意識を取り戻し、まだ痛む頭を押さえ起きあがろうとすると、私の左手は小さな手ににぎられていた。



あれからどれくらい時間が立ったんだろう…
自身も怪我をしているのに私の手をにぎってふとんに顔を預けているコナンくん



『こんなに怪我をさせちゃってごめんね』


「ん…ん…瑠璃？」



頭をなでていると目を擦りながらコナンくんが起き上がる。



『ずっとそばにいてくれたんだね。ありがとう、コナンくん』


「瑠璃…ねえちゃん…」



ほっとしたような顔をするコナンくんをみて、すごく心配かけてしまったんだなと申し訳なくなった。



そのあとすぐに蘭ちゃんたちが来て、事件が解決したことを教えてくれた。
事件は、お父さんともっと一緒に過ごしたかった晶子ちゃんの寂しさからきた狂言誘拐だった。しかし、晶子ちゃんがホテルにいたところをたまたま見つけた犯人が本物の誘拐をしたというものだった。



晶子ちゃんの想いを知った谷さんは、必ず晶子ちゃんの行きたがっていたオーストラリアに行くという約束をしたそう。
なにはともあれ無事に事件が解決したことにほっとする。



「そうそう、コナンくんなんだけどうちで預かることになったよ！」


『わ！良かったね、コナンくん…』


「う、うん…！」


「それより瑠璃、怪我も心配だし今日はうちに泊まって！」


『うん、蘭ちゃんありがとう…！よろしくお願いします！』





＊＊＊



コナンside



谷さんの家からタクシーで蘭の家に戻る。
おっちゃんは事件が解決したことでとてもご機嫌のようだ。



「私ごはん作っちゃうから、瑠璃とコナンくんは部屋で休んでて！」


『えっ、蘭ちゃん！私も手伝うよ？』


「何言ってるの！瑠璃は怪我してるんだから、休んでて！」



蘭に背中を押される瑠璃と共に部屋で待つことに。



『ねぇ、コナンくん…』


「ん？なーに、瑠璃ねえちゃん？」



ドアの前で思い詰めたような表情をしてオレの名前を呼ぶ瑠璃



『コナンくんは新一くんなんだよね…？』


「な、なにいってるの…！？ち、ちがうよ！」



いきなり予想外のことを言われ驚く。
なんとか誤魔化さないとと返答をするが、オレの返答に泣きそうな目をする瑠璃に、これ以上嘘をつけないと覚悟を決める。



「…瑠璃、ごめんな…」


『新一くん…会いたかった…』



オレを抱きしめながら、ぐすっぐすっと涙を流す瑠璃
どれだけ心配をかけたんだろうという申し訳なさがこみあげる。