『はぁはぁ…やっと着いた…。』



二ツ橋中学校に着き、倉庫へ向かおうとすると大きな物音が聞こえる。
もしかして…コナンくん？！



再び走り出し倉庫に向かうと、犯人と思われる男性が血だらけのコナンくんに向かって鉄製のバットを振り回しているところだった。



『コナンくん！！』



コナンくんに向かって振り下ろされるバットを近くにあったモップで受け止める。



「瑠璃っ！」



私がきたことに驚いた様子のコナンくん
コナンくんのそばには晶子ちゃんと倒れたジャンボくんがいた。
こんな小さな子たちに傷を負わせるなんて許せない…



『コナンくん、晶子ちゃん…！もう大丈夫だからね…』


「クソッ…テメェもあいつと同じ目に合わせてやるよ」



犯人は突然現れたわたしに驚きながらも、すぐにバットを振り回しはじめる。
震える足に気づかないふりをして、必死に犯人の攻撃に耐えるが、何度か攻撃を受け止めるうちにモップが折れてしまう。



『うっ…』


「瑠璃！！」



頭に衝撃を感じると共に、コナンくんの叫ぶ声が聞こえる。
ふらつく体を必死で支え、犯人の攻撃を防ごうとするが避けることができず、再び殴られてしまう。



「おい！やめろっ！…くそぉ…」



地面に倒れる直前にコナンくんと目が合う。
私は大丈夫…だからそんな顔をしないで…



倒れたわたしに追い討ちをかけるように犯人の攻撃が降り注ぐ。
コナンくんの叫ぶ声が倉庫に響き渡るが、犯人の手は止まらず、意識が朦朧としてくる。



「ククク…最後はおまえだ…」



そういった犯人は跳び箱に寄りかかるコナンくんの方へ歩いていく。



『やめて…！コナンくんには手を出さないで…』



犯人の足にしがみつきコナンくんの方へ行かせないようにする。



「まだそんな元気があったなんてな…そろそろとどめをさしてやるか…」



傷だらけの体では犯人には到底太刀打ちできず、コナンくんのそばに蹴り飛ばされてしまう。



「瑠璃っ…やめてくれ…」


『コナンくん…私が絶対守るから…』



ぎゅっとコナンくんをだきしめ覆い被さる。



「仲良しこよしはそこまでだ…2人まとめてはじけろや…」



降りかかるバットに死を覚悟したが、犯人の攻撃は私には当たらず、代わりにガッという音が耳の近くで聞こえた。
恐る恐る顔をあげると、蘭ちゃんが右腕でバットを受け止めていた。



蘭ちゃん…良かった…
そう思うと同時に、張り詰めていた糸がぷつんと切れ意識を手放してしまう。
最後に目に映ったのは心配そうな顔をしたコナンくんだった…