獣たちの宴
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『時間がかかりすぎだ。が、できたじゃないか』
先ほどの闇の攻撃魔法を教えてくれたのも、やはりホメロスさまである。
私の魔力を使わず実体化しない彼の、普段より少しだけ優し気な声。
……私は魔法戦士のくせに、扱える魔法の種類は極端に少ない。
しかし、魔力以外はミソッカスとまで言われた私の実力は今めきめきと伸びている。
他ならぬホメロスさまの指導によって。
「ねえ、ホメロスさまは何を企んでるの。…私を使って」
『クク…心外だな。こちらは純粋な親切心で教えてやっているというのに。スクルトも、ドルモーアも、フバーハも』
ホメロスさまはそう本当におかしそうに肩を震わせる。この人の悪意は基本的にわかりやすいのだけど、最近は妙に読めない――いやそれを通り越して気持ち悪いくらいに、人が良い。
『お前は今はただこのホメロスに従い、力を追求していれば良い。ゴリアテでも、グレイグでもなく、だ。…オレならば救ってやれる』
救う、というホメロスさまのイメージとはかけ離れたボキャブラリーにいよいよ怪訝になって眉間にシワが寄る。その様すら、彼は嘲るどころか微笑ましそうに見つめてくるのだ。
「何を気持ちの悪いことを…言ってるんですか」
ともすれば愛情のようなものすらその目の奥に感じた。…さすがにそれは自意識過剰というやつだろうけども、それでも。
私のいつもの自覚的に出す無礼な発言に、ホメロスさまはいつものように怒ることはしなかった。
『その内イヤでもわかるさ。…さて、そろそろ急いだ方が良いのではないか?愛しのゴリアテ嬢がお待ちかねだ。
さっさと謝っておくがいい。こういうものは、先に延ばすほど難しくなる』
嫌味が特技のはずの幽霊に突如そんな風に優しく背中を押され、思わず駆け出す。
ひどい違和感を覚えながらも私はとりあえずお礼を言うことしかできなかった。
先ほどの闇の攻撃魔法を教えてくれたのも、やはりホメロスさまである。
私の魔力を使わず実体化しない彼の、普段より少しだけ優し気な声。
……私は魔法戦士のくせに、扱える魔法の種類は極端に少ない。
しかし、魔力以外はミソッカスとまで言われた私の実力は今めきめきと伸びている。
他ならぬホメロスさまの指導によって。
「ねえ、ホメロスさまは何を企んでるの。…私を使って」
『クク…心外だな。こちらは純粋な親切心で教えてやっているというのに。スクルトも、ドルモーアも、フバーハも』
ホメロスさまはそう本当におかしそうに肩を震わせる。この人の悪意は基本的にわかりやすいのだけど、最近は妙に読めない――いやそれを通り越して気持ち悪いくらいに、人が良い。
『お前は今はただこのホメロスに従い、力を追求していれば良い。ゴリアテでも、グレイグでもなく、だ。…オレならば救ってやれる』
救う、というホメロスさまのイメージとはかけ離れたボキャブラリーにいよいよ怪訝になって眉間にシワが寄る。その様すら、彼は嘲るどころか微笑ましそうに見つめてくるのだ。
「何を気持ちの悪いことを…言ってるんですか」
ともすれば愛情のようなものすらその目の奥に感じた。…さすがにそれは自意識過剰というやつだろうけども、それでも。
私のいつもの自覚的に出す無礼な発言に、ホメロスさまはいつものように怒ることはしなかった。
『その内イヤでもわかるさ。…さて、そろそろ急いだ方が良いのではないか?愛しのゴリアテ嬢がお待ちかねだ。
さっさと謝っておくがいい。こういうものは、先に延ばすほど難しくなる』
嫌味が特技のはずの幽霊に突如そんな風に優しく背中を押され、思わず駆け出す。
ひどい違和感を覚えながらも私はとりあえずお礼を言うことしかできなかった。