エピソード3 ルグニカ平野からベルケント
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バチカル側の街の出入口でキムラスカ兵たちが騒いでいた。
「大変だ!ザオ砂漠が…!」
「何?わかった、ここは封鎖しておく」
兵士たちは出入口に看板を置いて封鎖してしまった。このままでは進めないのでティアの提案で封鎖を解いてもらうためにアスターの家に行くことになった。
「これはルーク様!ナタリア様も!お二方とも亡くなったとの噂が飛び交っておりましたが、こうして再会できて幸せでございますヒヒヒ」
一行の姿を見たアスターはあの独特な笑い方を披露しながら迎えてくれた。
「実は貴方に頼みたいことがあるのですが」
「エンゲーブの住民を受け入れることでしまら、先ほどイオン様から依頼されました。ご安心を」
「よかった…」
「助かります。ありがとう」
「どういたしましてイヒヒ」
全員が安堵したところへルークがザオ砂漠やのことを切り出した。
「ところでザオ砂漠で何かあったのか?」
「これはお耳が早いことで…。少々困ったことになっております。地震のせいかザオとイスパニア半島に亀裂が入って、この辺りが地盤沈下しているのです」
地盤沈下と聞いて全員が同じことを思い浮かべた。
「それってもしかしなくても!」
「ケセドニアが崩落しているんだわ!」
ティアが言ったと同時にアスターの部下が部屋に駆け込んできた。
「戦況報告です!11時32分キムラスカ軍がエンゲーブに到達しました!」
「やれやれ…移動しても残ってもエンゲーブの住民は危険にさらされる運命だった…そう言うことですか」
「ノエル、間に合ったかしら…」
ジェイドが肩を竦め、ティアはノエルのことが気にかかっているようだ。
「ご苦労。引き続き状況を監視せよ」
部下が出ていくとアスターは皆に向き直った。
「今しがた、ケセドニアが崩落すると仰いましたが?」
「アクゼリュスやセントビナーと同じことが起きてるんだよ!」
「何ということだ…。ここは両国の国民が住んでいる街。この戦時下では逃げる場所がない」
「この辺りにもパッセージリングがあってヴァン謡将が停止させたってことか?」
「それならザオ遺跡ですわね。イオンがさらわれた…」
「くそ…どうする?今からでもセフィロトツリーを復活させれば…」
「いや、それは無理だとテオドーロ市長が言ってただろう」
「ええ…ですが…」
ニッドに頷いたジェイドが何かを言いかける。
「大佐!何か考えがあるんですか!?」
「いえ、ツリーは再生できなくてもセフィロトの吹き上げる力はまだ残っているはずです。それを利用して昇降機のように降ろすことはできないかと」
「パッセージリングを操作できるでしょうか」
「こればかりはわかりません」
「行くだけ行ってみよう。このままだと崩落を待つだけだろ」
「お話が見えないのですが…」
「ケセドニアの崩落を防ぐ方法があるかもしれないんだ」
「実は…」
ルークのあとにガイがこれまでの経緯をアスターに説明してくれた。
「魔界ですか…にわかには信じがたいです。しかしどのみち、わたしたちはあなた方を信じるより他に方法はない。住民への通達はお任せください。ケセドニアをお願いします」
「よし、ザオ遺跡へ行ってみよう」
皆んなは徐々に部屋を出て行く。だが、ナタリアだけはその場を動かなかった。そんな彼女にルークとニッドが声をかける。
「…ナタリア」
「え?あぁ、はい。行きますのね」
「モースの言ったことなんて気にするな」
「そうだぜ、元気出せよ。あいつの言ったこと本当かどうかもわからないんだからさ」
「ええ…わかっています。大丈夫です…」
そうは言っても大丈夫そうには見えないナタリア。
一抹の不安を抱えながら一行はケセドニアを出た。
