目暮警部と新一くんは事件について座って話し合っている。
私と蘭ちゃんは近くでその推理を聞いていた。



「君と瑠璃君、蘭君はとりあえず除外して考えると、容疑者は5人！！」


「一列目に乗っていた、被害者の友人Aと、同じく友人B…。被害者と同じ三列目に乗っていた、被害者の友人であり、恋人でもあるC…。そして、被害者の後ろに乗っていた黒ずくめの男、DとE…。」


「でも、そうなると全員セーフティーガードをして身動きがとれなかったのだから、殺害できたのは、被害者のとなりに座っていたあの女性だけとなるが…」



目暮警部の話の後に、黒ずくめの長髪の男性が話しかける。
どうやら急いでいるみたい。



「オレ達ゃ、探偵ゴッコにつきあってるヒマなんかないんだぜ…」



新一くんに向かって冷たい言葉を放った男性をチラッとみてみると、言葉と同じくすごく冷たい目をしていた。
少し怖くなって、蘭ちゃんの服の袖を掴んでしまった。



「瑠璃？どうしたの？」


『あっ、蘭ちゃんごめんね…なんでもないの！』


「私は全然大丈夫だけど、なにかあったら言ってね」


『うん…ありがとう！』



蘭ちゃんの優しい言葉で怖さも和らいだ。
私は本当に人に恵まれているなって改めて感じていると、大きな声が響いた。



「警部！！この女性のバッグからこんな物が！！」



血のついたナイフが被害者の恋人の女性のバッグから出てきた。
女性は必死に無実を訴えているが、周りの人々は彼女が犯人できまりだと言わんばかりの声をあげている。



『新一くん…本当にあの女の人が犯人なの…？』


「いや、真犯人は別にいる…今からそれを証明してやるから」



そう言って新一くんは前に進み始める。