エピソード3 ルグニカ平野からベルケント
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23話 密かな決意
ケセドニアを出たところでルークにアッシュからコンタクトがあった。ヴァンと繋がっているのではないかというアッシュへの疑いはまだあったが、一先ず一行はアッシュに会いにオアシスに来ていた。泉の前に行くとアッシュが待っていた。
「やっと来たか…」
「話ってなんだよ」
「何か変わったことは起こってないか?意識が混じり合ってかき乱されるというか…」
「はあ?意味わかんねぇ…。お前が俺との回線を繋いでこなければ変なことは起きねえし…」
「…そうか」
「アッシュ!何かありましての?具合が悪いとか…」
「…別に」
アッシュはぶっきらぼうに呟いた。
「話ってそれだけじゃないだろう?」
腕を組んでニッドが聞いた。少しの沈黙のあと彼は口を開いた。
「…エンゲーブが崩落を始めた。戦場の崩落も近いだろう」
「そんな!」
ティアが手で口を覆う。
「このままでは戦場にいる全員が死んでしまいますわ!」
「馬鹿野郎!ここにいたらお前も崩落に巻き込まれるんだぞ!」
「そんなことわかっています。ですから私たちはセフィロトの吹き上げを利用してケセドニアを安全に降下させるつもりですの」
「…そんなことができるのか?」
アッシュは僅かに驚きながらジェイドを見た。
「さあ?」
ジェイドはいつものごとく返事を誤魔化してきた。
「食えない野郎だ。もし今の話が本当なら、同じ方法で戦場も降下させられるんじゃないか?」
「でもシュレーの丘に間に合うかどうか…」
「間に合う。そもそもセフィロトは星の内部で繋がっているからな。当然パッセージリング同士も繋がっている。リングは普段、休眠しているが起動させられれば遠くのリングから別のリングを操作できる」
「ザオ遺跡のパッセージリングを起動すれば、すでに起動しているシュレーの丘のリングを動かせる?」
「…ヴァンはそう言っていた」
アッシュはルークを押しのけて歩き出した。
「アッシュ!どこへ行くのです!」
「俺はヴァンの動向を探る。奴が次にどこを落とすつもりなのか知っておく必要があるだろう。…ま、お前らがこの大陸を上手く降ろせなければ、俺もここでくたばるんだがな」
ナタリアはアッシュに駆け寄る。
「約束しますわ!ちゃんと降ろすって!誓いますわ」
「指切りでもするのか?馬鹿馬鹿しい」
「アッシュ…!」
「世界に絶対なんてないんだ。だから俺はあの時……。俺は行くぞ、お前らもぐずぐすするな」
アッシュは何か言いかけたが、続きを言うこともなく歩き去っていった。
「世界に絶対なんてない、か…」
彼の去って行く背中を見ながらニッドは小さく呟いた。
