無事に依頼主の家につき、今は小五郎さんが事件の内容について整理している。



「これまでの話を整理すると…誘拐されたのは、この家の一人娘、谷晶子さん、年齢10歳…」


「誘拐した犯人は、全身黒ずくめの大男だったと…」


「はい…わたしの執事が目撃者です…」



小五郎さんがさらに聞き込みを続けていると、隣にいたはずのコナンくんが小五郎さんの足元まで行ってなにやらメモをとっていた。



「なるほどね…！では、その時の様子をもっと詳しく…」



執事の麻生さんも小五郎さんも突然自分たちの間に現れたコナンくんに驚いている様子



コナンくん…まるで新一くんみたい…



「だ、誰ですかこの子…？」


「いやー、わたしの知り合いの子でして…蘭！！ちゃんと面倒見てろ！！」


「ダメよ、コナン君…わたしのお父さんの邪魔しちゃ…」


「う、うん…」



小五郎さんはコナンくんを蘭ちゃんに預けた後も、麻生さんへの聞き込みを続けていた。



麻生さんが話すには、晶子ちゃんが学校から帰ってきて庭で遊んでいると、突然庭の隅から黒ずくめの男が現れたそう。
晶子ちゃんを返すのと引き換えに、一ヶ月会社を封鎖するという条件つきで。
そのあとは、庭にある大きな木をつたって外へ逃げたという。



「で？その男の、声の特徴は？」


「た、高かったような…低かったような…」



また事情聴取に参加するコナンに驚きながらも答えてくれる麻生さん



「うーん…あまり、はっきりしませんね…」


「こ、こいつ…」



何回も小五郎さんの捜査の間に入るコナンくん
そんな様子に怒りがさしたのか小五郎さんのげんこつがコナンくんの頭に落ちる。



『コナンくん大丈夫？』


「瑠璃ねえちゃん…大丈夫だよ」


「君達は、何も聞いてないんですか？犯人の声とか変な音とか…」



次はお手伝いさん達に話を聞く小五郎さん



「私達がかけつけたのは、悲鳴が聞こえた10秒後ぐらいでしたが、その時は麻生さんが…」


「"お嬢様がさらわれた！！わたしは犯人のあとを追う！！おまえ達はだんな様に連絡を！！"と、叫んでる以外は何も…静かなものでした…」



犯人を見たのも、声を聞いたのも麻生さんだけみたい。



「犯人の要求からみて、おそらく、これはあなたのライバル会社の仕業でしょう…」


「くそぉ…娘をさらった上に、金まで要求するとは…」



お金？さっきは会社の封鎖が条件って言ってたような…



「ついさっき、犯人から電話があったんだよ！！使用済の札で3億円用意しろとな！！！」


「そ、そんなバカな…」



麻生さんはその言葉に目を見開いて驚いていた。
なにかの間違えなんじゃ…とオロオロする麻生さんの様子をコナンくんがじっと見ていた。