エピソード1 タタル渓谷からバチカル
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7話
それから2日ほどしてセントビナーに到着した。追っ手に会うこともなく街に到着したのは良かったものの街の入り口には神託の盾兵がいた。
街の入り口の手前にある壊れた馬車の影から一行が様子を伺っているとタルタロスで遭遇した六神将が現れ、一気に緊張が走る。
ニッドは六神将が現れたこととは別のことで緊張していた。もしも自分の名前が出たら、正体がバレてしまうかもしれない…。
「導師イオンは見つかったか?」
リグレットが遅れてきた兵士に聞いた。兵士は首を振る。
「どうやらセントビナーには訪れていないようです」
アリエッタはぬいぐるみに顔をうずめる。
「イオン様の隣にいる死竜、ママの仇」
「アリエッタ、ライガクイーンの件は後ほど調べる。今は死竜に手出ししてはならない」
リグレットにそう言われたアリエッタだが、ガンとして首を縦に振らない。
「ううん、この仔たちが教えてくれたもん。アリエッタはあの人のこと絶対許さない」
「導師守護役がうろついていたってのはどうなったのさ?」
仮面の少年の声、ニッドにも聞き覚えがあったが思い出せない。
「マルクト軍と接触していたようです。もっともマルクトの奴らめ、機密事項と称して情報開示に消極的でして」
また別の兵士が答える。
ラルゴが低くく呻いてその太い首をうなだれた。
「俺があの死霊使いに遅れを取らなければたの導師守護役を取り逃がすこともなかっただろう…面目ない…」
ラルゴの言葉から、タルタロスでジェイドと一戦あったのだとニッドは理解した。
「ハーッハッハッハッハッ!」
そこへやけに高い笑い声が響き渡る。
ジェイドが伏せてと小声で鋭く言い放つ。ルークたちは身を屈めた。
空から豪華な椅子が降ってきた。
「だーかーら言ったのです。あの性悪ジェイドとその仲間ニッドを倒せるのはこの華麗なる神の使者、神託の盾六神将薔薇のディスト様だけだと!」
空飛ぶ椅子に座っているのはニッドも知っている人物、ディストだった。
「薔薇じゃなくて死神だろ」
仮面の少年はディストを見ずに言った。
「この美しーい私がどうして薔薇ではなく…」
「過ぎたことを言っても始まらない。どうするシンク?」
ディストの言葉をリグレットが遮る。おい!っというディストだが、誰も耳を傾けない。
「エンゲーブとセントビナーの兵は撤退させるよ。ここにいても死竜の情報は手に入らないし…それに奴らはカイツールを越えるしかないんだ」
シンクと呼ばれた仮面の少年が答える。
「カイツールでどう待ち受けるか…ね。一度タルタロスに戻って検討しましょう」
リグレットにラルゴは頷き、撤退の命令を出す。
「…シンク、例の奴はちゃんと確認して兵士に破棄させたか?」
他の六神将が街を出る中、リグレットがシンクを振り返る。
「確認したんじゃない?それにまだ生きていたとしても生命力も残ってないだろうし魔物の餌になってるでしょ」
「そうだな…」
シンクにそう答えてリグレットは再び歩き出した。
