エピソード2 オアシスからグランコクマまで
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
19話 ひと時の安らぎ
タルタロスはケテルブルク港へ到着。そこからケテルブルクの街へ歩いてくことに。機関部の修理に関してはそこの知事にお願いすることになった。
知事のお屋敷へ行くと執務室には女性が座っていた。彼女は入ってきたジェイドを見るなり立ち上がる。
「お兄さん⁉︎」
それにルークが驚きの表情を見せ、ジェイドと女性を交互に見る。
「お兄さん…⁉︎え?マジ?」
ジェイドは爽やかに挨拶する。
「やあ、ネフリー。久しぶりですね、貴方の結婚式以来ですか?」
「こんばんは、ネフリーさん」
ニッドも続けて挨拶をした。
「お兄さん…それにニッドさん貴方も…どうなっているの?アクゼリュスで亡くなったって…」
「実はですねぇ…」
ジェイドがこれまでの経緯を説明する。ネフリーはそれを聞いて受け入れてくれた。
「…何だか途方も無い話だけれど、無事で何よりだわ。念のためタルタロスを点検させるから、補給が済み次第、ピオニー様にお会いしてね。バーゼライド大将と夫人もとても心配しておられたわ」
「父さんたちが…」
「おや、私もニッドも死んだと思われているのでは?」
「お兄さんたちが生きていると信じているのはピオニー様とお二方だけよ。皆さんも出発の準備ができるなでしばらくお待ちください。この街は観光の街ですから危険はないと思いますわ。宿をお取りしておきます。ゆっくりと休んでください」
ネフリーに礼を言って皆は部屋を出ていく。ルークだけは少し遅れて戻ってきた。
宿へ行くために雪のチラつく街を歩く。
大きなお屋敷を見たアニスがそれに食いついた。
「は〜!すっごいお屋敷♡ここの人と結婚した〜い♡」
うっとりとするアニスの視線の先のお屋敷をニッドは見上げる。
「あれ…ここって…」
「確かまだ独身でしたよ。三十は過ぎてますが」
「もしかしてここ、大佐の家?それとも准将?どっちかでもいいなあ♡」
「そうだとしてもお断りします」
ジェイドは笑顔で爽やかに断る。
「いやぁ…俺も同じく」
ニッドもやんわり断った。
「でもここの持ち主なら喜ぶかもしれません。女性なら誰もいい人ですから」
誰だろうと頭を傾げるアニスにニッドが持ち主の名前を告げた。
「持ち主はピオニー陛下だよ」
驚くどころかアニスは目を輝かせ滅茶苦茶喜んだ。
「ひゃっほー!玉の輿♡」
玉の輿…もう究極の玉の輿だ。だって皇帝だから…。
「皇帝は首都の生まれじゃないのか?」
ルークがそう聞いてきた。
「確か皇位継承の争いで、この街に追いやられたんじゃないのか?」
更にガイがジェイドを振り返る。
「ええ。そうです、ここはその時のお屋敷です」
目を輝かせるアニスを引っ張るようにして皆は宿屋に向かった。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
宿屋もといホテルの受付でチェックインを済ませて皆はそれぞれ部屋の鍵を受け取る。
「あ、俺…ネフリーさんところに忘れ物した」
突然が口を開いた、しかし何故か棒読みだ。
「俺も行こうか?」
ガイをじっと見るルーク。
「ネフリーさん女だぞ…」
「美人を見るのは好きだ」
「ガイも男性ですものね…」
「年上の人妻だよ〜?」
「違うぞ!変な意味じゃなくて…」
「ご主人様!ボクも行くですの!」
ミュウもぴょんぴょん跳ねて自己主張する。
「あーもう、うぜぇって!俺1人で行く!」
ルークは飛び出して行った。
「まあ、大方…ジェイドの昔の話だろう」
『恐らくな…』
彼の出て行った扉を見ながらノルンとこっそり話す。その後、皆それぞれの部屋に入って休んでいるようだ。
ニッドは上階のバーのカウンターに座ってノルンと景色を眺めていた。
窓にルークの姿が映ったのでニッドは振り返る。
「…ジェイドの過去、聞いてきたんだろ」
「そうか。ニッドは知ってるんだな…」
少しの沈黙がルークにとっては気まずかった。この空気を何とか打開しようとルークは必死に言葉を考える。
「…あ、あの…」
ルークは何か言いかけているが、緊張して上手く言えない。ニッドと面と向かって話すのは魔界以来なので、かなり顔が強張っている。
「まあ、座りなよ」
ニッドに促されルークは隣の椅子に腰掛ける。ルークはきつい言葉をかけられるのを覚悟でニッド.に言った。
「ニッド…悪かった…ちゃんと止めてくれてたのに…。それに俺、レプリカなのに…ニッドは最初から人として見てくれてて、叱ってくれてたし…信じてくれてたのに…」
「…気にするな。それでもちゃんと気づいたんだ。ルーク、成長したな」
思いがけない返答にルークは面食らう。
「そんな…成長なんてしてないよ…。あれからできることからするって決めたけど…本当にそれでいいのかもわからないし…」
『不安なのか。まぁ…恨み言を言われたりするからな』
「他人は変わらない。自分が変わるしかないんだ、だから誠意を尽くすしかない」
「誠意?」
『愛だよ愛。要は他人を思いやり優しくしなさいってこと』
「ほらほら、お子様は早く寝ないとダメだぞー。明日置いてかれちゃうぞー」
「わ、わかったよ!俺はお子様じゃねえよ!」
ルークは立ち上がり、歩き出す。
「ルーク…預言にはない、素晴らしい未来を歩めよ」
その背中にニッドは呟き、去って行くルークを2人は窓越しに見送った。
