4話 遊園地での運命の出会い
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ワンダーブリッジの事件のあと、イズリは休暇をもらい、今は自宅。私は彼の寝ている胸の上に座っている。
あの後、幽霊少女がどうなったのかはわからない。
それはいいとして…。
ゴツンっ…。
何かが私の頭に当たった。当たったってレベルじゃない!
『いてぇ…んだよ…』
「痛いよぉ…」
目の前の人物を見る。
……………………………………………………………あれ、私だよね?
目をこすってもう一度見る。あ、あれ?手が変…?
向こうの私らしき人物も動かしずらそうに手を見ている。
私も手を見る。人の手?…ウソ!!
猫の手で顔を触る。
「『えええー!』」
同時に叫ぶ。
なんで、入れ替わってる!イズリと!!
「…ど…」
イズリが私の口に小さい手を置く。
必死にジェスチャーで「お前はしゃべるな、受け答えは頷くだけにしろ」と伝えてくる。
私は頷いて答える。
イズリは慣れない体で何かを探す。
メモとペンを持たされる。
口でペンを加えてガタガタな字を書く。
《入れ替わってしまったのはしょうがない。今日は声が出ないということに》
私は理解してまた頷く。
迷惑かけないようにしなきゃ。
でもせっかくなんだから!
「ライモンシティ…行く」
は、何言ってんだよ!
《×》
メモにそう書かれる。
「えぇ…ライモンシティいきたいの」
嬉しいデートだわ、中身が逆じゃなければだけど…。
またイズリはペンを走らせる。
《わかったから、ごまかしきれなかったらしゃべってもいいが女口調はダメだ》
やったぁ!でも口調を真似るのは難しいわ。
イズリと約束をして、ライモンシティ行きの列車に乗る。
ギアステーションを出るとライモンシティの入り口で老人とプラズマ団がの二人ともめている。デートなのに…もぅ…。
「じいさん!あんたが育て屋ってのは知っているんだ!」
「なんだってオレたちプラズマ団だからさ!オレたち人のポケモン奪ってやるよ!」
「育て屋といったら色んなポケモン預かってんだろ。それをオレらによこせ」
まーたプラズマ団?あいつら嫌い。
私たちに気付いたプラズマ団のしたっぱは慌てた。
「エーフィ!?お前は噂のトレーナー!」
「ま、またプラズマ団の邪魔をするのか!」
老人は助けを求めてくる。
イズリの体でモンスターボールを構える。
モンスターボールって意外と重いのね。
「邪魔だてすると言うならお前のポケモンを奪ってやる!」
一人がモンスターボールからミルホッグを繰り出す。ミルホッグか。
イズリはミルホッグが外に出た瞬間、“サイコキネシス”の技を出す。そして“みらいよち”を仕掛ける。
ええ、まだ立ち上がるのー。
「ミルホッグ、“にらみつける”」
あの技は攻撃を下げる。けど、そんなのじゃ私たちは止められない!
“アイアンテール”をミルホッグに叩きつける。さっきダメージもあってか、ミルホッグはノックアウトした。
次に出てきたヤブクロンも仕掛けていた“みらいよち”が命中した。
負けたプラズマ団は遊園地へ逃げた。
「ありがとう、トレーナーさんや」
おじいさんが礼を言う。
メモに《気を付けてお帰りください》と書いてみせて、一礼して遊園地へ走った。
逃げたプラズマ団したっぱを追いかけて、遊園地に入る。遊園地だぁ!
ジェットコースターとか乗りたいなぁ。…ってしたっぱ探さなきゃ。
…大きな体だなあ…イズリの体…って、視線も高い。イズリの目線っていつもこんな感じなのね。
高いところも取るし、すごいなぁ。
観覧車の前に帽子を被った緑色の髪をした青年がこっちを見る。なんだろ…。
「…君のポケモン…今、話していたよ」
話していた?確かに私たちポケモンは話すけど…。
イズリは青年を見ている。
「…あ、ああポケモンは話すよ」
私は頑張ってイズリの口調を真似て答える。慣れない…。
「そうか、キミには聞こえるのか。ならば、わかるはずだ、ポケモン図鑑…それを完成させるため幾多のポケモンをモンスターボールに閉じ込める。ボクもトレーナーだが、いつも疑問で仕方ない。ポケモンはそれでシアワセなのかと」
ポケモン図鑑は見たことがある。モンスターボールに閉じ込めるって嫌味な言い方ね。
人と居ればポケモンの世界は広がる。ポケモン自身も人も成長できるのに。一緒にいることはすばらしいことだし、イズリと居ることは私の幸せでもあるの。
青年は私もといイズリを見る。
「…………そんなことをいうポケモンがいるのか…!」
青年は驚いている。
変わった人。でも本当にポケモンのことわかるみたい。
「プラズマ団…」
話し込んでいる場合じゃなかった!あいつらを追わなきゃ!
私が怪しまれないように呟く。
「プラズマ団なら…遊園地の奥に逃げていったが…」
青年は周りを見て、イズリもとい、私に向き直る。
「居ないようだ。観覧車に乗って探そう。ボクは観覧車が好きなんだ」
わ、私のイズリと!私だってまだ一緒に乗ったことないにぃ!
彼は有無を言わさずに私たちを観覧車に連れていった。
観覧車のゴンドラがだんだんと上がっていく。
わぁ、高い高い!
「ボクはN」
「イズリだ」
Nの自己紹介に私も答える。
「キミのことは聞いてるよ、イズリ。プラズマ団で噂になっている」
何故知ってるの?アンタ…まさか…。
「ボクがプラズマ団の王様だからさ」
やっぱりそんなのだと思った。
イズリはむせてる、驚いたみたい。
「ワンダーブリッジのことや、さっきのことも聞いてるよ」
ボスと会っちゃった…私たち連れてかるのかな。
「ボクはポケモンというトモダチのため、日夜戦っている」
プラズマ団といえば“ポケモン解放”を掲げる悪党よね…。解放とか言うけど、それだけじゃない気がする、きな臭いわ。
「ポケモンは未知の可能性を秘めている。それをモンスターボールに閉じ込めて、お互いを戦わせる。…ほら、バトルサブウェイ、ボクはあそこが嫌いだ…早くポケモンを解放しなくてはポケモンが傷つくばかりだ」
バトルサブウェイのこと悪く言わないで!イズリが大切に思ってる場所よ!
「ポケモン解放は、本当にポケモンたち自身が望んで、いるのか…」
私は抑えてそう聞いた。
元の体ならバトルでボコボコにしてやるわよ!
「キミは変わったことを言うね、まるでポケモンになったみたいだ」
てか、ポケモンですけど?
「望んでいるさ、一番苦しんでいるのはポケモンたちだからね」
私はイズリの傍がいいの!
そうこうしているうちに、一周が終わりNと観覧車を降りる。
案外、早いわね。
「ボクはキミが気に入ったよ、イズリ。また会おう」
Nはそう言い残して遊園地を出ていった。
Nの背中にべーとしたを出してやる。
ギアステーションに行き、お腹が空いたので、駅でご飯を買った。電車に乗り、カナワタウンへ向かう。
イズリの両親に顔を見せて、部屋へ行きベットに入る。
明日のことは考えず、私は目を閉じた。
