エピソード1 タタル渓谷からバチカル
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少し離れたところで、アリエッタを下ろす。するとジェイドが槍を出し、その先を彼女に向ける。
「や、やめろっ!なんでそいつを殺そうとするんだ!」
ルークがジェイドを止める。
「生かしておけばまた命を狙われます」
「だからって無抵抗の奴を殺すなんて…」
「本当に甘いのね」
「るっせーよ!冷血女」
「ジェイド、僕からもお願いします」
イオンが口を開く。
「アリエッタはもともと僕付きの導師守護役なんです」
「…ジェイド」
ずっと黙っていたニッドが前に出る。
「俺からも頼む」
「ニッド、貴方は殺すと先ほど言われたのですよ、忘れたのですか」
「わかっている、だけど本当に俺が殺していないことは、ここにいる皆がわかっているだろう。それにこの子とはちゃんと話をしたい」
「……ここで見逃す以上文句を言う筋合いではないですね」
ジェイドはルーク、イオン、ニッドを見てため息をつき、槍を収めた。
「ニッド、ありがとうございます。アリエッタを殺さないように止めてくれて」
イオンがそばに来て声をかけてきた。
「いいんだ。俺もアリエッタとはちゃんと話をしたいから」
「僕からもアリエッタに話しておきます」
「ありがとうイオン」
アリエッタのことはライガが見つけるだろうとニッドは思い、瘴気が復活する前に一行は河岸を離れた。
途中ニッドはティアに声をかける。
「ティア、今のはユリアの譜歌だね?」
「は、はい…確かにユリアの譜歌です」
「ユリアの譜歌は暗号が複雑で読み解くのが困難と言われています」
イオンが言い添えるが、ルークは譜歌と聞いて首を傾げているので、ガイが説明している。
「歌えるということはティアはもしかしてユリアの子孫?」
ニッドは冷静を装って続ける。
「そう言われています」
ニッドは驚きそうになるのを抑える。まさか目の前の少女が自分たちの子孫とは…。
「そうか、急ぐのに呼び止めて悪かったな」
「いえ、行きましょうか」
ティアは首を振って歩いて行った。
皆んなが先に行くとジェイドが話しかけてくる。
「驚きましたねぇ、まさかティアがユリアの子孫だったとは」
「そうだな、姉さん…ユリアに似ているのにも納得いく気がする…」
ニッドは頷いてジェイドとともに歩き出した。
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