エピソード1 タタル渓谷からバチカル
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ルークが走って技を繋げるがクイーンには聞いていないようだ。
ニッドの攻撃も全てかすっている。
「まずいわ、こちらの攻撃がほとんど効いていない…」
「じょ、冗談じゃねぇよ!何とかしろ!」
ニッドは一瞬ノルンを見た。
「何とかして差し上げましょう!」
その声にニッドはばっと振り返る。
「ジェイド…」
「そうですよねぇ、准将、そしてノルン」
声の主はニッドを見る。
「あー…ノルン?」
『ニッド、ワタシにやらせてくれ』
「いいんだな?」
『ああ』
「二人とも!下がって!」
歩きながらティアとルークに言う。
「准将何を…!」
「任せてくれ」
二人は下がってくれた。ニッドはライガ・クイーンの前に立ち、譜銃剣を地面に突き立てた。
「グアァァァァ!!」
クイーンはニッドに向かって咆哮する。
『グオォォォォォ!』
どこからか、クイーンの咆哮に負けないくらい迫力のある咆哮が聞こえてきた。
「な、なんだ・・・?」
ルークはきょろきょろする。
ライガ・クイーンは静かになる。
『グワァァン』
『グオン…』
少しの間だけクイーンとどこからか聞こえてくる声との魔物同士の会話が続いた。
『… ニッドよ、ライガ・クイーンはわかってくれた。これからはチーグルとよく話し合いこの森で暮らしていくそうだ』
「エンゲーブへは来ないのか?ノルン」
『問題ない。人間には手を出さないそうだ』
「わかった。ノルン、クイーンに感謝と謝罪の言葉を伝えてくれ」
『承知した。グワオォォォン』
『グオオオン…!』
ライガ・クイーンは腰を下ろす。ニッドは地面から譜銃剣を抜き取り、ルークたちの前に戻ってくる。
「お、おい…一体どうなったんだよ」
「ライガ・クイーンはチーグルと共存していく、街には手を出さないそうだ」
「ほ、本当なのですか?」
「あ、ああ。本当だ 」
ルークとティアは信じられないという顔をする。
「何とかしましたよ大佐」
「さすが、准将です」
薄い笑みを浮かべてジェイドは答えた。
イオンは何も言わず、じっとニッドの譜銃剣を見つめた。
ジェイドはアニスに耳打ちで何かを伝え、アニスは走って洞を出て行き、今度はイオンと話している。
「ノルンはライガを助けたかったのか」
『すまない。あちらの世界では長い付き合いなもので… ニッドには面倒をかけたな』
「いいってノルン」
「ニッド」
呼ばれて振り返るとジェイドの笑顔があった。
「ジェイド…」
ニッドは覚悟した。
「貴方にも話を聞かせてもらいますよ」
「は、はい…」
「では、新書も届きましたし森を出ましょう」
「だめですの!長老に報告するですの!」
イオンのそばからで出来たミュウがそう声を上げた。
「チーグルが人の言葉を…」
ジェイドも少し驚きメガネの位置を直す。
「ソーサラーリングの力です。それより、ジェイド。一度チーグルの住処へ寄ってもらえませんか?」
「わかりました。ですが、あまり時間がかないことをお忘れにならないでください」
頷いたイオンはルークを振り返る。
「ルーク、さっきはありがとう。あと少しだけお付き合いください」
「しゃーねぇな、乗りかかった船だ」
みんなは洞窟を出た。
