エピソード1 タタル渓谷からバチカル
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四話 生の音
ライガの住処へ行く途中、ルークに響律符について説明し、ミュウがソーサラーリングのお陰で火を吹けることが判明した。そしてルークによってブタザルという愛称をつけられた。それを密かに聞いていたニッドの背中のノルンは『気の毒に…』と呟いていた。
ミュウの案内で坂の下にある大きな樹の幹にライガの住処までやったきた。
坂を下りて洞窟の中へ入ると、犬や猫に雰囲気が似た巨大な獣が奥で伏せていた。
『ライガ…懐かしいな…』
過去の時代でノルンの種族もノルン自身もライガとは仲が良かったのだ。
目の前のライガが女王であることが分かると、イオンはミュウに話をするように頼んでいる。
ミュウが前に出ると、ライガ・クイーンが気づいて立ち上がる。その大きさにみんなは驚く。
ライガ・クイーンは咆哮するミュウはとぼとぼと戻ってくる。
『た、卵が孵化するところから…来るなと言っているですの!僕がライガさんたちのお家を間違って火事にしちゃったから、女王様、すごく怒っているですの…!』
「卵!?魔物って卵生なのかよ!」
『ミュウも卵から生まれたですの!』
ミュウは頷く。
「魔物は卵から生まれることが多いんだ。しかし、まずいな…卵を守るライガは凶暴性を増す」
ニッドは両腕を組んで考える。
「じゃ、出直すってか?」
「ですが、卵が孵れば、子どもたちは食糧を求めて町へ大挙するでしょう…」
イオンの説明もルークはわかっていないようだ。
「ライガの子どもは人を好むの。だから町の近くに住むライガは繁殖期の前に狩り尽くすのよ」
ティアがそう補足した。
「それって人を食うのか!」
「そういうことだ」
ニッドが頷く。
「ミュウ、彼らにこの土地から立ち去るように言ってくれませんか?」
イオンは真剣な表情で言った。
「は、はいですの」
ミュウは再びライガ・クイーンの前へ出る。
『みゅ。みゅうみゅうみゅう!みゅう!』
ミュウの必死の説得もむなしくライガ・クイーンは再び咆哮した。その咆哮に洞全体が震える。
『まずい…』
ノルンの小さな呟きをニッドは聞き逃さなかった。その衝撃で天井に生えていた木の破片がミュウに向かって落ちてくるのをルークは見逃さず、剣で弾き飛ばした。ミュウとルークが何かをしゃべっていたが、聞いている余裕はない。
「導師イオン、ミュウと一緒にお下がりください」
ティアも戦闘態勢に入り、ニッドは譜銃剣を構える。それを見たルークが声を上げる。
「おい、ここで戦ったら卵が割れちまうんじゃ…!」
「残酷かもしれないけど、そのほうが好都合よ。卵を残してもし孵化したら、ライガの子どもがエンゲーブを襲って消滅させてしまうかもしれないわ」
「けどよ!」
「二人ともクイーンが来るぞ!」
ニッドの声で二人は武器を構えてライガ・クイーンを見た。
