エピソード3 ルグニカ平野からベルケント
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アッシュから貴重な情報を得た一行は再びザオ遺跡を訪れた。
「パッセージリング〜♪パッセージリング〜♪」
遺跡内に入っていきなりアニスが歌いながら駆け出した。
「緊張感が皆無ですわね」
「はは…いいじゃないか。それより、アッシュの言葉をそのまま信じて大丈夫なのか?」
「アッシュのことを信じられませんの?」
「いや、ただ罠じゃないかと思うこともある」
ガイの言うことも一理あるとニッドもノルンも思う。
「だけど、アッシュの言っていたパッセージリングの情報は正しいはずだ」
「ええ、そう思いますよ。ただ彼なりの目的と意図があり、私たちを利用しているのは確かですがね」
ジェイドの言葉に一時的に全員が黙り込んだ。
「…今は外殻大地を無事に降ろすことだけを考えようぜ。それにアッシュだって外殻大地を消滅させようだなんて考えてないはずだ」
ルークが不意に口を開いた。
「そうね…。こうしている間にも事態は進んでいるだものね」
ティアが頷いた。みんなが中々来ないのが気になったアニスが走って戻ってきた。
「どうしたの〜?ちゃっちゃっと終わらせよー」
「はは…アニスみたいにしているのが一番いいのかもな」
「確かに」
ニッドがガイに同意する。
橋を渡っていると突然地震に襲われた。
「はう!」
「橋が揺れてる?」
『いや、違うな。もっと全体的に揺れている』
「この地下都市全体が揺れているみたい…!」
「…微弱ですが、譜術を感じますね」
『誰かが譜術を放ったというのか…』
「罠か…それとも…」
「敵ですの?」
「だとしても進むしかない。せめて慎重に行こうぜ」
「おや、貴方らしからぬ台詞ですね」
「うるせっ」
「まあまあ、敵か罠かもわからないんだからルークの言う通り行こう」
ぷぅっと膨れるルークをフォローするニッド。その隣でガイが怖いことを言う。
「帰りに橋がなくなってる…ってのはごめんだがな」
「やなこと言わないでよ〜」
以前六神将と戦ったセフィロトの扉の前に到着すると、大地が大きく揺れた。
「なんだ!?地震か…!?」
ルークが倒れそうになるのをなんとか堪える。同時にノルンが鋭い声を上げた。
『来る!全員、構えろ!』
何がと聞く前に、巨大なサソリのような魔物が現れた。
「こいつは一体…?」
「創世記の魔物じゃないかしら。以前ユリアシティにある本で見たことがあるわ。でもこんなに好戦的ではなかったと思うけど…」
「ティランピオン…やな奴が出たな」
『時間も惜しい。ジェイド、ここはニッドとワタシに任せてくれないか?』
「そうですね…しかし、本当に大丈夫ですか?ニッド」
「大丈夫。皆は降下のほうを頼む!」
ニッドは振り返らずにノルンを構える。
「ニッド…」
超振動の扱いに不安のあるルークが声をかけてくる。彼は本当は隣に居て見ていて欲しいと思っていた。
「ルークならできる。落ち着いて力を抜いてやるんだ」
「…俺、やってみる」
ニッドの放った言葉にルークに勇気が湧く。
「すみません、准将…!」
ルークたちに続きティアとアニス、ナタリア、ジェイドもセフィロト内へ入って行く。
「ニッド!」
「ガイ、セフィロト内にも魔物はいるからそこは頼むな!」
「わかった、気を付けろよ!」
最後にガイを見送ってニッドはティランピオンに向かって術技を放った。
「お前の相手は俺たちだ!…流水雪花!」
ノルンが第四音素の譜術で仰け反った隙を見て術技を叩き込む。
「瘴気のせいか?こんなに好戦的なのは!」
『可能性はなくはない…退け!ティランピオン!』
ノルンが声を張り上げる。一度は怯んだティランピオンだが尻尾を振り下ろしてくる。
『応じないならば仕方ない。ニッド』
「氷柱月華!」
『イースカミエータ!!』
術技で氷漬けになったその一瞬にノルンが譜術をぶつける。攻撃が効いたのかティランピオンは動かなくなった。
「こいつ遺跡を守っていたのか?」
『対話に応じなかったから何もわからない。それよりもみんなの所へ急げ』
「ああ!」
ノルンを担いでニッドはセフィロト内へと急いだ。
