エピソード3 ルグニカ平野からベルケント
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宿屋に入るとノエルとアッシュが待っていた。
「ノエル!無事だったのか!」
ルークがノエルに駆け寄る。
「はい。アッシュさんに助けて頂きました」
「アッシュに…?」
ちょっと意外だったのかルークはアッシュを盗み見る。
「ただアルビオールの飛行機能はダアトで封じられてしまいました」
「どういうことなの?飛べないならどうやってここに…?」
「水上飛行は可能だったのでそれでなんとか」
首を傾げていたティアもそう聞いてなるほどと納得した。
「飛行譜石を取り外されてしまったから現状船と変わらないんだ。…アッシュ、その本は?」
ニッドはアッシュが手に持っている本を示した。
「イオンからこれを渡すように頼まれた」
彼はジェイドに本を渡した。ニッドもジェイドの横から表紙を確認する。
「創世暦時代の歴史書…」
「ええ、その上ローレライ教団の禁書です」
「禁書って、教団が有害指定して回収しちゃった本ですよね」
「それもかなり古いものだ」
「これは俺も手伝うよ」
ニッドが中身をパラパラと開いて僅かに顔を歪めた。
「あんたらに渡せば外殻大地降下の手助けになると言っていた」
「…ニッドに手伝ってもらったとしても読み込むには時間がかかります。話は明日でもいいですか?」
「いいんじゃないか?この中でその本を理解できそうなのはジェイドたちくらいだし」
「頼むよ、2人とも」
「ではまた明日の朝」
禁書の解読もあるので今夜は宿屋で休むことになった。
ジェイドと同室のニッドは禁書を読む手伝いをしていたが、二千年前のことを少し説明しただけで彼はほとんど読み込んでしまった。
後は大丈夫だと言うので任せてニッドはノルンと散歩に出かけた。橋の上から音機関を眺める。
『安心したか?』
「え?」
『彼らに受け入れてもらえたことだ』
「あー、流石お見通しだな。確かにちょっと不安だったんだ」
『あぁ、ワタシもだ。本当に良かった』
ノルンに激しく同意していると、後ろから誰かが近づいてくる気配がした。振り返ると驚くような人物が立っていた。
「ヴァン…」
『何故ここにいる』
他に気配はない、伏兵はいないようだ。ヴァンは本当に一人で来たらしい。
「忠告しにきたのだ」
「へえ…」
『…忠告とは?』
ニッドは手すりに寄り掛かり、ヴァンは静かに口を開いた。
「貴方も預言に振り回されていたはずだ。何故、そちら側につく」
「…そうだな、確かに振り回されたさ。けどな、俺はそれでも預言のせいにしてこの世界で生きることを諦めたりしたくない。苦しいことや悲しいことだけじゃないから、ノルンと出会えたこともルークたちと出会えたことも否定したくない」
「では…どうあっても、我々と対峙すると言うのだな」
『そうなるな。お前たちとは敵同士だ』
ノルンははっきりと言った。
「ダアトで大人しくしていれば助かったかもしれぬのに。自分の時代には生きては帰れぬぞ」
「いいや、俺たちはお前を倒して元の時代に戻る」
『そして預言は人生の道しるべだと…いや、預言は乗り越えることができると人々に示す』
ニッドとノルンは迷いない目でヴァンを見て言い放つ。ヴァンは何も言わずにその場を去っていった。
「はぁ、緊張した」
『何故、子孫相手に緊張する』
「だってオーラが怖くて…」
やれやれとノルンがため息をついていると、今度はルークがやってきた。
「…ルーク?どうした?」
「ニッド、ジェイドを手伝ってたんじゃないのか?」
「ちょっと説明したらもうわかっちゃって。後は任せて貴方は寝てくださいって言われちゃったし…」
「それで逆に眠れなくて散歩に?」
『まあ、そういうことだ』
ニッドは手すりに腰を下ろした。
『ルークも眠れない?』
「まあそうだったんだけど、ニッド.と会えたからちょっと頼みたいことがあってさ」
「おう、なんだ?」
「…超振動の訓練を一緒にやって欲しいんだ」
『ティアと一緒にやってたんじゃないのか?』
「そうなんだけど…ティアも忙しいだろうから…。ニッドもたまにでいいんだ、だから頼む…」
ニッドは自身から学びたい、とルークが昼間言ったことを思い出した。
「わかった、たまになんて言わなくていいさ。毎日付き合うよ」
「ホントか!ありがとうニッド、ノルン」
ルークは嬉しそうに笑っている。一先ず、街の外に出て彼の超振動の練習を見ることにした。
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