新一くんと別れた後、不安ながらも蘭ちゃんとトロピカルランドをあとにして、自宅に戻ってきた。



新一くんもう家に戻ってきたかな…この胸のざわめきが杞憂であるといいのだけど…
それでもやっぱり心配で、新一くんの家に電話をかける。



「ハイ、工藤新一です…ただいま外出しております…」



受話器からは録音された新一くんの声が聞こえる。



まだ帰ってきてないんだ…やっぱりあの後なにかあったのかな…なにかあったらどうしよう…
胸のざわめきがどんどん大きくなる。



私はいてもたってもいられず、新一くんの家に向かうことにした。
降り頻る雨の中、走って新一くんの家に向かう。



新一くん！どうか、どうか…無事でいて…



新一くんの家の前に着き、明かりがついていることにほっとした。
新一くん！戻ってきたんだ…良かった…



玄関のドアが開いていたので、そのまま中にはいる。



『新一くん？いるの？』



書斎の扉を開けると、新一くんではなく阿笠博士がいた。



『博士？』


「い、いやー久しぶりじゃのー、瑠璃君！！」



博士と話していると博士の後ろの机からゴソっと音が聞こえた。



『えっ…そこに誰かいるんですか？』


「い、いやこの子はその…」



机の後ろを確認すると小学生くらいの男の子が後ろを向いて座っていた。
怖がらせないようにしゃがんで声をかける。



『こんにちは、僕。こっちむいてほしいな？』



そう声をかけて男の子のことを抱きかかえる。



『こ、この子…新一くんの小さい頃にすごく似てて、かわいいっ！！』



男の子と目が合い、そのあまりのかわいさにぎゅっと男の子のことを抱きしめる。



『僕、お名前はなんていうのかな？』


「え、えーっと…えーっと…」



中々名前を言わない男の子
もしかして、突然知らない人に名前聞かれて困っちゃったのかな？



「コナン！！！ボ、ボクの名前は、江戸川コナンだ！！！」


『コナン？もしかしてお父さんかお母さんがコナン・ドイルが好きなのかな？』


「ボ、ボクの父さんがコナン・ドイルのファンだったからこんな名前を…」


『そうなんだね！とっても素敵な名前だと思うよ』



そう言うとコナンは照れたように顔を赤くさせていて、とてもかわいかった。



『えっと…博士、新一くんがどこに行ったか知ってますか？』


「さ、さっきまでいたんじゃが…なんか用があるって外に…」


『じゃあ、新一くん帰ってきてたんですね！！』



新一くんが無事に帰ってきてることを博士から聞き、すごくすごくほっとした…



良かった…新一くん…