「犯人は…あなただ！！！」



新一くんが指をさす先を見てみると、真犯人は体操部の女性だった。



「何いってるのよ、愛子のバッグから刃物が出てきたのを見たでしょ！？」



女性は急に犯人に挙げられたことに動揺しているようで、自分じゃないと新一くんに反論している。



「わたしの乗ってた席は、死んだ岸田君の前の前よ！！どーやって、首が斬れるというの？だいいち、あなたが今いったじゃない！女の力じゃできないって…」


「確かに女性の力だけでは無理だ…だが！！コースターのスピードとピアノ線か鋼鉄の輪を利用すれば、可能だ！！！」



新一くんはそう言い、警察の方々に手伝ってもらって何が起こったのか説明してくれた。



まず、セーフティーガードをおろす前にバッグのようなものを背中にはさんでガードをおろす。
そうすることでスキ間ができ簡単に抜けられるようになる。



次にあらかじめ用意しておいた輪にフックのような器具を取り付けた物をとりだし、ガードに足をかけ体を後ろに伸ばし、真っ暗なトンネルの中で被害者のくびにかける。



仕上げに輪の先についているフックをレールにかけることで、コースターのスピードとパワーがあとはやってくれる。



「で、でたらめよ！！何を証拠に！？」


「では、お聞きしますが…乗る前にあなたがつけてた真珠のネックレス…いったいどこへいったんですか！？」



未だ反論をする女性に対し、新一くんは証拠を切り出す。



「おそらく、あなたはネックレスのヒモをピアノ線に変え、それに取り付けたフックはバッグの中に隠していた！！」


「さらに、あなたは体操をやっている！！ほかの女性ならともかく、バランス感覚の鍛えられたあなたなら、コースターの上でもこれくらいのことはできる！！」



新一くんの推理はとても筋が通っている。
しかし、犯人と言われた女性の友人が被害者の後ろに乗っていた黒ずくめの男性達の方が怪しいと指を指す。



しかし、新一くんは黒ずくめの男性はたしかに怪しいが今回の事件に関してはシロだと伝える。
そして、最後の証拠を犯人の女性へ突きつけた。



「そう…犯人は被害者が死ぬのを知っていたんですよ…だから、殺す前に涙を流した…」



もしかしてミステリーコースターに乗っているときに新一くんが言ってた水って…



「彼女の涙の跡が動かぬ証拠だ…ジェットコースターにでも乗っていないかぎり…涙は、横には流れないんですよ…」



その言葉を聞いた途端、泣き崩れる女性



女性の動機は、被害者の男性が長く付き合った自分から愛子さんに乗り換えたことが引き金となったらしい。
初めてデートをしたこの場所で、男性からプレゼントされたネックレスで、愛子さんに罪を被せて殺したかったと泣き叫んでいた。



夕焼けが赤く染まり、その光に照らされる私たち
いつもなら綺麗だと思う景色も、今日はなんだか悲しげにみえた。