エピソード1 タタル渓谷からバチカル
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来た道を戻り、ノルンを構えて地下空間に飛び込む。
そこには烈風のシンクしかいなかった、ディストは先に逃げたようだ。ガイはシンクに向かって斬りかかる、もちろんシンクは跳躍で避ける。ガイに気を取られたシンクの目の前にニッドが現れノルンの剣先が仮面の端に触れて弾き飛ばされた。
「!」
「おまえ…?」
シンクの仮面に隠されていた素顔を見たニッドとガイは驚く。その隙を見て彼は跳躍し2人の間に着地して仮面を拾う。あとから来るアニスたちの足音が聞こえるとシンクは退避する態勢を取る。
「待て!」
ニッドが叫び、銃口を向けるがシンクは怯むことなく…。
「やだね。今回の件は正規の任務じゃないんでね。この手でおまえらを殺せないのは残念だけど、アリエッタに任せるよ。奴は人質と一緒に屋上にいる。振り回されてご苦労様」
嫌味たっぷりに言って闇の中へ消えた。
「今の見えたか」
背中に担ぎ直したノルンにニッドは聞いた。
『一瞬だったがな。それに…推測の域を出てしまったようだ』
ノルンの譜石にはルークの姿が映る。しかし、ジェイドはルークに対しては何も言わずそして何も聞かず、ため息混じりに言った。
「確か屋上でしたか。さ、何度も同じところを行き来するのも面倒ですが仕方ないですね。行きましょう」
皆は再び屋上を目指した。
屋上に戻った途端にルークはミュウを前に突き出して火を吹かせ、飛びかかってきた怪鳥を追い払う。
「へへっ、何度も同じ手に引っかかると思うなよ!」
「思うなですの!」
「ルーク様。すっごーい!」
「ふむ、あなたにしては上出来です」
「それを、最初にできればもっとよかったのに」
最後のジェイドとニッドの発言にうるせぇとルークは悪態をつく。アリエッタは大切な友達に火を吹いたことでかなり怒っており、そのまま戦闘へ突入。
ルークたちにライガと怪鳥フレスベルクを任せてニッドはジェイドとともにアリエッタを抑えにかかる。アリエッタの詠唱を止めて譜術を封じる。
「鷹爪襲撃!」
アニスの技が決まり、ライガとフレスベルクが動かなくなる。
「うわあああん!ママの仇!」
アリエッタはぬいぐるみを振り回してニッドに向かうが、彼はアリエッタの細い腕を掴んで簡単に止めた。
「アリエッタ!ライガクイーンのことは殺していない、本当だ!」
「だまされないもん…ママを殺した奴の言うことなんか信じない!」
彼女は止められてもなお腕を振り回す。ジェイドが槍の柄でアリエッタの鳩尾を打ち気絶させた。
「やはり見逃したのが仇になりましたね」
「ジェイド!待って、殺さないであげて。まだ真犯人もわかってないんだからさ」
「いつか本当に刺されますよニッド」
「待ってください」
イオンも倒れたアリエッタの前に立つ。
「イオン様。フーブラス川で見逃したその結果がこれですよ」
「アリエッタは教団に連れ帰り、査問会にかけます。ですからここで命を絶つのは…」
「それがよろしいでしょう」
重々しい声が聞こえ、階段から姿を現したのはヴァンだった。
「カイツールから導師到着の伝令が来ぬから、もしやと思い来てみれば」
「すみませんヴァン」
イオンは小さな肩を落とす。
「まあいいでしょう、過ぎたことをあれこれ言うつもりはありません。アリエッタは私が拘禁したいと思いますが、よろしいですか?」
「お願いします」
ヴァンはアリエッタを抱き上げると、ジェイドも槍を収める。
馬車が用意されているというので皆んなでそれに乗りカイツール港へ戻った。
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