「"何をいってる、さっき電話しただろ？あんたの娘を誘拐した男だよ…"」


「きさま…やっぱり仲間がいたのか…」


「いいえ、お嬢様を誘拐したのは本当に私一人で…し、信じてください！！」



麻生さんの必死な様子は、どうにも嘘には思えない。



すると、受話器から晶子ちゃんの助けを求める声が聞こえ、現場にさらに緊張が走る。
小五郎さんが会話を引き伸ばして情報を聞き出すように谷さんに指示をするが、逆にその場に警察がいるのではないかと犯人に疑われてしまった。



「"誰だ！？そこにいるのは！？まさか、サツじゃねーだろーな！？ヘタなマネしやがると…"」


「"パ、パパー、わたしがいるのは、学校の倉庫よ！！窓から大きな煙突の見える、どこかの学…きゃ！！"」



晶子ちゃんが犯人の声を遮って、自分の居場所を伝えようとしてくれたが、怒った犯人に電話を切られてしまう。



「窓から大きな煙突の見える、学校の倉庫？しかし、それだけではどこの学校か特定できん…遠くに逃げている可能性もあるし…」



小五郎さんが再び事件について考えている横で、麻生さんは谷さんに問い詰められている。
晶子ちゃんはどこにいるんだろう…こんな時新一くんがいたら…



そう考えていると、ダッと音がして後ろを振り返ると、コナンくんがジャンボくんに乗って走り出していた。



「コ、コナン君！？」


『蘭ちゃんっ！私もいってくる！』


「あっ、瑠璃…！」



走り去っていくコナンくんをみて、なぜだか着いていかないとという気持ちになり、蘭ちゃんの声を聞く前に走り出す。





＊＊＊



『はぁはぁ…コナンくん…見失っちゃった…』



必死にコナンくんの後を追うが、途中で見失ってしまう。
どうしよう…でも、きっとこの近くにいるはず…！



息を整えるために一度深呼吸をし、周りを見渡す。
どこかに煙突…煙突…あれって、煙突じゃない？！



『いや、煙突じゃなくて大きなビル…？もしかして晶子ちゃんが言ってたのってこのビルのこと？』



合っているかはわからないけど、最後の可能性にかけてこのビルが見える学校を調べる。
二ツ橋中学校…！



『お願い！どうか晶子ちゃんそこにいて…！』



疲れた体に鞭を打ち、再び走り出す。
どうか見つかりますようにと願いを込めて…