エピソード3 ルグニカ平野からベルケント
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シュレーの丘に着いたが入り口が見当たらなかった。入り口は隠されているのだろうと皆は手分けして仕掛けを解いた。
仕掛けを解くと入り口がゆっくりと現れた。
「ここです。間違いありません」
イオンは確信を持って言った。
「扉が開いているですの」
『ここへヴァンが来た時に扉の封印を解いたんだ…』
「奥へ進んでみよう」
ルークが静かに言い、皆は内部へと足を踏み入れた。
奥へ進んでいくと巨大な音又…パッセージリングが佇んでいた。
「ただの音機関じゃないな、どうすればいいのかさっぱりだ」
「第七音素を使うってどうするんだ、これ…」
ガイとルークはパッセージリングを見上げて困ったように首を捻っている。
イオンはパッセージリングを見て難しい顔をした。
「…おかしい。これは、ユリア式封咒が解呪れていません」
「どういうことでしょう。グランツ謡将はこれを操作したのでは…」
「え〜ここまできて無駄足だったってことですかぁ」
アニスはぶーぶーと口を尖らせている、イオンはそれを宥めている。
ニッドはパッセージリングのこともセフィロトのこともユリアから叩き込まれている、だが下手に詳しく言って正体を明かすわけにはいかない。あたりを見渡す、広場の奥には3つの通路がある、その通路の入り口にはそれぞれ譜陣が敷かれている。
「あの譜陣を解除すればいいんじゃないのか?」
「きっとそうですわ。譜陣を解除する方法も何かあるはずですわ、調べてみましょう」
ナタリアが明るく言い、皆はそれぞれの通路の奥で仕掛けを解除すると譜陣が消えた。だが、パッセージリングはそれでも反応しなかった。
「これでも駄目なのかしら…」
パッセージリングの前をティアは考えごとをしながら通りすぎる。彼女が通り過ぎた瞬間、パッセージリングの正面に設置された譜石が光りを放ち、形を変えた。ティアが通り過ぎると譜石は元の形に戻っている。
ティアの動きを眺めていたナタリアが彼女に声をかけた。
「ティア、ちょっとその譜石に近づいてくださる?」
「?いいけど…?」
ティアは言われた通りに譜石の前に立ってみる。譜石は再び光り出して形を変えた、同時に青白い光がティアに吸い込まれていく。
「…あれは…」
ティアの顔色が悪くなっているのをニッドは見た。
「(あの青白い光は第七音素だ、だがティアの顔色が悪いぞ…なんとかしてやらなきゃな…)」
パッセージリングが起動し、その上部には操作盤が映し出されている。
「ティアに反応した…?これがユリア式封咒ですか?警告…と出ていますね」
「わかりません。でも確かに今は解呪されています。とにかくこれで制御できますね」
操作盤は五つの円形の図で構成されてる。
「あ、この文字、パッセージリングの説明っぽい…」
アニスが譜石を見ている。操作盤を見ていたニッドが顔をしかめる。
「…ちっ、これじゃ操作できねえな」
ニッドの隣のジェイドも操作盤を見て同じく難しい顔をする。
「…グランツ謡将、やってくれましたね」
「兄が何かしたんですか!?」
「セフィロトツリーが再生できないように弁を閉じてるんだよ」
「どういうことですの?」
ニッドが答えるがナタリアは首を傾げる。
「つまり暗号によって、操作できないようにされているということですね」
「暗号解けないですの?」
ミュウがジェイドを見上げて聞いた。
「私が第七音素を使えるなら解いてみせます。しかし…」
「…超振動で暗号とか弁消せるんじゃないか?」
「そっか、超振動も第七音素だからな」
ニッドに提案にルークが納得したように言う。
「暗号だけを消せるなら、なんとかなるかもしれません」
「よし」
ノルンを担ぎ直してパッセージリングの前に立とうとするニッドをルークが呼び止めた。
「ニッド!俺にやらせてくれないか?」
「ルーク!貴方まだ制御が…!」
ティアは心配そうにルークに言い、ニッドは静かにルークを見ている。
「訓練はずっとしてる!それに、ここで失敗しても何もしないと結果は同じだ」
「…そうね、その通りだわ」
「……ルーク、やってみろ」
ルークの覚悟を見たニッドは場所を譲る。ティアも納得してくれたようだ。ルークは強く頷いてパッセージリングの前に立ち超振動を発動する。
「第三セフィロトを示す図の、一番外側が赤く光っているでしょう。赤い部分だけを削除してください」
「やってみる」
ルークは慎重に赤い部分だけを超振動で削っていく。
「ルーク、力抜いて」
緊張しているのが体が硬くなっている彼にニッドは小さな声でアドバイスする。ルークはゆっくりと力を抜いた。無事に削り終わるとセフィロトが輝き始め、記憶粒子が発生する。
「…起動したようです。セフィロトから陸を浮かせるための記憶粒子が発生しました」
「それじゃあ、セントビナーはマントルに沈まないんですね!」
「…やった!やっぜ!」
ルークとティアは大喜びだ。喜びのあまりルークは彼女に抱きついている。
『おー、大胆だなぁ〜』
「ティア、ありがとう!」
「わ、私、何もしてないわ。パッセージリングを操作したのは貴方よ」
「そんなことねーよ!ティアがいなけりゃ起動しなかったじゃねーか!それにみんなも…!みんなが手伝ってくれたから…みんなありがとう!」
ルークは嬉しさではしゃいでいる。ナタリアとガイはそれを眺めている。
「何だかルークじゃないみたいですわ」
「いいじゃないの。こーゆー方が少しは可愛げがあるしね」
「貴方はルーク派ですものね」
「別に違うけどね。ナタリアだってアッシュ派ってわけでもないだろ」
「…私にはどちらも選べませんもの」
ナタリアはそう言って俯いてしまう。操作盤を見上げていたアニスが何かに気づいたように叫んだ。
「あー!まだ喜んじゃダメですよぅ!あの文章を見てください!」
アニスは飛び跳ねながら文章を示している。ニッドも視線を上げて彼女の示す文章を見て読み上げる。
「…ここのセフィロトはルグニカ平野のほぼ全域を支えている…ということは…」
「エンゲーブも崩落するじゃないか!?」
「ですよね!エンゲーブ、マジヤバな感じですよね!」
「大変ですわ!外殻へ戻って、エンゲーブの皆さんを避難させましょう」
皆は急いでセフィロトを出て行く。ティアは1人俯いていた。
「ティア、大丈夫か?」
ニッドは顔色の悪いティアを覗き込む。
「ええ…大丈夫です」
「あまり無理はするな」
彼女の頭をぽんぽんと撫でる。ティアは体が軽くなるのを感じた。
「…は、はい。ありがとうございます(体が軽くなった…?どういうことかしら…)」
ティアはニッドに続いてセフィロトを出ていった。
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