ミステリーコースターがてっぺんから急降下する。
そのあまりの怖さに新一くんの手をギュッと握りしめてしまう。



『きゃあああ！！』



こわい！こわすぎるよ…
疾走感を感じながら、目を開けられずにただただ時間がすぎるのを待っていると、新一くんの声が聞こえた。



恐る恐る目を開けてみると洞窟の中だったみたいであたりは真っ暗だった。



『ど、どうしたの？新一くん…？』


「なんか水みたいなのが…」



水？こんなところに水なんてないのにどうしてなんだろうと考えていると、私にもなにか生暖かいものが当たってきた。



『え？なに？！新一くん…！』



なにかわからないものが顔に当たってきて怖くなっていたら、新一くんが手をギュッと握り返してくれた。



少ししてトンネルを抜けて外の世界へ出た。
なにがあったのかと思い後ろを振り向くと、私たちの後ろに座っていたはずのカップルの男性の首がなくなっていた。



怖くなってすぐに視線を前に戻したけど、あまりにも衝撃的な姿は頭にこびりついて離れない。



「大丈夫、大丈夫だ。なにがあってもオレが守るから」



私の不安な気持ちを察したのかすぐにそう言って安心させてくれる新一くん
ふしぎだな…さっきまで怖くてたまらなかったのに、その気持ちが和らいでいく。



終着点でコースターが停止する。
乗客たちは一目散に降り、急に起こった事故に現場はパニックになっていた。