事件が解決したあと、私は新一くんと蘭ちゃんとトロピカルランドを歩いていた。



『蘭ちゃん大丈夫？』


「瑠璃…さっきの事件思い出しちゃって…」



蘭ちゃんはさっきの事件を後ろの席から見ていたんだもんね…
大丈夫だよという気持ちを込めて蘭ちゃんの手を握る。



蘭ちゃんは一瞬びっくりしたような顔をしたけど、すぐにこっちをみて握り返してくれた。



「あんたは、よく平気でいられるわね…」


「オ、オレは現場で見慣れているから。バラバラ死体とか…」



し、新一くんそれは…蘭ちゃんに返す言葉としては違うのでは…



「サイテー」


『もう！新一くんってば蘭ちゃんの気持ちもっと考えてよぉ…』


「えっと、は、はやく忘れた方がいいよ。ほら、よくあることだから…」


「ないわよ、こんな事！！」



焦って答えた新一くんの返答に蘭ちゃんはご立腹のよう。



「瑠璃もそう思う？」


『ううん、私も新一くんについて現場にいったこともあるけど、まだ事件は怖くてたまらないよ…』



怖くてたまらないけど、新一くんがいるからなんとか自分を保てているの。



「瑠璃…そうよね…！怖いのは当たり前なんだからっ！」



蘭ちゃんが少し元気になったみたいで良かった。
新一くんはというとどうやら草むらの方をみて考えているようで…なにか気になるものでもあったのかな？



『新一くん？どうしたの？』


「ゴメン、瑠璃、蘭！先に帰っててくれ！！」


「え？」


「すぐ追いつくからよー！」



そういって走り出そうとする新一くん
なぜだか、私は新一くんがどこか遠くに行っちゃうような気がして怖くなった。



『新一くん！！』


「瑠璃？」


『あっ、えっと…戻ってくる…よね？』



咄嗟に出た言葉はしどろもどろになってしまって…
でもそんな私の不安な気持ちを察したのか、新一くんはニッと笑って



「おう！だから、瑠璃は先に戻っててくれ…！」



そう言って今度こそ新一くんは走って行ってしまった。



不安な気持ちが消えないなか、蘭ちゃんに目線を向けると蘭ちゃんも私と同じく不安そうな顔をしていた。
きっと蘭ちゃんもなにか感じたものがあったのかな…



私たち2人は新一くんの走っていった方をみながら、しばらくの間立ち尽くしていた。