて自分たちの意志で動いてるみたいだ。
『貴方のエーフィ、とても混乱しるわね。よほどミルボックのが強かったんだ。さあ、お別れしなさい、エーフィ』
ライチは俺のほうへ向いている。
混乱しているため、いつ間違って攻撃してくるかはわからない。
「ライチ…」
まさか、最後は相棒に殺られるとはな…情けないトレーナーだ、俺は。
あ~、眠い…毒が全身に回ってるし、麻痺して身体中が痺れてる。
…ライチが攻撃してきたなら…きっと今まで俺が苦しめたことを怒っているんだろう…。
ライチはよろよろと歩いてくる。
ポケモンを閉じ込めて戦わせることは間違っていたんだろうか…。バトルはポケモンとの絆を深めるとか名目ついてるけど、本当は人が楽しむためのものだった?
Nの言葉が脳裏を過った。
女が模様がついたモンスターボールを向けた…
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