エピソード3 ルグニカ平野からベルケント
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焦る気持ちを抑えながらようやくシェリダンへ到着した。キムラスカ兵の姿はないので今のうちに街の中へ入る。広場に通りかかる、技術者のような格好をした老人が三人、話し込んでいた。
「どうじゃった?んん?どうじゃった?」
「間違いない!メジオラ突風に巻き込まれて今にも落ちそうじゃ!」
「いやだよ、アストン。あんた老眼だろう?見間違えたんじゃないのかい?」
「老眼は遠くのほうが見えることくらいよくわかっとろーが、タマラ」
「マズイの。このままじゃ浮遊機関もぱあじゃ」
「何を言うんだい!アルビオールに閉じ込められてるのはあんたの孫のギンジだろう!心配じゃないってのかい」
そう言いながらタマラと呼ばれた老人はイエモンを持っていた定規でつついている。
「何かあったんですか?」
「アルビオールがメジオラ高原に墜落したんじゃ」
ルークの質問にイエモンが答えてくれた。
「アルビオールって古代の浮遊機関を積んだ、あれか!」
音機関にガイは食いつき気味だ。
「あちゃー、無駄足だったってこと?」
「いや…浮遊機関は2つ…発掘されているはずだ」
振り向くアニスにニッドが答える。
「よく知っとるな。じゃが第二浮遊機関は起動すらしとらんのじゃ」
「そんなことより!イエモン」
タマラが声を上げ、イエモンはそちらを向いてしまった。
「すぐにでも救助隊を編成してギンジと浮遊機関を回収を!」
「そうじゃな、浮遊機関さえ戻れば二号機に取り付けて実験を再開できるしの」
「なんて薄情なジジイだい!」
話しながら三人は去っていく。彼らを見送りながらジェイドが言った。
「メジオラ高原は魔物の巣窟ですよ。救助隊が遭難しかねませんね」
「でも話を聞く限り、その浮遊機関がないと飛べないみたいだわ」
「…まずは、浮遊機関を借りられないか相談してみよう」
『あぁ、ニッド。話はそこからだな』
「そうですわね、あのイエモンというご老人を訊ねればいいのかしら」
「僕からお話をすれば多少は話が通りやすいと思います、行ってみましょう」
イオンに頷いて一行は集会所へ向かった。集会所へ入れてもらい、イオンがイエモンたちに事情を説明してもらった。
「…話はあいわかった。しかし亡くなられたはずのナタリア様が生きておられて、しかもマルクトの民のために動いておられるとは…」
「マルクトとかキムラスカとか今はそんなん、どうでもいいだろ!」
ルークが声を荒げるが、タマラは冷静に言った。
「そうさねぇ、ただこちらも困ってるんですよ。アルビオール初号機がメジオラ高原の崖に墜落してしまって…」
「墜落って操縦士は?」
ニッドが聞いた。
「中に閉じ込められておる。その状態でメジオラ突風が吹いての今にも崖から落ちそうなんじゃ。救助隊を派遣しようにもマルクトと戦争が始まるって言うんで軍人さんは出払っててのう…」
「だったら俺が行く!」
それを聞いたルークが速攻で言った。ナタリアは驚きつつも彼に関心した。
「よく言いましたわ!ルーク!それでこそ王家の蒼き血が流れる者ですわ!」
「…べ、別に王家とか関係ねーって!」
「え?」
ルークが返してきた言葉にナタリアは首を傾げた。
「ただ…俺はできることをやらなきゃって。だいたい人を助けるのに王族とか貴族とか、そんなんどうでもいいかなって…誠意をつくす…それだけだっ」
ルークはそう言ってニッドのほうを見た。彼はその通りだとルークに優しく頷いた。
「…私たちの中には軍事訓練を受けた者もいます。任せていただけませんか?」
「その代わりじゃないですが、俺たちが浮遊機関を持ち帰ってたら二号機を貸して欲しいんです」
ティアとガイが交渉するがイエモンはまだ困った表情をしている。
「二号機はまだ未完成じゃ。駆動系に一部足りない部品がある。戦争に合わせて、大半の部品を陸艦製造に回してしもうた」
「なら、タルタロスの部品は使えないか?」
ニッドはジェイドを振り返ると、彼は頷いた。
「ええ、タルタロスも元は陸艦です。使える素材があるなら使ってください」
「2人とも!いいのか?」
ガイが驚いて声をあげた。ジェイドの代わりにニッドが答えた。
「部品を調達している時間はないからな、あるものを使うしかないんだ」
ガイは納得したようで頷いて返した。
「イオン様、ここに残ってタルタロスの案内をお願いできませんか?我々が浮遊機関を回収する間に、二号機を完成させて欲しいのです」
「僕は承知しました。あとは…」
イオンのあとにイエモンが力強く頷いた。
「…部品さえあればわしが命がけで完成させてやるぞい」
「よし、俺たちはメジオラ高原へ行こう。で場所は…」
「メジオラ高原はここから北西じゃ。それとこいつを持って行け」
アストンはガイとルークにランチャーを渡した。ニッドはランチャーを見る。
「これ、発射装置か」
「そうじゃ。この発射装置で固定してからアルビオールを崖下へおろしすんじゃ。あそこは風が吹いて危険だからの」
「でも使い方が…」
ルークが困ったように呟く。
「音機関なら俺に任せておけ。それにジェイドもわかるだろうし」
「さあ、どうでしょうね。音機関ならニッドのほうが私より詳しいでしょう」
「「食えないおっさん…」」
ニッドとガイの声が重なった。
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