エピソード1 タタル渓谷からバチカル
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
第五話 不調和の歌
タルタロスの一室にて、ニッドはタタル渓谷での調査報告を再びする。
「第七音素の超振動は、キムラスカ・ランバルティア王国王都方面より発生し、マルクト帝国領土タタル渓谷にて収束」
ジェイドはメガネの位置を直す。
「超振動の発生源があなた方なら、不正に国境を越え侵入してきたことになりますねぇ」
「へっ、嫌みな奴だな」
「へへ、イヤミだって大佐♪」
「傷つきましたねぇ♪」
「それはともかく…」
ニッドが話を切り替える。
「ティアが神託の盾騎士団だということはイオン様から聞いた。それで、ルークのフルネームを教えてくれないか」
「ルーク・フォン・ファブレ。お前らが誘拐に失敗したルーク様だよ」
誘拐と聞いてニッドは顔をしめるが、ジェイドは顔色一つ変えなかった。
「キムラスカ王室と姻戚関係にあるファブレ公爵のご子息ですか」
アニスは公爵と聞いた途端うっとりし始めた。始まったな、とニッドは思う。
「だったら…?」
「何故マルクトへ?それに…誘拐とは穏やかではありませんね…」
「何言ってんだ!おまえらがー」
「誘拐のことはともかく」
ティアがかぶせるように言い、ルークは静かになる。
「今回の件は私の第七音素とルークの第七音素が超振動を起こしただけです」
「公爵によるマルクトへの敵対行動ではないと?」
「はい」
ニッドはジェイドを見る。イオンも頷き、ティアの言ったことを保証する。
「大佐、ティアの言う通りでしょう。彼らに敵意は感じません」
「…まあそのようですね。温室育ちで世界情勢には疎いようですし」
「けっ、ばかにしやがって」
イオンは苦笑し、ニッドとジェイドを交互に見て言った。
「どうです?ここはむしろ彼に協力をお願いしませんか?」
「確かに王室と繋がりがあると、事は進みやすくなるしな…どうするジェイド」
ニッドはジェイドのほうを見る。
少ししてジェイドはニッドをちらっと見、イオンに向かって頷き、自分たちの目的を話し始めた。
「我々は今、マルクト帝国皇帝ピオニー九世陛下の勅命によってキムラスカ王国へ向かっています」
二人は驚いている。
「まさか…宣戦布告?」
「宣戦布告って、戦争が始まるのか!?」
「逆ですよルーク様!戦争を止めるために私たちが動いているんです」
「アニス、不用意にしゃべってはいけませんね」
「戦争を止める?っていうかそんなにやばかったのか、キムラスカとマルクトの関係って」
このセリフに、ニッドもさすがに顔が引きつる。
「知らないのはあなただけだと思うわ」
ティアはため息をつく。
「…おまえもイヤミなだな」
「そういうわけですので、力を貸してもらえませんか?戦争を起こさせないために」
「協力してほしいのなら、もっと詳しい話をしろよ」
「それはどうですかねぇ、説明してなお、ご協力いただけない場合、あなた方を軟禁しなければなりません。ことは国家機密ですからね。ですから、その前に決心を促しているのですよ」
ルークはかったりぃなと天井を見ながらティアと話している。
「じゃあルークの決心がつくまで俺はノルンの整備でもして来てもいいか?ついでにブリッジのほうも見てくるよ」
「お願いします」
ルークはニッドが出て行ってしまう前に声をかけた。
「なあ、ノルンって誰のことなんだ?つーかさ、チーグルの森で誰と話してたんだよ?」
「おやおや、バレてしまったようですね。この際、紹介してはどうでしょう」
「隠すつもりはなかったんだが。そうだな、紹介しよう」
そう言って背中にかけていた譜銃剣を机にそっとを置いた。
「ノルンだ」
『よろしく頼む』
譜石が光り、譜銃剣から声が出てくる。
「うわぁ!しゃ、しゃべった…!」
ルークは腰を抜かし、ティアも驚いて前のめりになる。
「譜銃が人の言葉を…」
イオンも前に出てきて譜銃剣をよく見る。ノルンはニッドの正体と同じくマルクトの国家秘密である。だが正体に繋がるような内容以外なら、これから共に行動する彼らに紹介しておいても問題ないだろう。
『まあ……ワタシのことは人の心を持った武器だと思ってくれ』
詳しいことは話せない。ノルンはこの世界とは違う技術で誕生した、そのためにどんな奴がこの技術を手に入れるためにノルンをつけ狙ってくるかわからないからである。
「タタル渓谷での奇妙な音もこのノルン…さん…が発していたのですか?」
ティアが思い出したように聞いた。
『ノルンでいいさ』
「ええ…」
「ああ、あの時はルークをちょっとからかっただけなんだ。すまんな」
「なんだよ、よくも俺をからかったな!武器のくせによ」
ニッドは真顔に戻り、黙ってしまうがノルンは軽く笑った。
『はは…悪かったな坊主。まあそういうことだよろしくな』
『ノルンさん、よろしくですの!』
ミュウは机に上りノルンに挨拶した。
「それではブリッジのほうをお願いします」
「了解しました」
イオンに一礼して出ていくニッドの表情の変化を、ジェイド、イオン、ティアは見逃さなかったがそのまま話を続けた。
.
